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Hallo Color World

相変わらず寄り道ばかりだ……今回はカラーフォントを作る話。

スペックとかデーターなんかをデザインに組むときにいろいろ面倒なのが、少ない誌面なのに必要な情報は細かくギッシリというヤツだ。もう、今のご時世、誰も読まないんだからQRコード並べて「続きはWebでね」で良いと思うんだけれど、まぁそうもいかないので、いろいろと工夫をする。たとえば重複する文字を略したり記号化したりして使うというのは、まぁ普通に基本中の基本だよね。
なのだけれど、このときに案外、使いたいフォントとそのフォントの従属文字の間の感覚的齟齬に出会ったりすると、フォント制作者のセンスを疑いたくなることがなる。ほんと、普段はあまり気にしないのだが、さすがにデーターページを組むとかということにもなると、そのまま従属文字をつかうのも格好が悪い。ここは、デザインの見せ所だ。


「これ、何?」
「あ〜、〠(郵便)マークですね」
「猫耳あるよね」
「ありますね…」
「いる?」
「いや〜、まぁそう言われても」
「貂明朝ってこんなふざけた感じの書体だったっけ?」
「まぁ、Adobeだし、さすがにふつうに本文組めますし、今風のセンスのいいデザインだと思いますけど……ただまぁ、記号類がいろいろとあれなことは…」

「☎は?」
「え?」
「電話」

「あ〜、電話マーク……ないですねぇ」
「無いの? このふざけたイラストが入ってて?? フォント開発の優先度ってどうなってるの?」
「いや、あの、中の人じゃないので……」

いや、貂明朝。好きですけどね、deathってないですよ。
猫耳電話マーク待ってますよ。ホント

 と、いうわけで、色々と限られた紙面の中に情報を埋めるためには略号、記号というのは欠かせないんだけどやり過ぎるとおかしな事になるという話。フォントセットに関しては確かに「大は小を兼ねる」面が大きかったりするのだけれど、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」というのもまぁ一面の真実だ。


……以上を持って、デザインの方向性は〜」
「あのぉ〜、いいですか」
「はい」
「ここの、国別(ポーランドボール)ってなってるところ、なにか、いやな感じしかしないんですけど、普通に英米日仏とかでダメですか」
「いやぁ〜、それだとほら、スペインとかブラジルとか…」(西、伯でいいよなぁ)
「いや〜、それもねそれにほらクロアチアとかわからないし」(ッックロ…? って、でてきたっけ?)
「それに、データーページって色気がなくなる感じじゃない。そこで、ここは、ほら、差色的な感じでなんか入ってると」(サシイロ?…)
「いや、いいですね。さすが編集長!」「賛成!……」(いや、だれか反対しろよ)


おいおい、いったいアイコンいくつ作らなきゃいけないんだよ。いや、そもそも全体のレイアウトから見てここ、こんなに気合いいれるとこじゃないよなぁ〜、あれ、インドネシアの赤とポーランドの赤は一緒でいいんだっっけ、なんかもー、いちいち面倒、っていうかこの細かい模様適当でいいよね。う〜ん、ついでだから他の国のも作っておくか。いや、何だかちょっと楽しくなってきたな。クソ、こうなったらとことんつきあうぞ! ヤバい。いま、ちょっとハイになってるかも……


「え〜〜〜〜」

「いや、なんか出来上がったページみたら、色がチカチカするし、小っちゃすぎて絵がよくわからないし……、でね、編集長がそこはやっぱり文字でいいって…」
「だから、僕、取りかかる前にいいましたよね、英・米・日でいいって」
「いや〜、あのときはいいと思ったんだよね、みんな盛り上がってたし。その場のノリというか、反対しづらい雰囲気というか、会議でマイナスのことっていいたくないとか、いろいろあるじゃない」
「なに、いってんですか、文字でいい、っていう意見はマイナスじゃなくて、常識の話でしょう。何でだれも反対しなかったんですか? セブンイレブンの企画会議ですか? それはやっちゃダメなやつだ! って子供だってわかりますって。普通なら専用サーバー店に設置する前に、どこかで誰かが何かがおかしいって気がつきますよね? なんで誰もとめなかったんですか?」
「なんか、100円でビール。それだけで素敵なフレーズ……」
「だからコンプライアンス以外にも大事なことがあるってわかります? いや、いまセブンイレブンの話じゃないから……」

Glyphsでカラーフォントをつくる方法は、いくつかある。というか、カラーフォントの形式がいくつかあって、それぞれの形式に対応させるために複数の方法をサポートしているという感じだ。カラーフォントといっても2〜3色(2色なら2枚、3色なら3枚のレイヤーが必要)程度の色数でできているものから、フルカラーのデータ。上の話のように、何色になるか判らないベクトルデータのカラーアイコンを文字化していくというようなケースといろいろだ。今回のような場合は svgレイヤーを使うのがもっとも簡単。なのだが、それとは別にそれぞれの形式で対応しているアプリが違うので、カラーフォントを使いたいアプリケーションを先に確認することが一番大事。それを怠ると結局作ったものが使えないということに……はい、まぁ誰のことを言ってるかおわかりだと思いますが、そういうことです。

svgレイヤーで作った場合、illustratorでの表示からPDF化まで、問題なく使える。つまり、illustrator以外(もう何のことをいっているかご理解いただけると思うのですが)に関してはまったく使えない。まぁ、現状ではね。

で、制作方法。適当なサイズにillustratorでアイコンをデザインしてsvg形式で保存、これを必要な文字分つくったらGlyphsを開いて、対応するグリフにsvgという名前でレイヤーを追加、svgファイルをそのレイヤーにドラッグ&ドロップ。サイズはGlyphsが判断してある程度自動化されるので、元のファイルをちゃんと揃えてつくっておけば悩まずOK! それをOTFで書き出して終了。簡単。いや前置きに比べて投げやりな感じに見えるかも知れないけど、ホントにこれだけなんだよね…って。

なんだけれど、これだけだとillustratorの使用では問題ないのだが、ごらんのとおりグリフは空っぽだ。 そりゃ、そうだ。やっていることはグリフの従属レイヤーにそれぞれ外部ファイルがリンクしているだけだからね。なのでファインダーでフォントファイルを選択した場合中身の表示が真っ白け。本来ならここもグリフでちゃんと埋めたい。とはいっても今回の場合はillustratorで表示さえできれば問題ないうえに、結局使われないというオチになってるので……まぁいいよね?

鋭意制作中?……そのうち公開するかも。


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