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【金融】金融ショックはなぜ起きるのか、なぜ繰り返すのか
総合的な思考基盤を養うことをテーマに、読書した知識を引用・解説していくnote。
本稿では「12大事件でよむ現代金融入門 (著:倉都康行」より、金融におけるナレッジを紹介していく。
【読んでほしい人】
・リーマンショックなどの金融ショックについて実はよくわかっていない..という方!
・基本的な金融知識を身につけたい方!
世界は様々な金融破綻を経験してきたが、歴史は繰り返すのでまた近い将来同じような金融ショックはきっと発生する。その時に過去から学んでいれば自分は痛い目を見なくて済む、というよりおいしい思いをできるかもしれない。
そのために理屈を抑えておく勉強をはじめよう。
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#1ニクソン・ショックがなぜ起きたか
まずは世界の金融基礎知識として、2点押さえておこう。世界銀行とは━━━
189の加盟国が出資し運営する国際開発機関です。世界最大規模の開発金融機関であり、世界銀行グループの使命達成を支えるために、中所得国および信用力のある低所得国に貸出、保証、リスク管理プロダクト、助言サービスを提供すると共に、地域レベルや地球規模の課題への対応を取りまとめています。
国際通貨基金とは━━━
国際通貨基金(IMF)は、生産性や雇用創出、健全な経済に必要不可欠となる金融の安定と国際通貨協力を促す経済政策を支援することで、全ての加盟国190か国が持続的な成長と繁栄を実現するための取り組みを行っています。 IMFは、加盟国によって運営され、加盟国政府に対して責任を負っています。
70年代で有名な金融破綻と言えば、ニクソン・ショックである。発生した要因は幾つかあるのだが、凄く簡単に言うと、
①ベトナム戦争介入によりアメリカが金欠になる。
②さらに財政を支えていた貿易収支も赤字になる。
③ドルと交換できる金の準備額が不足してきた
ので金とドルをもう交換しませーん、というのが大きな流れだ。
いままでドルを持っていればアメリカさんが金といつでも交換してくれると思っていた国内外では、これはよくない!とドル売りが殺到したのは言うまでもない。
ちなみにベトナム戦争での出費ってどれほどの影響だったの?は以下兵力からわかる。
1961年には1,000人にみたなかったベトナム戦争向けの兵力数は1966年には30万人以上にも膨れ上がっていました。(・・・)GDP比約10%規模にまで達していました。
それでもこの時代のアメリカというのは巨大な国だったわけで、世界経済を回すためにはドルは必須だったわけである。
アメリカが経常赤字でドルを垂れ流さない限り国際的な流動性は保てない一方、そうした状況は続けばドルの信認は低下してしまう。
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#2サブプライム・ローンとは
有名なサブプライム・ローン問題をみてみよう。サブプライム・ローンとは信用力の低い人々に住宅融資を行うものである。
信用力の低い人間に融資する制度なのだから、もちろん支払い利息は大きくなり、それだけ支払いが焦げ付く人々も多くなる。
低所得の人々や変動金利で借り入れていた人々は、金利支払いに支障をきたすようになり、それが証券化市場の不安材料として急浮上しました。
金融界では、次にどのように考えるか。なんと経営破綻に陥ったハンバーガー屋さんのようなことを考えた。
━━━美味しい牛肉に安いラム肉混ぜてもばれないんじゃない?
債権未回収をリスクに感じていた証券マンは、格付けの低い債権を混ぜて良い商品に見せかけることで新たな金融商品を爆誕させていた。━━━純度の低いダイアモンドみたいなもの━━━
信用力の低いサブプライム・ローンをいくつかき集めても、信用力の高い商品をつくることはできない
そんなことは落ち着いて考えれば誰でも分かりそうなものだが、なぜ誰も指摘しなかったのだろうか?不祥事を見抜けない体制になっていたのだろうか。そうだ、YESだ。
また証券化商品の格付けは、企業の財務状態かた判断される社債格付けと違って、あくまで過去の統計にすぎないデフォルト率を利用したシミュレーションに基づいて決定されます。
どういうことかというと、証券化商品はその安全性が買い手からは不透明なことが多いので、中立の立場でその証券化商品を格付けするのだが、その格付けの方法が杜撰だったということだ。
過去の統計から逸脱する場合に正しい格付けはできない。それに誰も疑問を持っていなかったのだ。━━━ちなみに世界三大格付け機関としては「ムーディーズ」「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)」「フィッチ・レーティングス」がある
そのあとサブプライム・ローンが焦げ付き、支払いは滞り、そのサブプライム・ローンを元にしている新しい金融商品も暴落したのがリーマンショックだ。
格付けもすべて正しいとは限らない、ちゃんと何を元にしている金融商品なのかを自分で調べることが大切だとよくわかる。