【政治】22世紀どうなっていくか、どう乗り越えるかを考察する
成長したいビジネスパーソンの為の幅広い知識を横断的に身につけてリベラルアーツ化を目指すnote。
本稿では「22世紀の民主主義;成田悠輔」を引用して政治の重要ポイントや海外事例を紹介していく。
【読んでほしい人】
・これから政治に関心をもっていきたい人
・政治の仕組みを知りたい人
・日本を変えたい!と思っている人
【プチコメント】
政治という中々掴みどころのないテーマについてユニークな海外事例を織り交ぜて展開されていて良質なインプットになっています。このブログを読んで政治を語れるビジネスマンになるのはどうでしょうか!
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#1.選挙に出馬して100%当選する方法
まずは政治の根本をおさらいしよう。既に知っている読者は読み飛ばしていただいて問題ない。
我が国日本において、日本国憲法では政治体制を以下のように宣言している。
▸主権が国民に存する国民主権を定める。
▸政治上の権力を三権に分立する。
立法権 By国会
行政権 By内閣
司法権 By裁判所
順に説明すると、立法権とは法律を制定できる権力のこと。
明治憲法では天皇が行使し、実態として行政機関から勅諭という形で立法できていたのに対し、日本国憲法では国民に選出された国会のみが法律を決められるようになった。
次に、行政権とは国会が立てた法律を執行したり、外交関係をとりまとめたり、公務員を選任するなどの国民生活の安定と向上とを実現するための施策を遂行する最高権力となる。
最後に、司法権とは民事裁判、刑事裁判および行政裁判などの具体的な紛争に対して法を適用することによりこれを解決することを目的とする。
それぞれの具体的な関係性は図式化しておこう。
さて、好奇心旺盛なビジネスマンA氏が好きな法案を制定するためにはどうすればいいだろうか。
憲法は内閣総理大臣に内閣を代表して議案を提出する権限を付与しているので、内閣総理大臣になればいい。━━━実は国会で成立する法案の大半は内閣提出法案となっている
では、内閣総理大臣になるためにはどうすればいいだろうか。
国会議員になって総理大臣に選出されればいい。
では、国会議員になるためにはどうすればいいだろうか。
衆議院・参議院選挙に出馬して当選すればいい。
━━━知名度も何もないのにそんな簡単に当選なんて・・
ここからが本題になる。インドの宗教指導者事例で面白い戦略がある。
いわば、生活拠点を交渉材料に投票数を獲得したのである。
日本の選挙区制では実は自身の住民票がある地域以外で出馬することができるので、地方にコミュニティを創って特別なインセンティブを交付することで実現できる。
たとえば、お金をばらまくとか有名人を誘致するとか、家賃無料のマンションを建てるとか━━━
ジャストアイデアはさておき、戦略次第ではこういった当選方法もあるというのは実に面白い。
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#2.理想郷ユートピアを誰でも簡単に創れる時代
もう1つ本書ではコミュニティ形成でユニークな事例が上がっている。
映画やアニメなどでありそうな都市構想である━━━かわいい女の子と猫だけがいる都市を私も創りたい
だが、それが実際一部の国で現在、現実的に進行しているのである。日本では国土の小ささも手伝い、なかなかこのような話は出てこないが、ビジネスで一攫千金したユーザーが海外で自分に有利で理想的な都市や国を樹立する未来はそう遠くないのかもしれない。
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#3.アンチアンチ!国会議員!
現在の国家公務員の給料をご存じだろうか?
つまり、1,552万8,000円の給与となる。
さらに、1年で1,200万円の文書通信交通滞在費が与えられ、議員活動に関わる交通費(JRや国内定期航空便)は無料乗車券や航空券が交付されるほか、研究調査の費用として立法事務費も月額65万円支給されるなど多くの手当がある。
夢のような金額ではないか!
その反面その支払金額━━━我々の税金━━━に見あう仕事をしているのだろうか。
もちろん全員ではないが国会中継を見る限り、言葉をあやつるチンパンジー界隈ではトップの動物しかいないではないか。
国会議員の評価にはいくつかの指標があり、代表的なのは議員が何回立法に携わったかを示す「議員立法数」、国会で質問した回数の「質問数」、質問主意書を作成した回数である「質問主意書数」
ただ、それにあわせて減給などのペナルティがサラリーマンのようにあるわけではない。
不公平だ。どう考えても不公平だ。しっかりやっている国会議員には支払い、怠慢な国会議員は減給すればいい。
そんな理想的な取り組みをアジア圏国家の一部では導入している。
支払いを変動制にすることでやらなければいけない状況になる。逆に支払い金額が固定であれば、正直な話、さぼりたくなるのは人間の性である。
不完全なものの少しずつ変わりつつあるアジア国家をよそに、日本では旧態依然とした仕組みが、既得権益を手放したくない老害により継続されている。
みんなそれは分かっているはずだ。だが、どう変えていいかわからない。そんな若い人は多いと思う。本稿の内容はそんなジレンマに一石を投じるインプットではないだろうか。