【自己啓発】読書をビジネスで活かす方法
成長したいビジネスパーソンの為の、幅広い知識を横断的に身につけてリベラルアーツ化を目指す note。
【読んでほしい人】
・書籍が好きだがすぐに内容を忘れてしまう人
・実践で知識を使えていないと感じる人
・色んな知識をつけていきたい人
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#1.ビジネス書籍を大きく2つに分類
━━━結構読書してるけど、どうも仕事に生かしたり、日常生活で役立ったという経験がいまいち無いな。
というのが大学2年生から欠かさず毎年100冊を読んできた時の正直な私の感想。
毎日何百と世の中に出ていく書籍━━━中でも実践書から教養書含むビジネス書━━━を分類するとすれば幾つかの切り口があるが、用途という観点では、
すぐに使える絆創膏タイプと効果は見えにくいが血肉になるビタミン剤タイプ
がある。
絆創膏タイプは例えば、自己啓発本や営業トーク、マネジメントのやり方が書いてある書籍である。ビタミン剤タイプでは哲学や心理学などアカデミックな書籍が分かりやすいだろう。
営業トークであれば「明日から使ってみよう!」となるし、実際その効果があったかどうか判断がつきやすい一方で、哲学などの教養書は仕事や実生活にどう活かすか非常に分かりにくい。
この分類を山口周さんは以下のように説明する。
つまり、
ビジネス書の名著や実践的な内容を書いている書籍は基礎の基礎として前提インプットするべきで、その上で教養書は自分個人としてのオリジナリティを育む為にインプットするべき
であるということだ。
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#2.やっぱり教養書を活かすイメージが湧かない
#1でお話したビジネス書の名著の中でどういう書籍を読めばいいかは結構様々な書籍が出ているので他に譲るとして教養書にテーマを絞る。
教養書と一口に言っても分類してみると多種多様。
▸人文学(言語/進化心理学/哲学)
▸自然科学(物理学/生物/数学)
▸応用科学(病理学/生物学/神経医学)
▸歴史(世界史/日本史/宗教)
例えば哲学の有用性でいくと、BCGが少し前によく吹聴していたデコンストラクションという概念は、フランスの哲学者デリダが提唱した脱構築というコンセプトが元になっている。
哲学というのは一見するにただ難しいこと━━━そして意味もなく無限回労的な思考と思われがちなこと━━━をツラツラ考えていると誤解されがちだが、世の中に存在する
抽象的な疑問に対して過去のあらゆる思想を踏み台に解き明かしていく学問
である。
そういう意味では、解き明かした概念を実社会に落とし込むのは、研究室で生まれた最先端技術をビジネスに転用するのと同じくらい自然な流れだ。
新しい視点で物事を視るためにまさしく一般的な常識から脱構築できるのが哲学である。
脱構築することで、一般的な常識の範疇からは絶対出てこないようなコンセプトや解決法が出てくるので、正解がない現代において武器になる。
また、生物学や心理学というのも役に立つ。
アリのコロニーの運営の仕方を組織論に落とし込んだり、生物における進化理論をイノベーションを生み出す体系的理論としている書籍も多くある。
ただ茫然と聞いていると自分の仕事や実社会に活かせるとも思えない知識が様々なところで実際に活かされている。
纏めると教養書というのは2点で役に立つ。
1点目は、実社会に転用できること。
書籍の内容をそのままインプットするのではなく抽象化しナレッジに落とし込むことで、コンセプトや新しい視座を獲得できる。
その獲得したコンセプトや視座は学校や会社で教えられるものではないので独自の切り口となり、昨今問題になっているイノベーション不足に貢献することができる。
具体的な事例では、回転寿司はビール工場のベルトコンベアを観察して、これなら職人を増やさず店舗を大きくできる、と考えて転用したもの。
創造が既存×既存から生まれることは周知の事実であるが、ではメインのフィールド以外の知識を重点的に身につけておく方がいいのも事実である。
2点目は、物事のインプットフレームワークになる。
上で挙げたBCGの例のように、元々の思想をインプットしておくことで一見新しい概念も過去の知識と紐づきスムーズに落とし込める。
進化というのは、明確な指揮者の元で計画して遂行されるものではなく、偶然と優秀な遺伝子の淘汰の繰り返しにより遂行される━━━これが進化論の根本的な思想━━━ことを知っていれば、新規事業も敏腕な起業家により成立するものではなく、プロダクトを創り市場の荒波で淘汰されて生き残ったものが成功する、という概念も理解が容易い。
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#3.教養の時代がやってきた
「教養」という言葉には今だに特権階級のエリートが興じるものというイメージがある。
前近代的価値観では知的な娯楽というのは”彼ら”が行い、自分たちは庶民的な生活に庶民的な娯楽をすればいい、という時代だった過去とは違い、情報は万人に開かれているのだ。
#2でも少し触れたようにもう過去の正解を知っていれば通用するようなケースはかなり限られてきており、センター試験のような四択問題ではもう今の複雑な課題は解けなくなってきている。
もっと柔軟で「白紙」のある問題に対応していかないといけないのだ。
白紙の問題というのは例えば、走れメロスが間に合わなかった場合セリヌンティウスはどう感じるでしょう?みたいな問題、これに回答するためには
ストーリーにくわえ、一般的な感情論やコミュニケーション、時代背景など統合して複眼的に考察する必要がある。
教養に乏しい人間であれば、悲しいとか恨むとか簡素な回答しか出ない。
しかし、現代に求められているのはまさに、こういった答えのない問題に納得解を提示できる人間である。だから教養が昨今見直されている。
日本では教養というものがビジネスや実社会とは関係のないもの、趣味や暇つぶし程度に認識している人が多い。
だがそれは間違いである。教養というものは基礎体力であり、かつ横断して知識を拡大する性格はイノベーションの源泉となる。
21世紀で改めて「確実に」教養が必要になる。
参考;
「情報生産者になる」上野千鶴子(ちくま新書)
「読んだら忘れない読書術」樺沢紫苑(サンマーク出版)
「知的生産術」出口治明(日本実業出版)
「超効率勉強法」メンタリストDAIGO(学研)
「自分で考える技術」鷲田小彌太(PHP)
「読書する人だけがたどり着ける場所」齋藤孝(SB新書)
「本を読む人だけが手にするもの」藤原和博(ちくま文庫)
「読書を仕事につなげる技術」山口周(KADOKAWA)
「レバレッジリーディング」本田直之(東洋経済)
「読む力最新スキル大全」佐々木俊尚(東洋経済)