【金融】金融ショックはなぜ起きるのか、なぜ繰り返すのか
総合的な思考基盤を養うことをテーマに、読書した知識を引用・解説していくnote。
本稿では「12大事件でよむ現代金融入門 (著:倉都康行」より、金融におけるナレッジを紹介していく。
【読んでほしい人】
・リーマンショックなどの金融ショックについて実はよくわかっていない..という方!
・基本的な金融知識を身につけたい方!
世界は様々な金融破綻を経験してきたが、歴史は繰り返すのでまた近い将来同じような金融ショックはきっと発生する。その時に過去から学んでいれば自分は痛い目を見なくて済む、というよりおいしい思いをできるかもしれない。
そのために理屈を抑えておく勉強をはじめよう。
#1ニクソン・ショックがなぜ起きたか
まずは世界の金融基礎知識として、2点押さえておこう。世界銀行とは━━━
国際通貨基金とは━━━
70年代で有名な金融破綻と言えば、ニクソン・ショックである。発生した要因は幾つかあるのだが、凄く簡単に言うと、
①ベトナム戦争介入によりアメリカが金欠になる。
②さらに財政を支えていた貿易収支も赤字になる。
③ドルと交換できる金の準備額が不足してきた
ので金とドルをもう交換しませーん、というのが大きな流れだ。
いままでドルを持っていればアメリカさんが金といつでも交換してくれると思っていた国内外では、これはよくない!とドル売りが殺到したのは言うまでもない。
ちなみにベトナム戦争での出費ってどれほどの影響だったの?は以下兵力からわかる。
それでもこの時代のアメリカというのは巨大な国だったわけで、世界経済を回すためにはドルは必須だったわけである。
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#2サブプライム・ローンとは
有名なサブプライム・ローン問題をみてみよう。サブプライム・ローンとは信用力の低い人々に住宅融資を行うものである。
信用力の低い人間に融資する制度なのだから、もちろん支払い利息は大きくなり、それだけ支払いが焦げ付く人々も多くなる。
金融界では、次にどのように考えるか。なんと経営破綻に陥ったハンバーガー屋さんのようなことを考えた。
━━━美味しい牛肉に安いラム肉混ぜてもばれないんじゃない?
債権未回収をリスクに感じていた証券マンは、格付けの低い債権を混ぜて良い商品に見せかけることで新たな金融商品を爆誕させていた。━━━純度の低いダイアモンドみたいなもの━━━
そんなことは落ち着いて考えれば誰でも分かりそうなものだが、なぜ誰も指摘しなかったのだろうか?不祥事を見抜けない体制になっていたのだろうか。そうだ、YESだ。
どういうことかというと、証券化商品はその安全性が買い手からは不透明なことが多いので、中立の立場でその証券化商品を格付けするのだが、その格付けの方法が杜撰だったということだ。
過去の統計から逸脱する場合に正しい格付けはできない。それに誰も疑問を持っていなかったのだ。━━━ちなみに世界三大格付け機関としては「ムーディーズ」「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)」「フィッチ・レーティングス」がある
そのあとサブプライム・ローンが焦げ付き、支払いは滞り、そのサブプライム・ローンを元にしている新しい金融商品も暴落したのがリーマンショックだ。
格付けもすべて正しいとは限らない、ちゃんと何を元にしている金融商品なのかを自分で調べることが大切だとよくわかる。
━━━FIN
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