夏草のひとりごと #7 スマート、コツコツ、ツバメ
昔働いていたバイト先の事務所のドアによくツバメが巣を作っていた。
事務所はビルの2階にあって、階段を上がると、上から見ると凹の左側面に位置していた。
日差しや雨風、天敵から巣を隠すには絶好の場所だったのではないだろうか。
この時点で大分賢い生き物だなと思う。これに泥だの枯れ木などを運んできて家を作り始めるんだから真面目でしょうがない。
種によっては唾液で作るものもいるらしく、材料を探す手間を省いているのだろうか。
そして巣立ちまでしっかりと面倒を見たら彼らは南へ飛び立っていく。越冬のためである。
非常に計画的な一生だ。個体個体が深く考えてそういった人生を生きている訳じゃないだろうから、遺伝子レベルでそうするようになっていると考えられるが、なんてコツコツしているんだろう。
人間でいう二宮金次郎的な。
そして見た目もカッコいい。
自由に癖のある人生を送りたいみたいなことを#4のカメレオンの記事で言っていた気がするが、なんか悔しくて……。
すっぱいぶどうのキツネになった気分になってしまうのでもうツバメのことは考えないようにしよう。
コツコツ、見習う。