歌ってみたノンストップメドレーの意味的範囲の変動〜その過去現在そして未来を20作品以上とともに紐解く〜

本記事の目的(読み飛ばし可)

ニコニコ大百科では歌ってみたノンストップメドレーはこのように紹介されている。以下引用である

歌ってみたノンストップメドレーとは、歌ってみた動画を
メドレー方式で各パートごとに歌い手を一人ずつ繋ぎ合わせた動画の事である。
概要
「ラスボス」と呼ばれる、ラストのサビのソロパートで繋がれる歌い手、選曲、
歌い手と歌い手、動画と動画をいかに上手く繋げるかが重要となってくる。
動画の行く末は投稿者の編集技術にかかっていると言っても過言ではない。

驚くことなかれ。これで全てである。ニコニコ動画では600本近くの動画でているこのタグにつけられた説明はおおよそ200文字である。

いや、Twitterかよ!

初回のコメントは2015年とかなり古い。また、加筆も見られない。しかし、言葉と同じようにタグの意味や範囲も変化するのだ。その範囲をある程度の歴史と共に紐解いていこう。

(本当に余談だが、今でこそ、ダンスのうまさが必要とする「踊ってみた」タグだが、本の5年前まで全く踊らずただ走り回っている動画もあった。それがいいンだよ!!!あ、映画化おめでとうございます。りりりちゃんは天使)

合唱時代

歌ってみたノンストップメドレー(以下ノンストメドと表記する)の前衛を合唱シリーズに求める人は多い。現在のノンストメドも1曲だけを取り出せば合唱であると考えられる。

リレー形式時代

しかし、転機となる動画が投稿される。
こちらである


この動画により、リレー形式という新たな領域が開拓される。この動画が千本桜のリレー形式で最古であり、なお再生回数もトップである。
それまでの合唱シリーズとは違い、Aパートで使った歌い手を再度使うのではなく次の歌い手に繋ぐこの発想は、当時多くの人を惹きつけることになる。(もちろん、Aパート以降サビ以外でという意味である)

最古の歌ってみたノンストップメドレー

実際、最古のノンストメドも2011年より前には見られない。もちろん、タグの変動により、その動画が変わることもあるだろう。しかし、ここ3年間は1度も変化していない。そのため、一旦この動画を最古のノンストメドとする。


これがこのタグの面白いところ1つ目である。
この界隈で神と崇められているしゅりんぷくん氏の動画は最古の動画ではないのである。惜しくも再生回数2位を誇るすわてぃ氏のものである。

しゅりんぷくん氏の処女作

すわてぃ氏の投稿から5動画ほどが投稿される。
そして、大事件は起こる。この動画の投稿である。


この動画の優れていた所は以下の点である
①合唱が良かった
②選曲が良かった
③溶接が良かった

①合唱が良かった
それまで合唱シリーズを作成していた彼にとっての得意分野とも言える

②選曲がよかった
彼の代名詞ともなる年限定メドレーの初回作。2013年と絞ったことでより選曲がやりやすく、いい選曲になったと考えることもできる。

③溶接が良かった
溶接とは歌と歌の繋ぎ目である。
ノンストメドを1曲のように感じさせる。この感覚がどうしても必要なのである。ただ、フェードアウトインさせるだけではそれはできない。これがノンストメド革命とも言える新時代の幕開けである。
これは1,2曲目の繋ぎから始まる。最終小節ではドラムの音が重なっているのである。意識をはっていないと次の曲へ進んだかが分からないのだ。ノンストメドにはこの溶接技術が重要なファクターとなった。

この3つ、殊に最後のファクターによってノンストメドと言えばしゅりんぷくん氏のイメージさえできた。今なおこのイメージが崩されないのは、初期作という理由もあるだろう。これはくろくま氏の少しカオスシリーズが出るまで完璧なものだった。つまり、しゅりんぷくん氏の動画が再生回数ランキングでの独占が崩されたときである。

少しカオスシリーズ


くろくま氏の少しカオスシリーズである。ノンストメドは遂にしゅりんぷくん氏の独占状態の崩壊を許す。つまり、それまではメドレー作品の一覧にあるような固有タイトルの一つだったのである。しかも、その独占わ許したと言っても、再生回数ランキングでは2位を除く上位15作品独占という異常な状態が続いている。

2位のすわてぃ氏、そして、シリーズ最終作にして16位を獲得したくろくま氏
彼らとしゅりんぷくん氏の大きな違い。それは、投稿頻度である。しゅりんぷくん氏はノンストメド界の西尾維新と言われるほど投稿頻度が高かったのである。

しゅりんぷくん氏の投稿頻度

彼の投稿頻度の最高は
2014/03/09~2016/02/27間の16作品である
年に8作、1作品あたり6週計算である。かなり異例のスピードでしかも、良質作品を次々に生み出す。間違いなく天才的である。そして、この時期といえば、カゲプロのアニメ化やHoneyWorksのシリーズ等、ボカロ全盛期と言える。その影響は歌ってみたに広がり、その余波がこの動画の再生回数を伸ばしたのだろう。

歌ってみたノンストップメドレー【リレー】Ⅰ〜Ⅸ

さきほど挙げた16作品にはしゅりんぷくん氏のこの作品群も含まれる。恐ろしいかな、ノンストメドの初期は彼の話が全てとも言える。


結局この作品群では、Ⅸを除き全てがミリオン動画に、しかもこのⅨも2016年投稿で75万回である。

ここまでをノンストメドの初期時代としたい。今後加筆または、別記事でノンストメドについて執筆していく。講読ありがとうございます。
異論反論いちゃもん文句その他お待ちしております。

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