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受託事業と自社事業のあいだを目指して〜会社名を「東京八景」に変更しました。〜

思い返せば、僕はこの10年以上ずっと受託事業と自分のやりたいこと(=自社事業)を行き来していました。

いきなりですが、2024年12月、これまで大森山王ブルワリーを運営してきた「MobilExSchool合同会社」から、「東京八景株式会社」に社名と組織を変更しました。

■MobilExSchoolに込めた思い

MobilExSchool=Mobile Ex(perience) School= 移動体験教室=モバイルスクール、「ここでしか味わえない体験を通して、新しい時代を賢く明るく生きるための力をつけるための学校。」

学校を飛び出す意図のロゴ(制作:リトさん)

と言う趣旨で、2017年、受託会社として生計を立てつつ、アキナイ山王亭で地域活動をする中で、新しい事業として立ち上げたものでした。
当時は子ども向けの体験塾のような形で立ち上げたものの、なかなかうまくいきませんでした。僕らが何者かわかってもらえない、そんな中で新しい価値、体験を届けるのは、僕らの熱量も足りなかったのもあるとはありますが、とても難しかった。

それは受託事業をやりながら、自社事業を一人でやることの難しさでもあったと思います。
それは、受託の方は脳みそもカラダも言ってしまえば、発注側にペースがあるので、そのペースを掴めばいい。だけど、自社事業の場合は自分でペースを決めないといけない。それがうまくできませんでした。

そんな失敗もあった中で、受託事業にあまり影響のない夜を使い、自分たちのことを知ってもらう、というよりも、もっとまちの人たちの声を聞きたいということで、夜気軽に集える場所、しかも「学校に行く!」といいながらビールを飲める場所を作れないかということで、「たいようの醸造場」を作りました。

「たいようの醸造場」乾杯できるだけで楽しかった日々〜2017年9月頃〜

そこでの経験を得て、正式に会社化し、クラフトビール事業を始めたのが、2018年でした。
何度も書いていますが、最初の挑戦は独りよがりで大失敗。ビールを売る楽しさも感じることができたけど、なかなかまちの人たちに受け入れてもらえなかった。そんな中で、やっぱり僕は言葉があってるかわかりませんが、受託事業をやっていくのが自分には向いているのかなと弱気に思ったのを覚えています。ああうまく行かないのかと。

そして、そんな中でも諦めきれず、1から大森のことを学び直し、地域にもっと足を運び、2019年に再起動し、「大森山王ブルワリー」として事業を始めました。最初の半年は、それまでの失敗が嘘かのように、アトレ大森さんを始め、地域のお店、団体に暖かく受け入れていただき、お店が無いにもかかわらず、卸売、イベント、催事で売上を上げることができました。

山王オクトーバーフェスト〜2019年11月〜

最初は1日約100杯、5万円の売上で大喜びだったところから、1日数十万円の売上も経験し、ああ、これが自分で事業をやることの楽しさなのかと感じたものの、その時もやはり、受託事業をメインに、大森山王ブルワリーはあくまでサブとしてでした。

■結果としての自社事業への専念

それが一気に崩れ落ちたのが、2020年。
コロナがきっかけで、それまでの受託事業がすべてなくなりました。
広告、しかもエンターテイメント系の仕事が多かったことは非常にやりがいがあったものの、三密など人の行動を制限する世の中では為すすべもなくなりました。

それがきっかけで結果として、自社事業にシフト、そこからの4年間は必死でした。2020年、コロナ始まりの年の超積極的なお店「Hi-Time」のOPEN、そして大ヒット。そこから、酒販をメインにした、お酒の販売にシフトし、ビールをどうお届けするかを必死に考えました。
地元の人のオンライン購入割合が半分を超えていたこともあり、売上認知アップを図り、西蒲田に「Special End.」をOPEN。

Special End.オープン前の関係者向けプレ〜2021年11月〜

当時、飲食店には多大な補助がありましたが、酒販店には全く補助がありませんでした。いや、売上を下げた会社には補助がありましたが、売上を上げた会社にはありませんでした。

それでも、ここで頑張れば、きっと何かが得られる、そう信じて、お金もたくさん借りて、突き進みました。

そんなコロナ全盛時代で設計したお店展開も、2022年イベントが徐々に復活し、飲食店に人が戻ると流れがまた変わりました。お酒の販売店という価値だけでは、このまちで選んでもらえなくなりました。

そんなことを感じ、ビールだけではいけないとビールを超えたものを売ろうと展開し、イベントへの出店、そこから自分たちでイベントを行うまでになりました。初回の2023年のカオルマ、僕らが持っていた備品は、机だけ(アキナイにあったもの)だけでしたが、自分たちで決めて、1からやったことのないことに挑戦していくことはとても楽しいし、刺激的な日々でした。

初回カオルマの前の準備、始めてのことで毎日楽しかった〜2023年4月〜

そして、2023年も後半になると世の中イベントラッシュ、雨だったり、人の入りだったりが読めない中で、イベントに頼る経営は危険だと感じ、お店(日々)の活動に力を入れようと、東京∞景にさらに力をいれ、久しぶりのコミュニティ活動、「学校」も始めました。

学校の最終日〜2024年6月〜

■根本にある思いと信じるもの

僕が大森で信頼している二人の父と読んでる先輩から、コロナ1年目の40歳のころ、「まちだくん、この5年、どんなことがあっても諦めず、走り続けなさい、この5年で決まる。そしてそのやったことがいつか花開く、やらなければ開かない」と口を揃えたかのようなアドバイスをもらい、僕はただそれを信じて突き進んできました。気づけばもうあと半年になってしまいましたが・・

父(寺さん)と父(野口さん)といつも優しい中根さん

この5年、本当に揺さぶられ続けました、変わる世の中、サービス、価値。
そんな中で、よくやったとは言えないけど、ちゃんと自分たちで問いを立て、それに向かって、考え行動はしてきたと思います。
それはすべて、サンデーカンパニーを始めとした、大森山王ブルワリーのコミュニティのおかげです。

そんなコミュニティがあったおかげで、結果として地域での信頼を得たり、ビールがあったおかげでたくさんの体験ができました。
そして、売上としても、コロナがあって受託事業は全くなくなってしまいましたが、ビールがあったおかげで受託事業の売上を超えることができたことで、僕自身もなんとか生きることができました。

しかし、このまま自社事業を突き進めるのか、そんなことをずっと考えている中で一つの答えが見えてきました。

■MobilExSchoolのその先としての東京八景

振り返ってみると、MobilExSchoolとは、様々な体験をすることだと定義していましたが、ひょっとしたら、「問い」を作り、それを仲間たちと一緒に解決する体験、こそがやりたかったことなのではないかと思うようになりました。

これまで信じていたものが、自分たちの体験だとするならば、
これからは、僕らの問いだけではなく、世の中の人や法人などと一緒に問いを作っていくことなんではないだろうか?
そしてその問いを解いていく過程にこそ、価値があり、その過程が違うからこそ、面白いのではないかと仮定しました。

受託事業で行ってきた、問題を解決すること
自社事業で行ってきた、問題を提起すること

それを一緒にできないかと思ったんです。

問いを作り、世の中を巻き込みどうやって解決しようとするか。
解決することには価値があまりなくて、その過程にこそ価値がある。

この4年間ずっと「問い」ばかりをやってきたし、それが楽しかった。

自社事業をやってきた、僕らだからこそ、その、ハイブリッドな受託なのか、自社事業なのか、その狭間のようなことができるのではないかと考えました。その人達が生きてきた世界をより、良くするための受託でも自社でもない新たな事業。

その人、会社なりが抱える悩みや不安や問題点、そして作りたい世界、それを大森山王ブルワリー、東京∞景で解決しようと頭とカラダを使うこと

かつて、東京藝術大学が行っていた社会人大学に通ってたとき、学長の日比野さんより、課題解決をするベンチャーを作ったら?と提案したら、「解決するベンチャー、何も新しくないよね」の一言をもらいました。もう6年も前のこと、ようやくその時の意味がわかった気がします。

改めて、その過程にこそ意味があり、そこでできた関係こそ価値がある。
これが、先に話した「網業」のコア事業の1つになりうるのでは無いかと考えています。

ということも踏まえて、体験に意味があった「MobilExSchool」から、
その人の世界を共有し、その世界を楽しむ「東京八景(ほんとは∞にしたかったけど登記できないので)」に変わります。

大好きなメンバーたちを中心に、新しい風を巻き起こし、
その人中心の楽しい世界を作っていきます。

かつては、僕らがいる、大森駅、八景坂ビルの向かい辺りには行楽地「八景園」がありました。
歌川広重の絵にも書かれている風光明媚な八景、かつての八景が自然に対して言われたものであるならば、考古学発症の地、すなわち、古代より人の営みがあり、都内で3番目の駅ができた大森駅、近代でも人の交流があったそんな人のまち、大森だからこそ、人の世界にフォーカスを当てた「東京∞景」に意味があると感じています。

そのために、会社名は「東京∞景」です。
そして、なぜ大森ではなく、東京をつけたいか、その話はまた改めてしたいと思います。

窓、雲・泡、太陽がモチーフのロゴデザインはスタッフこうへいくん

それに合わせて、大森山王ブルワリーの名前も変更します。
その名前も改めて、お話したいと思います。

ということで、これからの「東京∞景」、ならびに新しい大森山王ブルワリーをどうぞよろしくお願いいたします。

そして、これを見て、なにか話したいと感じてくれたらいつでもご連絡お待ちしております。動いたものにこそ流れが来るそんな時代であるのは明らかだと信じています。

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