三浦大知「球体」独演を鑑賞して
妻に誘われ、三浦大知さんの「球体」独演のYouTube上演を観ました。
「球体」は三浦さんのアルバム名でもあるが、今回観るのはアルバムの発売に先駆けて開催された独演のほうで、この公演は三浦さん自身が演出、構成、振付を担当したということです(もちろん役者としても出演し、本職である歌とダンスも披露します)。
独演の映像はアルバムの映像特典として収録されていますが、どうやら年に一度YouTubeで無料公開されているらしく(視聴後に調べた)。
私も三浦さんは好きだし、以前から「球体」の名前だけはどこかで見た覚えがあったので喜んでお付き合いすることにしたのでした。
さて、観終わった感想ですが……
「何かよくわからないけどすごいものを観た」
アホみたいな感想ですがマジでそうとしか言えないものでした。
とはいえさすがにこれではアホすぎるので、頑張って感じた事を言葉にしていこうと思います。
以下、独演のネタバレ注意です。
「球体」独演は観る人に解釈を委ねる作品ということであえて公式から「こういう作品です」という説明はないようです。
一応AVEXの三浦大知オフィシャルサイトでの「球体」の説明を引用してみます。
複雑に連鎖する物語、そして「球体」というタイトルのイメージから、なんとなく繰り返すループの物語なのかな、という考察はできました。
それから、ほぼ全編に渡ってなんとなく「悲しみ」「寂しさ」といった印象がありました。映像、音と三浦さんのダンスから伝わってくる印象でした。映像については今までにあまり見た事のないタイプのもので、私が過去に人生で見た映像で近い印象を受けたのはASA-CHANG&巡礼さんの「花」のMVくらいかな(MVはググれば見つかると思いますが、公式のものかわからなかったのでここにリンクを貼るのはやめておきます)。個人的にはなんとなくホラーっぽさも感じたので、批判を覚悟で言えば「風邪で高熱の出た時に見る脈絡の無い夢」や「ハリウッド版リメイクの方の映画『リング』の呪いのビデオの映像」も近いなと感じました。
ただ、上記に挙げたものとは大きな違いがあって、映像やダンスと共に流れる三浦さんの歌声が心地良くて、「ホラーっぽくはあるけど怖くない、むしろ癒される」という人生初の映像体験をすることになりました。
終盤に三浦さんが初めてハッキリと、「世界」という曲を歌うシーン(それまではダンスと一緒だったり歌っている顔が映らなかったりしている)があるのですが、前向きな歌詞と相まってここは希望も感じさせる展開でした。
でも、ここで終わるのかと思ったら最後はまた悲しげな感じに戻ってしまって(セットも物語の最初の状態に戻る?)、なんとなく負のイメージの余韻を感じるラストになるのですが……
しかし、最終的には前向きと後向きが相殺しあって45対55くらいで後向きが勝つけど、不思議と悲劇一辺倒な印象はなく、「何かわからないけど、そうなったということはそれでいいんだな」という妙な納得感が残るラストでした。
たぶんこの感想を読んで「あーそういうことね完全に理解した」となる人はいないと思います。
私自身もよーわからん、ってのが本音ですし。
ただ、ものすごくクオリティが高い作品なのは間違い無いので、三浦大知というアーティストに興味のない方も、なんなら音楽や演劇に興味が無い方でも、機会があれば一度ご覧になっていただきたいと思います。
とりあえず、来年もまたYouTubeで公開があればこのnoteでお知らせしたいと思います。