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【学科・製図】バリアフリーの傾斜路(スロープ)等

今の一級建築士試験は,製図試験でも,学科試験でも合格に求められる知識があります.同時に勉強されておくことを強くお薦めします.その1つが,バリアフリーの傾斜路等です.

【移動円滑化基準の傾斜路(スロープ)】
・幅は120㎝以上(階段を併設する場合は90㎝以上)
・勾配は1/12以下(高さが16㎝以下の場合は,1/8以下でよい)
・高さ75㎝以内ごとに踏幅150㎝以上の踊り場を設ける

【移動円滑化誘導基準の傾斜路(スロープ)】
・幅は150㎝以上(階段に併設する場合は120㎝以上)
・勾配は1/12以下
・高さ75㎝以内ごとに踏幅150㎝以上の踊り場を設ける
・高さが16cmを超える傾斜がある部分には,両側に手すりを設ける

一級建築士学科試験ではどのように出題されていたのかを下記にまとめました.


平成25年の学科試験には,次の知識が問われました.

【問題】◯か×で答えよ
屋内の階段に代わる歩行用の傾斜路の勾配を,1/12とした.

【解説】
階段に代わる歩行用の傾斜路の勾配は1/8以下と定められている(建築基準法施行令26条).尚,車いす用スロープの勾配は,一般に,屋内で1/12以下,屋外で1/15以下とすることが望ましい.

【解答】◯


平成25年の学科試験には,次の知識も問われました.

【問題】◯か×で答えよ
車いす使用者が利用する屋外の傾斜路の勾配を1/25とし,手摺は設けなかった.

【解説】
車いす用スロープの勾配は,一般に,屋内で1/12以下とし,屋外では,1/15以下とすることが望ましい.また1/20以下の緩い勾配では,特に手摺を設ける必要もない.

【解答】◯


平成30年の学科試験には,次の知識が問われました.

【問題】◯か×で答えよ
車椅子使用者に配慮した集合住宅の駐車場からエントランスホールにアプローチする傾斜路の計画に当たり,車椅子使用者が自力で登ることができるように,勾配を1/16とした.

集合住宅の駐車場からエントランスホールにアプローチする傾斜路の勾配は,一般に,屋内で1/12以下,屋外で1/15以下とすることが望ましい.

【解答】◯


平成26年の学科試験には,次の知識が問われました.

【問題】◯か×で答えよ
公共図書館の計画に関し,「高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく移動等円滑化経路を構成する傾斜路においては,高さ200mmの段差に対して,勾配を1/10とし,手すりを設けた.

【解説】
「高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく移動等円滑化経路を構成する傾斜路(令18条2項第四号)においては,「勾配は,1/12を超えないこと.」とある.一般に,屋内で1/12以下,屋外で1/15以下とすることが望ましい.

問題文の勾配1/10は,屋内においても,屋外においても急勾配であるため,問題文の記述は誤り.

【ポイント】
勾配となる1/◯の値は,◯の数字が大きくなるほど勾配は緩やかになり,逆に,◯の数字が小さいほど急勾配となる.

【解答】×


令和3年の学科試験には,次の知識が問われました.



以上

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