【西洋建築史】ルネサンス様式って何?
前回からの続きです.
今回からルネサンス編に入ります.
平成21年の一級建築士試験には,次の知識が問われました.
【解説】
ルネサンス建築の話に入る前に,これまでの西洋建築史の流れを一旦,整理しましょう.313年にローマ帝国内でキリスト教が国教として公認され,初期キリスト教建築(コチラ)が西ローマと東ローマで別々の形で発展していきます.
東ローマでは,東方のイスラム教文化の影響を受け(当時は,イスラム文化圏の方がヨーロッパ文化圏よりも科学技術力も文化度も高かった),ビザンチン建築(コチラ)として開花します.キリスト教の形もギリシャ正教として,イスラム文化圏の影響を受けます.イスラム教の礼拝堂は,モスクという集中式のドーム型ですが,ギリシャ正教の礼拝堂もハギア・ソフィア(コチラ)や,サン・マルコ大聖堂(コチラ)のように集中式のドーム型となります.
一方,西ヨーロッパでは,初期キリスト教建築(コチラ)は,ロマネスク建築(コチラ)→ゴシック建築(コチラ)へと進化していきます.この流れは絶対に忘れないでください.ここが分かると,西洋建築史を得点源にできます↓
しなしながら,15世紀ぐらいになると,「なんか,神のための建築ばかりつくってるよな?」という疑問が起こり,「死んだ後の世界のことばかり考えて生きるよりも,もっと現世の世界と向き合い,神ではなく,人間が主役の建築をつくっていこうぜ!」という運動が起こり,それが全ヨーロッパへと伝播していきます.それがルネサンス(復興や再生の意味)です.分かりやすいYouTubeの動画解説は↓(倍速視聴してください)
ルネサンスでは,古典建築(=ギリシャ建築(コチラ)+ローマ建築(コチラ))が理想系として,学ぶべき手本とされました.なぜなら,古典建築では,神のための建築ではなく,人間のための建築が活き活きとデザインされていたからです.具体的には,「比率(オーダーや黄金比等)」や,「知覚補正(コチラ)」という形で,この現実世界の仕組みを巧みに建築デザインに取り入れてました.
そして,このルネサンス期から,建築家なるものが登場し始めます.
そんな時代背景の中,古代ローマ期の先端技術を記したウィトルーウィウスの著書「建築書」は,現存する最古の建築理論書と言われ,古典建築の復興を志したルネサンスの建築家たちに強い影響を与えた.
【解答】◯ 続く
【参考となるYou Tube動画】時間のない方は視聴不要
以上