第41回「xR技術等を活用した消防活動訓練の充実」
UPGRADE with TOKYO 第41回(テーマ「xR技術等を活用した消防活動訓練の充実」)を開催しました
東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が11月5日(火)に開催されました。
第41回目となる今回のテーマは「xR技術等を活用した消防活動訓練の充実」。VR・AR・MRなどの技術を活用したソリューションを持つ企業5社がピッチに臨み、Unreal Engineのリアルな表現で消防訓練を実施できるVRアプリを提案した株式会社マンカインドゲームズが優勝しました。
XRを活用して実践的な消防活動訓練の充実化を目指す
東京消防庁消防学校では、新たに採用した消防職員の教育や幹部職員の育成、また専門技術を習得するため、消防職員及び消防団員に対して様々な研修を行っています。
現在、消防学校には多数の消防学生が在籍しており、訓練施設や資器材をローテーションさせながら消防活動訓練を実施している状況です。
教官・助教の指導体制や安全管理面等を考慮すると、一人あたりの訓練回数が限られてしまうことから、訓練の効果をいかにして向上させられるかが課題となっています。
そこで、最新のxR(VR・AR・MR)技術等を活用し、実践的な消防活動訓練の効果を最大化させることができるシステム・サービスを募集しました。
■優勝社:エントリーNo.1 株式会社マンカインドゲームズ
『ゲーミフィケーションで習熟度向上!「消火訓練 VR」のご提案』
優勝した株式会社マンカインドゲームズが提案したのは、ハイクオリティなゲーム制作に⽤いられるUnreal Engineを活用した消防訓練VRです。
同社は設計からリリースまでワンストップでゲームやXRコンテンツの開発を行う企業です。ピッチでは、ゲーム開発で培った経験を活かしたゲーミフィケーションの要素を含んだ消防活動訓練コンテンツが提案されました。消化の手順をゲームのチュートリアル形式で学ぶことが可能であるほか、様々なシチュエーションを想定した訓練コンテンツや設定されたシナリオにてヒヤリハット事案を体験できることが特徴です。
また、VRを活用した訓練により、訓練施設の準備や資器材の手配、天候などを気にすることなく効率的に消防訓練を実施できるため、これまでより1人当たりの訓練回数が増え、消防隊員の消防活動に関する知識やスキルの底上げが期待できます。
本ピッチにおいては、より実践的な訓練とするため動画で表現される炎や煙がリアリティのあるものか、訓練コンテンツとして複数のシナリオを想定しているか、訓練を実施した後に振り返りとして活用できる機能を備えているかという点が重視されました。
中でも、リアリティのあるデモ動画を紹介したことのほか、シナリオモードを機能として備えていることや訓練内容をスコア化し振り返りとして活用できるという点が評価され、株式会社マンカインドゲームズが優勝しました。
今後、所管部局である東京消防庁と協働プロジェクトの実施内容・スケジュール・費用等を定める協定内容の協議が行われ、本格的に協働がスタートしていくこととなります。
■エントリーNo.2 monoAI technology株式会社
『リアルタイム通信エンジン「モノビットエンジン」を活用した技術・判断力・チームワークを磨く消防活動訓練VR』
monoAI technology株式会社は、同じ仮想空間に多人数が同時に参加でき、参加者同士が文章・映像・音声をリアルタイムで共有できる通信エンジン「モノビットエンジン」を活用した消防訓練VRを提案しました。
■エントリーNo.3 株式会社cogration
『XR技術を活用した消防活動訓練ソリューションのご提案』
株式会社cogrationは、MRアプリやバーチャルツアー、VRアプリを活用して学習すべきインプット・アウトプットを効果的に融合させ、学習者の意思決定を支援するソリューションを提案しました。
■エントリーNo.4 株式会社Meta Osaka(共同提案:GLOE株式会社)
『“訓練に終わりなし”リアル火災現場体験VR訓練』
株式会社Meta Osakaは、GLOE株式会社と共同し、構造別での火災想定コンテンツやヒヤリハット特化コンテンツ、残火処理体験コンテンツを訓練メニューとして想定したソリューションを提案しました。
■エントリーNo.5 株式会社日本XRセンター
『大手スーパーで使われている弊社の震災VRをテンプレートとして消防VRを開発・導入する』
株式会社日本XRセンターは、地震発生時の現場責任者の動き方のための研修VRである「震災VR」をベースとして開発を行う消防VRを提案しました。
今回のピッチイベントは、消防活動の現場に従事する消防隊員の育成に向け、デジタル技術を活用しながら実践的な訓練を行うソリューションを募集するものでした。
優勝した株式会社マンカインドゲームズとの協働プロジェクトをはじめ、消防学校での消防訓練の充実が進むことにより、消防隊員にとってより安心・安全な消防活動が実現していくことを願っています。