粘土のかたまり

あなたの目の前に、粘土のかたまりがあるとしよう。

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そして、しばらく時間を使ってその粘土でわが子のかたちをこしらえる。

あなたの目の前にあるのは、一部が美しいかたちに仕上がった像である。それがあなたの子どもの強みだ。ところが、まだ途中か手つかずの部分もある。それが、あなたの子どもの弱点だ。

粘土でできたお子さんの姿の強みと弱点の部分に、実際のお子さんの強みと弱点を当てはめて下さい。「さて、お子さんが幸せで充実した人生を送るた
めに、あなたは目の前の粘土の像をどうしますか」

たいていの親は、弱点の箇所をいじろうとする。そこに目がいくからであり、穴の空いた未完成の部分を埋めなければ、像が倒れてしまうと思うからだ。それが、弱点に注目する親である。それに比べてずっと少ないのは、すでにできあがっている箇所に手を入れ、さらに整えようという親である。それが、強みに注目する親である。

これは、自分がどちらのタイプかを知る、ごくシンプルな方法だ。

時間とエネルギーをかけて穴を埋め、未完成の箇所をつくり、荒削りの場所を滑らかにすることはできる。そうやって弱点を減らしていくと、穴はだんだん小さくなる。

だが、強みは放ったらかしだだがもし穴を埋めるのではなく、時間とエネルギーをかけて、すでにできあがった場所にさらに手を加えたらどうだろうか。輪郭をこしらえ、粘土を盛り、さらにかたちを整え、強みを育てる。そうすれば、弱点の穴も徐々に小さくなっていく。あなたが盛る粘土が穴を塞いでいくのだ。こうして弱点だった場所を強みが理めていく。

引用:リー・ウオーターズ著 江口康子訳,ストレングス・スイッチ,p.p27-28, 光文社,2018 

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