Blackletter Variable Distance Protest; Practice
いや〜、noteもだらだら長くやっているといろんな人に見てもらっているみたいで、つい先日も前回の記事にDaylightFontsの中の人にコメントを頂いて……適当なことしか言ってないのに、なんかちゃんとした人に「ありがとう」なんて言われると変な汗が出てきちゃうよね。う〜ん、なんと返事をしたものか……いや、もう、恐縮です、ホント。それで、まぁ、とりあえずそんな感じなんだけど……ってどんな感じなんだかよくわからないけど、それはともかく、実は謝らないといけない話があって、前回技術的にはなんでもOKなんて適当な話をしたけど、実はFontselfでつくったOTFを別のソフトで再保存したときにmetaデータのhexdata tagが"fslf"ってなっているところのデータを壊してしまうとFontself Makerで開けなくなってしまう。OTFならなんでもOKなわけじゃなかった。つまりFontselfは独自データを作らないなんて言っちゃたけど、Fontself用の独自データはOTFファイルの内部にmetaデータの型で保存していたみたい。といっても中身はextVersion云々から始まってspacingやらkerningGroupsだのを記述してあるだけなので、根気があれば壊したファイルの修正は容易だ……ところで、前からそうだったっけ? イヤ〜、というわけで、昔にそれをやってそのときは上手くいきそうだったので、ちゃんと確認せずに書いてしまったけど大誤報。別のソフトで編集し直してからFontselfに戻す場合、基本はやっぱりイラレを経由しないといけないみたい……って、いや、それオンラインマニュアルの頭にちゃんと書いてあるよね?……って、ごめんキチンと読んでなかった。トホホ……とりあえず手を動かしてから考えるで、マニュアルなんていつも斜め読みだからこういうことになるんだよね全く。まぁ、いつもの如く上の文章が呪文に見える人は……気にしなくていいです。そんなことよりこの調子だとまだ勘違いしているところはいっぱいあるかも……いや面目ない。
さて、気をとりなおして……お久しぶりのVariableFontということで、上の画像のフォントスタイルはまぁ、知ってる人には今更だがブラックレターというもので、今ではこれで本文組をする酔狂な本はほとんど存在しない。スタイルとして見ると「なんかマイナー感はあるよね」って感じる人が多いかもしれないけど、でも、実は第二次世界大戦前まではバリバリのメジャー現役でドイツ国内では書籍や新聞の本文組含め広い用途で普通に使われていた。このスタイルの起源は中世のヨーロッパにあるので、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココなどを生き抜き……何世代も第一線でバットを振り続けたイチロー並みに現役期間が長く最近ようやく引退したばかりという……ってまぁそんな感じなんだよね。もっともローマン体というのはローマ帝国時代に使われていたスタイルをもとにしているので、こちらのスタイルのほうが歴史的には古いことは古いのだが、厳密に言うとオリジナルのローマンに小文字体はなく、歴史的経緯で特殊な用途でしか使われなくなってアクティブ・ロースターから外れていたものを、ルネサンス以降に小文字体含め再度メジャー登録されたという経緯もあるので、プレーヤーとしていえばブラックレターのほうが中世から連綿とリーグの第一線で活躍していた大ベテランということになるんだよね……多分。
中世でいえば、アンシャル体の話は前にしたけど、ブラックレター以前は主にローマン体を崩したこのアンシャル体というスタイルが使われていた……まぁこう言うとメロヴィングやカロリング・ミナスキュールなんかをアンシャルでひとくくりにするなと怒られそうだが、字形変化の過程は実際はかなり複雑なので、そういう話を切り出すと収拾に困ったことになりそうなのは誰でも予想は付くよね? で、細かい事は気にしないということで……まぁ、それで、その一見優雅に見えるけど、本当に綺麗に書こうと思うと時間と気合いが必要な丸っこい文字……え? 言い方が適当すぎる? レタラーに喧嘩を売ってるって? う〜ん……なんといえばいいのか……まぁ、だいたいの感じが伝われば良いだけなんだけど……それで、話を戻すとゴシック以前のロマネスク時代までは、そこで使われていた文字の形はそんな感じだったのだけれど、時代を経るにしたがってそれらの字形の変化が進んでゴシックなブラックレタースタイルになっていったという話。ざっくり単純にいうと。
それで、どうして、そういう変化がおこったかというそのワケもいろいろあるのだけれど、これは大抵の本では中世のヨーロッパでは当時はまだ紙が貴重品だったので、文字が丸くて優雅過ぎるとそれだけで場所を取って紙のスペースが無駄になるので、なるべく圧縮が効いて狭い空間にギチギチと字を詰め込めるようにしたほうが望ましい……というケチくさい理由から徐々に長体がかかったり、合字が増えたり、改行すら記号にして取っ払ったりしていった揚げ句に、こういうキツキツな書体に変化していった……というような、もっともらしい説明がなされている。まぁ否定する理由もないのでそういうことにしておくと、そういう由来もあって、基本ブラックレターの文字はギッシリ詰めて使うというのがデフォルトだ。当然ながら可読性は大いに犠牲になるのだが……ホントそれ以前の書体と比べても圧倒的に読みにくいよブラックレター、古い書体より新しいモノの方が読みにくいって言うのはどうなってるんだよって感じなのだが、まぁ、だからと言って文字同士のスペースを拡げれば読みやすくなるのかというとそういうものでもない。タイトルのVariable Fontの画像を見てもらえば一目瞭然だが……更に酷いことになるうえに偉い人からは激烈に叱られたりするからね。
たしか、数多くの有名書体を生み出したドイツのタイプデザイナー、ヘルマン・ツァップ大先生の言葉……だったと思ったけど、けっこうキツい言い方でブラックレターの字間をあける阿呆は逝って良し……みたいなことをおっしゃっていた……というような記憶だけはあるのだけれど……何で読んだのかは思い出せない……まぁ、いいや、ツァップ先生に限らずまともなデザイナーに聞けば、誰でもココのところはみんな同じこと言うと思うから……それはともかく、それでグーテンベルクが活版印刷用にどの書体を選択しようかと考えた時機には、迷わずこの書体一択だったというわけだ。多分。
ということで最古の活版印刷のフォントには、このブラックレターの活字が使われていた。つまり世界最初のタイプスクリプトスタイルがブラックレターというわけ。え? 直指? まぁ、あんなものはどうせ證道歌詐欺の一件と同様だ……などとまで酷いことは言わないけど……残っている遺物がアレだけしかなくて技術継承にすら失敗している時点でお話にならない。どんなに良く言ってもオーパーツ……いや、喧嘩を売ってるわけじゃないよ。ホント。しかし、ここまであちこちを敵に回しているようになって……しまっているのは、世界が黙示録的様相を呈してきた所為なんですよ……きっと……。
さて、まぁ、そういうことで、歴史だけみればやたらと長いそのブラックレターのスタイルを見れば、これがまた長いだけあって細かい差異がいっぱいあり、また、その分類方法もいろいろあるけど……ここも雑に分類すると古典的でカクカクのテクストゥーラ、そこから太く丸くなってやや緩めになったロトンダ、くるってして先の尖ったシュヴァーバッハ、それ以降の新し目……なんか、もろドイツってイメージのフラクトゥール、あとそれ以外のよくわかんないやつ……っていう感じ。もちろんテクストゥーラにつながるルントゴーティシュ、パスタルダ……それとロトンダあたりまでをひと括りに野蛮なゴート風のアートスタイルの……つまりゴシックと呼び、シュヴァーバッハからこっちをフラクトゥールで括ってしまうような考えかたもあるんだけど、細かい事を言い出すと様式区分以外にも宗教だの人文主義だのそういうのの背景の理解も必要で……このあたりの話は学術的過ぎていろいろあって、言い出すともう何を言っているんだかよくわからない。自分で言っていて自分にすら譫言にしか聞こえないというくらいだというほどで、聞かれたら聞かれたで、毎回違うこといいだしそうなくらいなんだけど……ということで、そういう感じでブラックレター全部をフラクトゥールって言ったり、ゴシックって呼んだりする人もいるうえに、日本ではサンセリフのことをなぜかゴシックと呼んでいたり……まあ、そうなった理由はあるんだけど……そういうこともあって、このあたりもちゃんと確認しないと会話が通じないどころか大誤解のもとにもなるので要注意だ。
ちなみにそんなものまで規格化されているのかよ! でお馴染みのドイツ工業規格にDIN16518のフォントの規格分類というものがあって、それに従うとブラックレターはGruppe X以下Xaがゴシック、Xbがロトンダ、Xcがシュヴァーバッハ、Xdがフラクトゥール、Xeでそれ以外といった5区分にキッチリわけられている……ので、人によってはそれが絶対だって主張したりするんだよ! 面倒くせぇ〜って……まぁ、お察し下さい。さてそれで……って、また説明が諄くなっていったあげく、48ラインとかインキュナブラなどと関係ないところにまで脱線しそうだ……このまま延々と続けると九郎先輩を何回殺してもあきらかに駄目な未来しかつかみとれそうにない。それに、もっと細かい事を言い出すといろいろちゃんとしないといけないことがあって、このあたりさらに面倒な煩型が本当に多いので、あまり深いところまでは突っ込みたくないんだよね……実をいうと、まぁそんなわけで一部では、ブラックレターには手を出すな! といわれているとか、いないとか、ここもお察し下さい。
そんな感じのベテラン選手だったブラックレターも現代ではロートル感バリバリで、書体の用途としてもファンタジーな世界へ転生する以外ではビールやワインのラベルとか、パブの看板に使われることの他にはカリグラフィーなレタリングか、ヘビーメタルのジャケットでしかお目に掛からないという代物。つまりメタラーとレタラーと酔っ払いと中二病にしか用事がないと……まぁ、そんなわけもないんだけど、なんというか、そういう感じのイメージ……
なんだけど、このうちレタラーは自分で書けちゃううえ、メタラーと酔っ払いはSTAY HOMEで出禁にあってライブな活動が自粛中なので……現在この時点このご時世では異世界転生するような中二病にしかまず用事はない……って酷い言い草だな……まぁ、実際のところ緊急事態宣言のおかげで事態が一遍に一変。街の風景が中野正貴しているので、お馴染みのリュックを背負って町を流しているだけで齋藤飛鳥……じゃなかった浅草みどり並みに妄想が拗れ、自分自身が異世界に転生した気分になるから……って、まぁ、何を言ってるかわからないかもしれないけど……そういえば、「トム・ソーヤーの冒険」で有名なアメリカの小説家マーク・トウェインの作品に「アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー(1889)」っていうタイトルから既になろう系な雰囲気を醸し出す、文字通りアーサー王の時代に北部のアメリカ人がタイム・スリップしてしまう異世界転生モノのフォーマットを作ったといっても過言ではない小説があって……勿論歴史改変もの自体はローマ帝国の時代ですらすでに存在していたし、古典的な時間旅行小説は、同時代でもスペインや英米に先行者はいたのだけれど……なんとタイムマシンの発明者はH・G・ウェルズですらないんだよ! って、それはともかく、主人公が殴られたりしたショックをトリガーに魔法世界に転生して現代知識を利用したチートな能力で成り上がっていき……といったその手の作品にお約束なハーレム展開以外のあらかたの要素がギッシリ詰まっているというおはなし。そういうストーリーはこの小説以前には存在しなかったといわれている……らしいのでね。本来時間旅行であるとか歴史改変であるとかそういったある種、思弁的にならざるえないようなテーマを、そういうこととは切り離し見事に冒険小説の素材として娯楽化してしまっているという、その辺りのところがマーク・トウェインの素晴らしいところなのだが、完成度が高すぎて逆にこのフォーマット以外の異世界ものは存在しないんじゃないかって感じになるのは白璧の微瑕とでもいったところか……まぁ、後続の人間のクリエイティビティの問題でもあるのかもしれないけど、人の考えることなんて100年、1000年経ったってそうそう変わんね〜よっていう感じでもあるんだよね。それで、なんでこの話なのかというと、緊急事態宣言も先が見えなくなって出口の見えないオバケ屋敷のていになってきてしまっているので……いや、オバケ屋敷が好きな人ならうちで踊っているだけでも愉しいかもしれないけど、でもね、苦手な人間にしたらゼイゼイいいながらガマンしてグリーンのランプの付いてる扉までたどり着いたのに「EXIT」では無くて「NEXT」って書いてあるのを見せられたら……これ、トンカツ屋のオヤジじゃなくても絶望して死にたくなるから……いや、この件に関しては憤り越えてもうなんとも言えない気分になるけど、いろいろそんな気分にもなってきているので拗らせた妄想を一旦吐き出しておこうというはなし。いや、別に、切れちゃいないっすよ。
さて、なろう的にお題を付けると「全体主義に支配された未来から来たレジスタンスの僕は21世紀のアイドルを救いにきました」的なタイトル……あ、あと、内容はフィクションでありいかなる国家、団体、組織、事象とは全く関係はございません。まぁ、一応ね。基本的なプロットはお題の通り。
第三次世界大戦とそれに続く大喪失……グレートロスの時代を経て、全地球を支配するようになったチョングオ大帝国は盤古と呼ばれる監視システムにより全ての人間を奴隷化していた。さて未来とはいえこの辺、グレートロスの結果もあり、AI技術とかその辺りを除いて帝国の首都の風景ですらなかなかに濡れそぼった灰色で構成されていそうな雰囲気。あるいはレトロフューチャーな趣といったところでもいいかも。大喪失で技術進歩が偏っているのだ。その町の一角、圧制に抵抗する組織「ブラック・サバス」で運動に身を投じ、とある反抗計画を実行するために古いアーカイブを探っていたシグルト・ラルセンはその記録の中から美しいディーバの歌に出会い少女の声に魅了される。それは、帝国が生物兵器を用いて大喪失をもたらすべく用意周到に計画された始まりの場所の映像。ウイルス拡散のために利用されたロックフェスの会場でのコンサート風景で、実は彼女はその最も最初の犠牲者のうちの一人であった……帝国はその当時すでに世界第二位の経済大国でThe Workshop of the Worldと呼ばれ、電子・医療機器などの一大生産拠点であった。その帝国の中にあった世界最速最新鋭の戦略的超電導人工智能神威三号盤古之光は国際イベントを利用した殺人ウイルスの拡散と医療品の恣意的な不足の演出と、さらには意図した不良機器の輸出によって地上に大災害をもたらし、その混乱に乗じて世界征服を果たすといった計画を発動した。それらによってもたらされた大恐慌の訪れを利用して株価の下がった世界中の優良企業を片っ端から買収し、さらにはウイルスの蔓延によって都市がロックダウンし、人々がリモート機器に頼り切りになったところで…当然それに利用される電子機材は全てが帝国によって作られたものであったことから、盤古のルーツで、人類奴隷化ツールと呼ぶべき監視装置智子を世界中で発動させる。さて、遅まきながらこれらの異変に気づきはじめた各国も小麦やオイルなど食品やエネルギーの禁輸という対抗措置で帝国に対し、貿易戦争という冷戦の形で対抗をするのだが、非難の応酬をこじらせて、これがとうとうお互いの軍事力を使った熱戦に発展する。第三次世界大戦というわけだ。しかし殺人ウイルスの蔓延によってほとんどの軍事組織が機能不全に陥いっており、帝国製の電子機器が開戦と同時にサイバー攻撃のための兵器と化し、そこに仕掛けられた智子により作戦が遅延させられ軍事行動は筒抜けになる。そのような状況では、もはや帝国の軍事力に抗する術はなく、熱核兵器飛び交う中で世界は次々とその軍門に降る……こうして首尾良く世界征服を完了した大帝国の築き上げた数百年にわたる圧制と支配を打ち砕くべく、未来世紀のレジスタンス、シグルトたちが準備したその反抗計画は、帝国の研究機関から時間遡航機を奪い、チョングオ支配の歴史そのものを改変すべく2019年の過去へ溯り世界大戦と大喪失を阻止するといったものだった。しかし仲間達は追ってきた帝国の機関によって次々と倒れる。多くの犠牲を出しながら研究所に火を付け、それに乗じて、ラボの美女? 研究者を、未来ガジェットでチートするなどして機密書類ごと助け出すことには成功するのだが、肝心の研究組織とウイルスの破壊には失敗してしまう。そこで彼らは次に陰謀の阻止とアーカイブを見たシグルトが一目惚れしたというそのアイドルの両方を救うため、生物兵器の拡散に帝国の特別区で行われるべく予定されていた国際イベントを、その都市で散発的に発生していた政治デモを未来でレジスタンスをしていた経験を活かし、これまた謎ガジェットを利用したりして収拾がつかなくなるくらいに尖鋭化させ次々とイベントを中止に追い込むという作戦に成功する。その結果少しづつ未来が変わっていってしまったので、ここらあたりからだんだんとシグルトどころか作者にも先の見通しがたたなくなっていくのだが…しかし、歴史の揺り戻しというか、そうは簡単にはハッピーエンドはやってこない。計画を挽回して歴史を巻き戻そうとする未来の帝国の機関は裏から21世紀の政府を操り、こんどはなんと自国民をキャリアにして海外へ渡航させることでウイルスを世界中に拡散するというなんとも悪辣な計画を立案する…さて、これに気づいた主人公がそれを阻止しようと行動するが、逆に帝国の機関に追い詰められ危機一髪! するとこんどはそこに突然現れた、改変後の未来から来たというタイムパトロールの登場により助けられるというご都合主義な展開……なのだが、この連中もくわせものでウイルスの拡散防止にはちっとも役に立たないどころかウイルスの流行は既定路線だ嘯くのだった。改変後の未来のために実はシグルトの時間遡航機を狙っていたというプロテウスオペレーション的な裏事情もあったりするのだが、それはともかく、シグルトがその連中と行動を共にすることでやがて彼は改変後の未来においても、やはり彼のアイドルは兇弾に倒れる必要があり、最終的には未来にはチョングオからウエストへと首を据え変えただけの同様な言論統制社会が待っているだけになってしまうということに気づく。そんなこんなで、色々あって、もはや仲間も戦争を止める手段も失い、最終的には一目惚れのアイドル、彼の歌姫を助けることだけにしか目的を見いだせなくなったシグルト・ラルセンと、どういう戦争を始めるかで争う未来から来た2組のチーム全体主義の三つ巴。カルチャーの力で闘いは止められるか? 鍵を握るのはディーバの歌声なのか……という超時空要塞とメタルアイドルと豊田有恒とJPホーガンや劉慈欣やらをごった煮にして世界大戦を阻止してリアルタイムに現代史を改変するというハードSFチックなプロジェクトなんだけれど……それで、もうすこし踏み込んだ内容を語るとね……ピンポ〜ンって、あ、ちょっと待って。おや、誰かが来たようだぞ……
さて、いったい、なにをやっていたんだか、途中からすっかり記憶がなくなっている。書いた覚えのない文章が並んでいるんだが、本当に何をやっていたんだろう? 誰か覚えている人いる? まぁ、いいや、それで、ブラックメンの話じゃなかったブラックレターの話の続きと言うことで、タイトルのフォントはそのブラックレターというスタイルなんだけど、ブラックレターと一口に言っても、色々とスタイルのバリエーションは豊富なので単にブラックレターといっただけではかなり大雑把なことになる。まぁ今回はテーマ的にはそこのところはどうでもいいので適当だ。スタイルはブラックレターだけれどもバリアブルサイズを弄ることで、フォントのレタースペースがディスタンスしていくだけという頭の悪そうなバリアブルフォントだ。今回ベースにしたフォントは過去に作成途中だったフォントのお墓から拾ってきたものを再利用している。
もっとも、いつもだいたいそういう感じなのでいろいろとお察しの通り、もとにしたフォントというものも厳密さを要求されると、そのあたりのスタイルのガイドラインに関してはかなりガバガバだ。いってしまえば超適当。このフォントは、細かくいうとスタイル的にはロタンダとシュヴァーバッハの中間ぐらい、ややシュヴァーバッハ寄りなあたりを目指していたようだけど、勿論スタイルガイド的お約束が守られていないどころか、突っ込みどころは満艦飾……さらに、これに、大文字のみ巨大なドロップキャップの飾り文字として使われるタイプのレタリングな書体を組合せているので大文字はアンシャル体に見えるでしょ……いや、なんか適当通り越してイイカゲンになっているわけじゃなくてね、って、まぁ、そういわれればそうかもしれないのだけれど、そういうわけでもなくて、こういうスタイルもあるんだよ一応。ちなみにこのキャップ……大文字だけ飾り文字として別の文字を組み合わせたようになっているように見えるこのスタイルを、ちゃんとしたいいかたで分類しようとするとロンバルディックキャピタルといって、何というかブラックレターのサブジャンルのサブスタイルみたいなものだと思って下さい。マイナーにマイナーをかけ合わせて……だれが、どこでつかうんだよ! と、そういう感じになるかもしれないけれど、作った本人にもどこで使えばいいのかわからない……まぁ、そこのところはいいよね? そういうことで、どんなものにも名前だけはついているんだよという話……まぁ雰囲気、雰囲気! 細かい事は気にしない。
それでは本題。
文字の制作方法はいろいろあるけど、PCでできることの自由度も今ではだいぶいろいろあるので、油断しているとそれこそ何でもありになる。なので、ここら辺りはどこまでOKなのかは逆にある程度ルールを設定してちゃんと枠を嵌めておく必要はある。どんなものを作る場合でも、そういうところがちゃんとしていれば、なんとなくソレっぽくはなる。という……まぁ当たり前の話だよね? で、そのルールはどうっていう話は、こんな適当なやり方は参考にならないので、まぁ、その、ちゃんとした人の話を聴いて下さいお願いしますと言っておく。こっちは最終的にはルールなんてものは自分で自由に決めればいいなんて開き直っているのからね……いや、これ、作ったときのことを単に全く忘れているだけだだということもある……んだよね?
で、そんな感じなので、このフォント。ロンバルディックキャピタルを作ったときは……多分、ラフを適当におこしたら、キャラクターの設計方針を決定……それで、そのラフをもとに適度に文字の縦横比を決めたら、illustratorで文字とスペースの間隔をステムの幅を基準単位として上の図のように垂直グリッドに分割。次に、下のようにそれをさらに細かく分割したり、斜めの線を入れたりして……ということを繰り返して、これをガイドにして図のような、このフォント専用の方眼紙を作成して……あとはこのカスタマイズした専用の方眼紙をガイドに線を引いていけば……あっという間に英数小文字が出来上がり。というやりかた……だったはず……まぁ、わかってみれば簡単だよね。
ロンバルディックキャピタルのキャピタルのほう。つまりロンバルディアの大文字のスタイルのベースは19世紀アメリカの伝説のペンマン、マスターヨーダ……じゃなかったマスターザナーの弟子、デニス&ベアードスタジオのウィリス・A・ベアード(1882-1954)の手によるアルファベットを参照している。単にアンシャル体というと大雑把になるけど……こういう書体も無理矢理スタイル分けをするとアメリカンアンシャルスタイル……ってことになるんだよなぁ? 多分。
さて、それで、自分で作っておいてなんだけど……なんでロンバルディックキャピタルだったんだろうな……ブラックレターの大文字をそのまま作ると、ドイツでさえいまの若いやつにはブラックレターのキャピタルは、もう全然読めない……という困ったことになっているらしいというくらいわかりづらくなるので……まぁ日本語でも花札の赤丹に振ってある変態仮名で書かれているアレなんかもうあのよろしとかみなしのにしか読めないよ! ってそんな感じで、もうすこし読みやすいブラックレターを作ろうと思っていたとか……あ〜、ちなみに変態仮名ではあのよろしは「の」ではなくて「か」みなしのは「な」じゃなくて「よ」になるんだよ。なので桜の札は「みよしの」で吉野の桜を表している。ファイストスの円盤じゃないけど読めなくてもゲームをするだけなら支障は無いので、まぁ、天狗堂の社員でもない限り覚えておく必要も無い無駄知識ということになるのだが……そういう雑談はともかく、そういったかんじの気分だったっていうこともあったのだけど、実はもうひとつちゃんとした理由があって、後で装飾を施してロンバルディックキャピタル風のカラーフォントをつくろうとしていた……という計画の成れの果てだったりするんだな……多分。コレが。まぁ、文章だけだとわかりづらいと思うので、どういうことかというと、絵にすると下の図のような感じになる。
それを一つのスタイルにパッケージしようとしたと……それで、まぁ、ロンバルディックキャピタルを作ろうとしたようなんだけれど、ご多分に漏れず途中で飽きてしまったようで大文字が三分の一程度しか完成していない。こういうものをつくるときは、間を開けず、モチベーションが続いているうちにサクッと仕上げてしまわないとホントどうにもならないんだよね……それで、そのうちまた、続きが降ってくるだろうと……そんなかんじでフォントのお墓にほったらかしになっていた……というわけか……ほんと駄目だわ俺。まぁ、でも、そういう経緯とかもどうでもいいんだけど。
それで、そのフォントのレタースペースを弄って1軸のバリアブルフォントに加工しているんだけど、フォントの名前にPracticeを付けたのは実はバリアブルにレタースペースを変更したら、同時にラインスペースも変化するよう目論んでいたんだけれどこれが、どうにも上手くいかない。何でだ〜〜〜。というところで躓いてしまっているんだよね。う〜〜〜ん。まぁ、自分でも無意味なことしているような気になっているんだけど……。
で、ちょっとだけ真面目な話をすると、そもそもDTPソフトで字間と行間がいくらでもコントロールできるのに、わざわざバリアブルにフォントのファンクションで、そのあたりの機能を実装する必要があるのかという疑問が湧くところだけど、開発に大金の掛けられる有名どころのフォントの多くには、フォントを読みやすくするためと称してオプチカルサイズが実装されているのがわりと普通になってきている。使用サイズにあわせ、文字の形を調整できるので文章の読みやすさを上げるという触れ込みだが、文章の読みやすさはいろいろな要素が密接に関係していて、オプチカルサイズのスライダーを引っ張っても文字の形が最適化されるだけというのでは片手落ちだ。特に行間、文字サイズ、行長あたりは読みやすさと最も密接に関係していて、行長が長くなれば行間は広く取る必要があり、ライトな文字は密な書体より広い行間が必要になる。これらを一々マニュアルで操作するよりはスライダを引くだけで最適化されるというのであればそちらのほうが効率の面からも望ましい……というわけで字間、行間、スペース、オプチカルサイズをスライダ一発で一挙に最適化……というのは、それなりに需要もあると思うのだけれど……もちろん、こんなことをすれば開発には相当コストが掛かるのでそこまでする必要があるのかという問題はあるけど、出来るようになっているかどうかはそれとは別に可能性の問題だからね。まぁ、それで、字間、スペース、オプチカルサイズまでは可能だと言うことがわかったんだけど行間をどうすれば良いのかが……そこのところがPracticeというわけ。まぁ、そのうちまた、なにかが、どうにかなればという感じなんだけど……とはいっても、今回のフォントのようにブラックレターでそれをする必要はないよなって……まぁ、そこのところはね、必要に迫られての行動とは言え、本来的には推奨されざるおかしな行動をとっている……というか、そういうことになっているのだという自覚だけは何処かにもっていたいよねという気分があったり、無かったりするのかもしれないというメッセージだったりもするというわけなんだけど……え? わかりにくい? どんなプロテストかって? まぁ、いろいろとね……お察し下さいって。そんな感じ。
いや、しかし、今回はいつもに増してわかりにくい言い訳だらけ、酷いよホント。まぁ、そのあたりも反省点なんだけど……。