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消防同意事務効率化に向けたシステム構築(第36回優勝社 SUDARE TECHNOLOGIES株式会社)

SUDARE TECHNOLOGIES株式会社との連携
UPGRADE with TOKYO第36回「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」に優勝したSUDARE TECHNOLOGIES株式会社との協働事業では、東京消防庁が実施している消防同意事務(建築物の安全性確保を目的とした建築確認手続きの中で、建築物の構造、防火区画、内装、消防用設備等に関する法令に適合しているかを審査する業務)の効率化に向けたシステム開発・実装を行っています。

協働プロジェクトについて東京消防庁の担当者へインタビュー
「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」をテーマとしたUPGRADE with TOKYO第36回。テーマ設定の背景や優勝社が選ばれたポイント、協働プロジェクトの進捗状況等について、東京消防庁の担当者に話を聞きました。

第36回のテーマを「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」とした理由は何か。
東京消防庁では、建築物の安全性確保を目的として行われる建築確認手続きの中で、建築物の構造、防火区画、内装、消防用設備等に関する法令に適合しているか審査する消防同意事務を行っています。
現業務では法令への適合を職員が一つ一つ手作業で確認していますが、大規模建築物や複雑な構造の建築物の増加、審査に関係する法令の複雑化により、消防同意事務に要する時間や業務量が増大しています。
そこで、最新のIT技術等を活用し消防同意事務の一部を効率化・省力化できる製品・サービスを募集しました。

ピッチ開催にあたり、スタートアップにはどのような製品・サービスに関する提案を期待していたか。
・建築物等に設置が義務付けられる消防用設備等の自動判定機能
・防火に関する規定の審査項目のチェックリスト作成機能
・関係法令の改正への迅速な対応が可能となる機能

といった、担当者が一つ一つ法令集等を確認しながらチェックするのに多大な時間がかかっていた現行業務の効率化を実現できるソリューションを求めていました。

ピッチに出場した4社の中で、SUDARE TECHNOLOGIES社が優勝した理由は何か。
既に建築基準法についてのデータベースを保有し、その実証・検証の実績があるなど当該領域に対する豊富な知見を有していた他、今回の当庁の課題解決に向け最も近いアプローチ手法を提案していたためです。

消防同意事務効率化に向けたシステム開発の進捗等、これまでの協働プロジェクトはどんな状況か。
既に当該システムの根幹となるデータベースの構築を終え、現在はSUDARE TECHNOLOGIESから提示されたデモ画面をベースに、東京消防庁のフィードバックを反映する形で、実装に向けたユーザーインターフェイスの設計に着手しています。

協働プロジェクトを推進するうえで、障壁となった事象や課題等はあったか。
スケジュールや予算に限りがある中で、難解な建築関係法令及び消防関係法令の判定をシステムに落とし込むという取り組みに苦戦しました。
システムの判定精度をどの程度まで突き詰めるかについて、SUDARE TECHNOLOGIESとの擦り合わせが必要でした。

これまでの進捗を踏まえ、今後はどのような取り組みを予定しているか。
庁内向けだけでなく広く一般利用も可能にすることで、建築物の設計者等が申請前に法令の事前チェックを実施できるようにする想定です。
申請者側の手元で事前に不備を発見することができるため、消防庁内における審査の巻き戻しを防ぎ、より一層の省力化・業務効率化を図っていきたいと考えています。

本協働プロジェクトを通じて、スタートアップとの協働を行うメリットとして挙げられることは何か。
少数精鋭のプロジェクトチームであることから、意思伝達が非常にスムーズであり当庁からの要望を即座にシステム開発に反映できることです。

以上、第36回協働プロジェクト「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」に関する担当者インタビューをお送りいたしました。

今後もUPGRADE with TOKYOに関する様々な情報を発信してまいります。
次回のnoteにもご期待ください。

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