【学科】国立国会図書館関西館
前回からの続きです.
~↓↓↓1分で解説!YouTubeショート動画↓↓↓~
まずは,コチラ↓のYou Tube動画(約10分)をご覧ください.1.5倍速での視聴で構いません.
国立国会図書館関西館(京都府,2002年,陶器二三雄)は,都内にある国立国会図書館・東京本館の蔵書収容能力が限界に達しつつあったため,資料の収蔵スペースを長期的に確保し,21世紀の高度情報化社会における資料・情報に対する需要に対応するとともに,近畿圏における大規模な調査研究図書館としての役割を果たすことを目的に京都,大坂,奈良の三府県にまたがる関西文化学術研究都市に開館した.
全体の3/5以上を占める書庫を地下に,中庭に面した開架閲覧室(新聞・雑誌コーナ等も有)を半地下に,地上部分には管理部門を配置している.
令和2年(2020年)に↑の断面図の管理棟の右側へ書庫棟が増築された.
書庫棟増築については,↓のYou Tube動画(約2分30秒)をご覧ください.
本館では,地上部分に露出するのは,中庭にアトリウムを介して配置された管理部門棟のみである.管理部門棟の地下1階部分には大会議室や研究室が,最上階にはカフェテリアがあり,緑豊かな自然への眺望を確保している.
地下1階,開架閲覧室の上部の屋根は屋上緑化されたのこぎり状の屋根形状となっており,ハイサイドライトにより室内への自然採光を確保している.
外壁のカーテンウォールは,模様入りのガラスによるダブルスキンとなっており,内部動線は,開架閲覧室を中心とする利用者導線と管理部門棟を中心とする管理者の動線を明確に分離しているほか,合理的な運搬計画や空調負荷および構造負荷の軽減などを図り効率的な書庫の環境を実現させている.
外観はシンプルな直方体ではあるが,決して凡庸で無機質な建物ではない.カーテンウォールのガラス面に施した模様に写る木々のうつろいや光の揺らぎ等が表情豊かで静謐な空間を創出している.2004年に日本建築学会賞を受賞.バーチャルツアーは,コチラ.
平成19年の一級建築士「学科」試験で問われた知識です.
【解説】
国立国会図書館 関西館(2002,京都府精華町,陶器二三雄)は,図書館資料の増加に対応した収蔵書庫の確保,高度情報化社会に対応した電子図書館としてのサービス提供を目的としている.景観に配慮して全体の3/5以上を占める書庫と閲覧室を地階に設けており,管理部門棟と開架閲覧ゾーンを中庭を介して切り離すことで,管理上,職員動線と利用者動線を明確に分離している.
【解答】〇
平成23年の一級建築士「学科」試験で問われた知識です.
【解説】
国立国会図書館 関西館(陶器二三雄,2002,京都府精華町)は,地上4階・地下4階建てで,中庭に面する開架閲覧室を半地下として計画することで,建物の地上部分のボリュームを抑え,景観上の調和に配慮している.最先端情報技術を活用した図書館であるが,閲覧室,研究室を始めとする各所室は,テクノロジー的硬さのない自然感溢れる明るい開放的空間となっている.
【解答】〇
続く
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