アタック・オブ・リキシャーク
大きな背鰭が土俵面に現れた。
「出たぞ!!今だ!」
薄茶色の土俵越しに、リキシャークの髷や背が見える。
力士らは真剣な面持ちで網を放った。
「回り込め!そっち回り込め!ああっ……」
リキシャークは網を避け、水中……いや、地中深くへ潜っていった。
「行ったか?」
幕下が、円の中に足を踏み入れる。
土が吹き上がった。
「リキシャークだ!!」
幕下の悲鳴が響く。
(暗転、親方の部屋)
「あれは元の横綱じゃない」
「彼は彼よ。土俵の下から私を見る目は変わってない」
迫る本場所……
「行動が読めない。力士を危険に晒すわけには」
「むしろプラスなのでは?彼は横綱……彼に勝ちたいという力士は大勢いた」
煽る闇タニマチ!!
「本当に行くのか?」
「彼を救いたい」
「行くなら俺たちも!!」
弟弟子!
「おっと俺達も忘れるなよ」
兄弟子!ライバル!
「うちの部屋に来た時は、一番小さかったのになァ」
「親方逃げて!奴はもう……」
この冬、あなたは伝説の取組を目撃するーー。
逆噴射プラクティス用に思いついたけど、上手く小説にできなかった為、予告編風にして供養。