【地方創生】建築士の稼ぐチカラを引き出す
生まれ故郷の千葉県いすみ市に6年前に東京から家族でUターン.それ以来,いすみ市の地方創生に関わっています.いすみ市にUターンしたキッカケやUターン後の取組みについては,コチラ((一社)実践教育訓練学会の学会誌へ寄稿したもの)をご覧ください.
地方創生に関わることで,いすみ市商工会の専務理事を拝命し,東京を中心に全国から集まった事業承継希望者と地域の事業者の皆さんをマッチングする交流会を開催したり(NHK「クローズアップ現代」の密着取材も受け,放映されました),新規事業創造委員会を新設し,事業者どうしの交流を促進したり,いすみラーニングセンターの開設や地域商社の設立などにも関わらせて頂きました.
東京にいた頃は,本業である建築業界の中だけで活動していたように思います.それが地方創生に関わることで,農業,漁業,酪農,福祉,製造・加工,物販,飲食,宿泊,エネルギー,金融,寺院・神社,政治,行政,教育委員会など様々な分野の事業主や組織の皆さんからそれぞれの業界のリアルを共有してもらえるようになりました.それによって,僕自身の問題解決力も磨かれ,稼ぐチカラ(=新しい価値を生み出していく力)も大きく高めることができました.
例えば,今,東京の一等地にある狭小敷地に集合住宅を建築プロデュースしています(コチラ).チームに不動産コンサルにも加わってもらいましたが(なかなかのコストがかかりました),かぼちゃの馬車事件による不動産系事業融資の引き締めによって,フルローンで融資して頂ける銀行が見つかりませんでした.その不動産コンサルもお手上げでしたが,その時,いすみ市の地方創生でつながった縁から,千葉県内の銀行がフルローン融資を実行してくれたのです.この融資の実行がなかったらこのプロジェクトは頓挫していたので,クライアントにも大変,喜ばれました.建築的問題解決力では,ここまで感謝されません.こういった金融機関と連携する問題解決力は地方創生に真剣に取り組んでいたからこそ身に付けられたものです.
T型人財という言葉をご存知でしょうか?Tの字の横棒を左右に伸ばしていくイメージです.地方創生とは,様々な分野の事業者たちとつながりあえます.それによって,自分自身の横棒が大きく左右に伸びていきます.それによって生み出させる問題解決力には希少価値が宿るということを痛感しております.これって,今の時代に希少価値ってヤツを生み出せるコツの一つかもしれない.とりわけ,この手法は建築人との親和性が高いです.
大学で建築学生たちへキャリアデザイン等の講義を行ってきましたが,若い世代へは,地方創生に関わることで自分の問題解決力を高めらる,それが,自身の稼ぐチカラを成長させてくれるという事実を伝えています.
一方,地元の子ども達には,希少価値のある問題解決力を持てるようになることが勉強することの目的であるとアドバイスしたり,そのためにもT型人財を目指すことの重要性を薦めています.
上記のような取り組みを地道にコツコツ,続けてきたおかげで,千葉県内54の市長村のうち13の市町村長へ講演する依頼も頂けるようになりました.コチラ.
そろそろまとめに入りますが,今,将来に不安を抱えている建築人たちへ知って欲しい.自分の問題解決力を磨きあげよう.単に建築スキルがあるだけではダメです.同じ問題解決力を有する建築人は他にもたくさんいるのだから.それでは,希少価値を生み出せない(=レアカードになれない).10年なんてアッという間に過ぎてしまう.だから,レアカード人財になることを本気で目指して,これからの10年をどのように生きるのかがとても大切です.だからこそ,地方創生ってヤツに関わることをお薦めしたい.特に,勝手知ったる生まれ故郷が望ましいです.
ただ,生まれ故郷が都会だったり,事情があって戻れる故郷がないのであれば,千葉県いすみ市をお薦めします.僕もサポートします.いいことばかり書き綴ってきましたが,まだまだ人財不足です.一緒に,地域の稼ぐチカラ(=希少価値を生み出していく力)を引き出してくれる仲間を募集しています.
今,僕が挑戦しているのは,田舎の『空き家再生』です.このまま放置された空き家が増え続けると,街並みは悪化し,加速的に地域の魅力が損なわれていく.そこで,全国の建築士仲間たちと協力しあって,『空き家再生』事業にも挑戦しております.先日,仲間たちとのトーク イベントをオンラインで開催しました(主催は千葉県建築士会 事業委員会).当日の様子はYoutubeで公開中↓
このトーク イベントのプロモーション動画は,山下 慶さんが製作してくれました↓
建築士が空き家を再生し,自らが事業者となって稼ぐチカラを生み出していく.その際,肝心なのは,リノベーションのデザインではない.それよりも,再生後の収益力を適切にデザインできるかどうかにある.たから,僕の場合,建築デザインも工事も,別の建築士にお願いしてしまう.それよりも,地域内の事業者たちと連携して,地域ならではの体験型コンテンツを開発していく.例えば,売りには出せないけど,メチャクチャ絶品のグルメがいすみ市にはあったりするのです.また,農家や漁師から直接,レクチャーを受けながら,農作物を収穫したり,釣った魚を自分手でさばいたり.
「面白いことができるから千葉県いすみ市に来てください!」っていう呼び込み方もやめる.そんなんじゃ都会人は遊びに来てくれない.そこで,僕の事務所で御茶ノ水にあるコチラの施設に入居し,外房地域の魅力に触れたり,疑似体験できるイベントを開催していきます.
『空き家再生』や千葉県いすみ市に興味のある方や,別の地域で既に『空き家再生』に取り組まれている方は,気軽にメールして欲しいです.情報交換していきましょう.『空き家再生』に関わっていると,結構,孤独なんですよ.地域からも,事業者からも,建築同業者からも異端児として叩かれることもしばしばなので.仕方がない.それは挑戦者の宿命なのだから.
それと,この記事を読まれている方の中には,一級建築士受験生もいるでしょう.中には,何年もこの受験に苦しまれている方も少なくないはず.心配しなくていい.その苦しみは『希少価値』に変えることもできます.苦しまれているほど,教える側に回った際に,多くの受験生を救えるようになります.講師よりも,合格者よりも,今,苦しんでいる受験生の方が教え方が上手かったりするんですよ.ツナグウで教える側に回って,稼ぐチカラを生み出してください.それだけで食べていける時代が始まっています.僕も本気で手伝わせて頂きます.
とにかく,この世界のクソッタレな常識や慣習を打ち破り,より健全な未来を次世代へ向けてデザインしていく.『地道にコツコツ,粘り抜くことで,必ず,実現できる』ということを僕は知ってしまったのだから.
未来を一緒にデザインしよう!
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