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第38回「生成AI等とヒヤリハットDBを活用した事故予測等システム・サービス」

UPGRADE with TOKYO 第38回(テーマ「生成AI等とヒヤリハットDBを活用した事故予測等システム・サービス」)を開催しました

東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が7月31日(水)に開催されました。
第38回目となる今回のテーマは「生成AI等とヒヤリハットDBを活用した事故予測等システム・サービス」。
生成AIや自然言語処理等の技術を有した企業5社がピッチに臨み、生成AIを活用したヒヤリハット情報入力の効率化、ヒヤリハット情報分析の高度化に関するソリューションを提案したアルサーガパートナーズ株式会社が優勝しました。

職員から寄せられる日々のヒヤリハットデータを活用した事故の未然防止対策に向けて

東京消防庁では、事故の未然防止を目的として、令和6年度から、消防活動中や防災訓練中などの消防業務全般に係るヒヤリハット情報について組織統一的に収集・活用する体制を構築しています。
しかし、収集した膨大な情報を事故の未然防止対策に有効活用できていないという課題に直面しています。
そこで、生成AI等の先端技術を活用し、多角的かつ効率的な分析を行うとともに、事故の未然防止対策に活用することができるシステム・サービスを募集しました。

■優勝社:エントリーNo.5 アルサーガパートナーズ株式会社
『ヒヤリハットDBの業務機能化に関するご提案』

優勝したアルサーガパートナーズ株式会社が提案したのは、スマホアプリに話すだけでヒヤリハット情報が登録できるデータ入力機能、入力された情報に応じた過去の類似事例検索機能、分析結果をまとめて表示するダッシュボード機能、危険予測やAIによる再現動画の自動生成機能など、様々な機能を有したシステムです。

ヒヤリハット情報の登録は義務化されたものではなく、またオフィスだけでなく屋外の様々な場所でも発生しうることから、スマホから音声入力のみで登録が可能な機能が、ヒヤリハットデータを蓄積するうえで大きく利便性を向上させることができます。また、蓄積されたデータを生成AIが分析し、過去の事例を参考にしながら予測される危険やその対策案を出力したり、自動で各事例を分類・整理したうえで、レポートや分析結果をダッシュボード上で表示したりすることができます。テキストでの出力に留まらず、ヒヤリハットの場面を動画で再現できる点も、生成AIを活用した強みです。

本ピッチにおいては、現場での運用を想定した提案となっているか、普段PC等の端末を使い慣れていない人、座って作業する時間がとりづらい人にも使いやすいユーザビリティがあるか、東京消防庁の要望や課題感、実際の分析を通じた今後の拡張性があるかという点が重視されました。

その中でも、現場にいても即座にヒヤリハットデータの登録がしやすいスマホ入力・音声入力機能を有していること、今回の取組が実証的な性質を持っていることを理解し、東京消防庁に寄り添う形で開発を進めていく姿勢が見られたこと、蓄積したヒヤリハットデータ活用による今後の拡張性が高いことが評価され、アルサーガパートナーズ株式会社が優勝しました。

■エントリーNo.1 株式会社homula
『現場知見・生成AI・科学の力で事故を未然に防ぐ、生成AIナレッジエージェントFire fAIghter』
株式会社homulaは、効率的な解析・分析で事故を予測し、未然に防止。使いやすい投稿・管理機能と実用的な資料作成機能を通じた全職員の安全意識推進ソリューションを提案しました。

■エントリーNo.2  blueqat株式会社
『自社生成AIアプリおよびクラウドサービスを利用した事故予測システムの構築』
blueqat株式会社は、生成AIアプリサービスであるLLM、画像生成、RAGサービス、また強みとして掲げるデータフュージョン技術およびWebアプリ開発を組み合わせた事故予測システムを提案しました。

■エントリーNo.3 Arithmer株式会社
『ヒヤリハットDBを有効活用!安全対策レコメンドサービス『Safety AI』について』
Arithmer株式会社は、ヒヤリハット情報の有効活用のため、生成AIを利用した、庁内の安全レベル向上と、蓄積された各種情報の有効活用を目的としたPUSH型の安全サポートシステム『Safety AI』を提案しました。

■エントリーNo.4 株式会社言語理解研究所
『生成AIでヒヤリハット情報を組織の財産に。ヒヤリハット・ナレッジシェア』
株式会社言語理解研究所は、「ヒヤリハット情報を組織の資産(ナレッジ)とすることを目的に、マルチモーダルによる容易な情報収集スマホアプリや高度かつ多角的なヒヤリハットDBの構築といった、生成AI技術を活用した事故発生予防・対策の統合ソリューションを提案しました。

今回のピッチイベントは、職員が日々直面するヒヤリハット体験を、単にデータとして蓄積するだけでなく、それらを分析して将来の事故防止に役立てるための提案を募集するものでした。

優勝したアルサーガパートナーズ株式会社との協働プロジェクトをはじめ、東京消防庁におけるヒヤリハットデータ活用によって事故未然防止の取り組みが進み、ひいては都民の生活がより良いものとなることを願っています。

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