控除を増やせば手取り額は増える
所得税と住民税の額は、課税所得によって決まります
課税所得とは、収入から必須経費などを除いた所得から、所得控除の合計を引いた額です
このため、収入は増やせなくても、控除して課税所得を減らせば所得税や住民税の額が減るので、手取りを増やすことができます
住民税は前年の所得額をもとに計算されますが、源泉徴収される所得税は現時点の収入額に基づいて算出されます
このため、年間の所得額が決まる年末の年末調整で精算する必要があり、払いすぎた分は戻ってきます
適用できる控除がある場合は、忘れずに手続きをする必要があります
たとえば妻が育休中で給与を受け取ってない期間は、夫が配偶者控除を受けて税を減らせる可能性があります
この手続きを忘れると、税は多めに取られた状態のままです
育休手当は扶養の算定上、収入とはみなされないため、その年に受け取った給与が一定額以下であれば配偶者控除を受けることができます
シングルマザーやシングルファザーは、ひとり親控除で税を減らすことができますが、これも年末調整しなければ適用されません
もし、年末調整を忘れだ場合でも、5年以内であれば、確定申告で控除は受けられる
年末調整では、夫婦の収入が少ない方に子供の扶養を入れておくと世帯の住民税が安くなる場合がある
住民税の試算は市区町村役場でやってくれる
年末調整では手続きできる控除一覧
基礎控除
誰もが一律に利用できる控除(最低48万円)
配偶者控除・配偶者特別控除
年収が一定以下の配偶者がいる場合に受けられる控除(最低38万円)
扶養控除
一定の要件を満たした扶養親族がいる場合には適用される控除
(38万円、特定扶養控除は63万円、老人扶養親族は58万円または48万円)
生命保険料控除
生命保険料を支払った場合に受けられる控除(最高12万円)
地震保険料控除
地震保険料を支払った場合に受けられる控除(最高5万円)
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの掛金を支払った場合に受けられる控除
障害者控除
本人が控除対象配偶者、扶養親族が障害者である場合に受けられる控除(最高27万円)
勤労学生控除
働いている学生で、1年の合計所得金額が75万以下、給与所得以外の所得が10万円以下の学生が受けられる控除(27万円)
寡婦控除
過去に婚姻歴があり、夫と離婚または死別したあとに再婚をしていない女性が受けられる控除(27万円)
ひとり親控除とは併用不可
ひとり親控除
扶養している子どもがいるひとり親が受けられる控除(35万円)
住宅ローン控除
住宅ローンを利用した際に、残高に応じて所得税の控除が受けられる制度
所得税から控除しきれない場合、翌年度の住民税からも税金が控除される
最初の年は確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で控除を受けられる
正式名称は住宅借入金等特別控除