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【いすみ市】放置スギを家具に再生

千葉県いすみ市の山が死に森になっているという話は,僕が子どもの頃から言われていた.戦後,日本の各地で大量に植林された杉山は,海外から輸入される安い木材に押された結果,この国の林業は実質的に壊滅してしまった.僕が暮らす千葉県いすみ市周辺も同様だ.杉(以下,スギ)山は何十年も放置され,今は死に山となっている.間伐などの手入れがなされないため,枝が生い茂り,日光が根本や大地まで届かず,人間で言えば,病気を患っているのと同じ状態で,弱々しく生息している.それが,長期にわたる停電被害をもたらすことになる.

令和元年に台風15号,19号の強風によって弱体化したスギたちが倒木し,その際に電線を切断した.当初,東京電力は速やかに復旧できると考えたが,倒木によって切断現場までの道路が塞がれ,工事車両がたどり着けなかったことが停電を長期化させた.

現在,いすみ市では倒木対策によって数千万円を税金が投入されている.「利活用してはどうか?」という声もあがったが,死に山として放置されてきたスギは,品質が悪く建築材料や家具材としては使い物にならない.ウッドチップやペレットへの利活用も検討したが,採算が合わない.

この問題を解決するには,利活用での付加価値を大きく高める必要がある.

そこで,放置スギを飛騨高山にある飛騨産業まで輸送し,そこで,圧縮加工し強度を高める(特許技術).その上で,家具を製作する取組みが大丸木工所(千葉県いすみ市)を中心に地域ぐるみで始まった(別紙参照).

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千葉県いすみ市から飛騨まで一旦,スギ材を送るための輸送コストも時間もかかりますが,近い将来,自動運転車の登場や進化によって,輸送コストは低コスト化されていくと考えています.

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↑のように伐採後,放置されるスギを↓のように製材後,飛騨へ輸送

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↓のように,飛騨産業の特殊技術で圧縮加工を行い,スギ材の強度を高める

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↓のように家具へ再利用(神田にあるオフィスへ納品).この再生家具は,ご連絡頂ければ,お見せできます(最寄り駅/大手町,神田).

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