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異国の地で、着たい服を着てやる。

私は結構服が好きだ。
けれども日本でも、ここエストニアでも着たい服を着ることが怖かった。

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自分はいわゆる敏感に流行なおしゃれさん、というよりは、個性的な服が好きなタイプ。お気に入りのジャンルやブランドが決まっていて、流行はあまり気にしたことがない。

流行りに流されない自分の軸を持っているかのように思えるが、現実はその逆。好きなブランドのSNSやサイトで新作はチェックしているものの、ほとんど手は出せていない。結局いつも面白みのない服を着ているだけ。無難にも届かない、これなら外出できるだろうくらいの組み合わせ。もしリアルの知り合いがこの記事を読んだら、そんなに服に興味があるなんて嘘じゃない? みたいになりそうなレベル。

ちょっとだけ挑戦してみたこともあった。好きなブランドに「ほとんど」手を出せていないということは、少しは買ってみたということを意味する。しかし、買ったはいいもののただクローゼットに仕舞われているか、着たとしても1、2回程度だ。

躊躇する理由はいくつかある。

日本の場合はやはり周りの目。特に田舎では変わった服は目立つ。ただ私が一番気にしているのは服そのものではなく、その服に「着られている」であろう自分自身。

私はとにかく自分の姿が嫌だった。写真を撮るのはもちろんのこと、メイクのために鏡の前に立つのがつらくなる時もあった。自撮りできるメンタルは皆無、メイクの練習のために動画を見ようと思っても、そもそも投稿主は自分とスタートラインが違いすぎてとても見ていられなかった。すっぴんの時点でもう全然違いすぎるし、何も学べることとかないし…しか頭に浮かばないような。

ミニスカートとロングブーツの組み合わせいいなぁと思いつつ、足を出せる自信がないので結局適当なズボン。自分に見合った服を着ないと…と無意識に思っていたのだろう。日本では自分の見た目を気にして躊躇っていたが、エストニアでは少し理由が違った。

自分が嫌な目に遭わないように、意図的に「ダサい」服を選んでいた。

アジア人であること、そして女性であることが周りに伝わっていいことはまずないと思っている。弱そう×弱そうというイメージがあるのか知らないが、たまに変な奴や酔っ払いに絡まれることがある。(この話を現地の人にすると一緒に怒ってくれる。もちろんほとんどの人は特に何もせず、ごく一部の人が鬱陶しいだけ。)

そんな中で自分が導き出した対策案が、ダサい服を着ること。一眼で「アジア人」「女性」と分からないような組み合わせ。体を大きく見せるために、大きめのサイズの服を選んだりもしていた。

エストニア生活1年目の時は特に意識することもなく、同じ服ばかり着て生活していた。2年目となる今年も防犯第一で、と思って無難な服ばかり買った。道ゆく人たちを観察して、一番目立たないのはどんなものか。特に自分より二回りくらい年上の人達を参考にした。

ある程度揃ったのが2週間前くらい。でもそこから徐々に虚しくなっていった。着たい服くらい着させて欲しい。毎日ときめきもない、ただ周りを気にしただけの服では気分が下がる一方。

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でもそれも今日で終わり。
もう堪忍袋の尾が切れた。

日本にいた時よりも自分を抑圧していたせいで、爆発してしまった!

吹っ切れてしまえばこっちのもの。むしろこの状況では、日本よりもエストニアでの方が都合がいいのかもしれない。

割とエストニアでは、自分の体型や見た目に関わらず着たいものを着ている人が多い気がする。体のラインががっつり出る服や、派手な柄のスカート、逆にジャージで登校してくる人もいる。ここだったらミニスカートも履けそうだし、ビビッドカラーのトップスも着れそうである。変な奴に絡まれる心配がなくなった訳ではないが、もはや喧嘩を売るぐらいの気持ちになった。言いたい奴には言わせておく。

あと、最近見ているYouTuberや読んだnote記事のおかげで、少し自分を受け入れられるようになった。まともに鏡を見たり、メイクやヘアアレンジの練習がしたいと思った。周りがヨーロッパ人だらけなので、アジア的なスタンダードを気にしなくて良くなってきたからもある。そもそも体の作りが違うのだから、比べて羨ましくなることが全くない。

今日早速、古着屋&服屋で45ユーロ分(日本円で7000円くらい?こわ…)色々買ってみた。7着+ブーツ+小物ならお得な方だと思い込むようにした。

小一時間ぐらい一人ファッションショーをやっていたら気分がブチ上がった。明日から着て元を取る。

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エストニアでの作戦がうまくいったら、次は日本で試してみたい。

一番好きなRedyazelのセットアップ、クローゼットに眠っているAmavelのミリロリ風ワンピース、黒羽織でモノトーンコーデ。あと男装、絶対。やりたいファッションがいっぱいありすぎて困る…!

都会でロリータやサブカル風の服を見つけたら、内心「可愛い!かっこいい!」と思いながら凝視していた自分。

次は自分が、誰かの背中を押せるようになりたい。

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↓ 私が勇気をもらったnote記事 ↓


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