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「ジャークとドロップの違い」及び「足し算のクリエイティブ(番外編)」 (EP.11)

【WORLD IS YOURZ  挨拶】

 皆様、週刊UPROCKマガジンをご愛読いただきありがとうございます。
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 ぜひこのマガジンを通じて、アップロックの面白さが浸透していくことを願っております。

1.ジャークとドロップの違い

1.1.前置き(ジャーク・ドロップとは?)

  前回の記事にて、「ジャーク」及び「ドロップ」について解説した。「ジャーク」とは、腰を左右または前後に振る動作を特徴とする動きであり、英語のjerking(振る)からジャークと呼ばれる。「ドロップ」はアップロック中に「上から下にドロップする。」すなわちしゃがむ動作のことを指すと過去の記事にて紹介した。しかし、ビジュアルとしてこのジャークとドロップの違いは、わかりにくいところがある。

1.2.「ジャーク」と「ドロップ」の特徴的な違い

 「ジャーク」と「ドロップ」は一言でいうと、腰・肩の動きが入っているかいないかの違いだけである。なので認識として基本軸となる動きは、ドロップになる。ドロップの種類には、レギュラー・クロス・ターン・サイドドロップなど様々あるが、これに腰の前後または肩の前後の動きを入れることによってジャークになる。読者の皆様は「そこだけなの?」と疑問を抱くかもしれませんが、結論そこしか違いが見受けられないのである。
 ここから少し話は変わるが、世界のアップロッカーの中でも、ジャークを多用するスタイルのクルーと逆にジャークを取り入れずドロップを多用するスタイルのクルーが存在している。その例として、bboyメインで活動をしているアップロッククルーのmighty zulu kingzやready to rockなどは、ジャークよりもドロップを多用するロッカーが多いのである。しかし、アップロックソングのブレイクス部分では、音楽が一番盛り上がるため、「ドロップ」よりも「ジャーク」の方が派手に見えやすく、曲とのマッチ度も高まる。このことからブレイクス部分へは、ジャークを取り入れる方が望ましいと本マガジンでは主張しておく。ジャークを多く取り入れるクルーとしては、Dynasty RockersやMastermind Rockersなどがいる。

1.3. 「ドロップ」と「ジャーク」の違いのニュアンス

 「ドロップ」と「ジャーク」の違いをブレイキンで例えると、「フットワーク」と「レッグワーク」ぐらいの差である。英語でくるぶしから下を「foot」、くるぶしより上は「leg」という。日本語でいうと両方「あし」という意味になる。すなわち、フロアにくるぶしより上がついている動きを「レッグワーク」、くるぶしよりしたがついている動きを「フットワーク」という。ドロップ・ジャークもこのコンセプトと似ていて、ブレイキンでもこれらの違いをあまり意識していないと思う。なので、両者の違いのニュアンスはこの程度なのである。
 ただ色々な考えの人がいるため、アップロックバトルに出る場合は、曲のブレイクス中にジャークをしていないと、ジャッジに評価されない可能性がある。なので結論できるに越したことはないのである。ジャークができる上で、その曲に合わせて使用する頻度を構成する方が一番調子が良い状態である。しかし、それぞれのスタイルに合わせてジャーク・ドロップは使い分ければいいのである。
 再度結論になりますが、「ジャーク」と「ドロップ」は、ドロップに腰か肩の動きが入っていれば「ジャーク」入っていなければ「ドロップ」であり、それ以外の決まりは特にないのである。


2.「足し算のクリエイティブ」(番外編)

2.1.「足し算のクリエイティブ」理論

 アップロックの話からは少し脱線するかもしれないが、アップロックにもbboyにも活用できる話である。
 「足し算のクリエイティブ」という話である。この理論は、新しい動きを作りたい時にぜひ活用してみてほしい。この理論は、新しい動きを作る1つの手段であり、絶対にこう作らなければならないというわけではないため参考程度に聞いていただきたい。
 この理論の結論をいうと、「一つのテーマの動きに対して要素を追加していく」ことである。
 例えば、ブレイキンのフロアに入るドロップを作る場合で考えてみる。まずドロップの「しゃがむ」という動作を起点にして、そこへ「ひねる」という動作を加える。そうすることで、「しゃがみながらひねる」というドロップが誕生する。しかしこれでも会場を沸かすことはできないであろう。そこでもう一つそれに要素を足すのである。次はこれにジャンプという要素を足してみる。これを加えることによって、「ひねりながらジャンプしてしゃがむ」という、見るからにダイナミックなドロップが生まれる。このように要素をどんどん足していくことで、クリエイティブかつ派手な動きができるのである。ブレイキンのフットワークでもそうで例えば、「足を伸ばしている動き」に対して回転やスライドなどの要素を混ぜていくと新しい動きになる。


1.2.「足し算のクリエイティブ」とアップロック

 ここでアップロックの話に戻ると、世界的にみても「ドロップ」・「ジャーク」に関してはまだまだ基礎的な動きをしている人が多い印象である。これは、チャンスだと捉えており、その基礎に要素を一つ・二つ足すことで新しい「ドロップ」・「ジャーク」が生まれるのである。しかし、ここで注意しなければならないのは、クリエイティブさがアップロックのニュアンスとかけ離れてしまうと、それはアップロックではないという話になりかねない点である。なので、新しい動きを作る際はアップロックの全体像が見えてから作る方がいいと個人的に認識している。
 総じて、あるテーマに対して、要素をどんどん足していくとクリエイティブな動きができる。またその中に加える要素も多様であればより動きの引き出しが増えるため新しい動きができやすくなる。ブレイキンに関してはそういうところを意識して、クリエイティブな動きがたくさん生まれているが、アップロックはまだまだ発掘段階であるため今後の動向が楽しみである。

3.まとめ

POINT.1

「ジャーク」と「ドロップ」の違いは、腰・肩の動きが入っているかいないかの違いだけである。

POINT.2

「足し算のクリエイティブ」とは、一つのテーマの動きに対して要素を追加していくことで、新しい動きを生み出すことができる。

POINT.3

 アップロックはまだまだクリエイティブな動きが発掘段階であるため、チャンスである。しかしクリエイティブな動きを作る際は、アップロックのニュアンスとかけ離れないようにすることに注意しなければならない。


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