【製図】防火区画(面積区画と接壁)について
2023年前半戦通信添削課題第4課題Bの1,2階平面図での防火区画について解説します.1階図書館ホールの上部に吹抜けがあります↓
1階(避難階),2階(避難階の直上階)の吹抜けなので,竪穴区画は不要です.面積区画として,1,2階ともに南側の図書館部門(ピンクマーカー)で,面積区画しています.そのため,出入口には,特定防火設備(◯特)を設けております.1階平面図のエントランスホールの東側の倉庫部分はRC壁で防火区画されているため,出入口部分に◯特は不要です.
また,2階平面図の南東にある屋上庭園の部分は,外部なので防火区画は不要です.防火区画はあくまで,建物の内部と内部を区画するためのものです.この時,注意して欲しいのは,屋上庭園に面している市民アトリエとワークルームの間の防火区画です.それぞれの窓が防火区画を挟んで存在するため,火災時の火の回り込みを防ぐように窓と窓の間に90㎝以上の接壁(スパンドレル)が必要です.スパンドレルを設けられない場合は,どちらかの窓を防火設備(◯防)としてください.
ただし,これが2階平面図,3階平面図になると竪穴区画も必要になるため,この区画のままでは防火区画が成立しません.竪穴区画の場合,竪穴部分ごとに区画せねばならないため,EV部分,階段部分,吹抜け部分を竪穴区画してください.そのため,区画できないオープンな階段は計画しないようにする.また,吹抜けの下部には,シャッターなり,避難用のクグリ戸が必要とになりますが,それらも◯特と表記することを忘れないでください.竪穴区画は,◯防で構いませんが,面積区画を兼ねるため,試験対策としては,◯特とします.ウラ指導受講生は,通信添削課題1Bの模範解答例の2階ラウンジとその上部吹抜け部分のシャッターやくぐり戸での竪穴区画(面積区画兼用)をご覧ください↓
↑の2階平面図でシャッターにも,くぐり戸にも◯特と表記しております.ここは手を抜かず,キッチリ,対応するようにしてください.
今の製図試験では,◯特の表記が一つでも抜けてしまうと,大減点となってしまうものとして対応してください.↓のような出入口部分については,模範解答例のように表現しておく癖をつけておきましょう.これくらいに慎重に対応せねば,◯特を表記し忘れてしまう癖を改善できません.適当に対応してしまうからこそ,◯特の表記が漏れてしまうのです.これで,不合格が決まってしまうという覚悟をもって,図面表現してください.
以上