見出し画像

小倉優子さんの発言から見えてくるPTAの誤解

PTAって辞めていいの?そもそもなんのためにあるの?そんな疑問を抱きながら、ほぼ強制的に加入されている人がほとんどでは無いでしょうか。
PTAって加入しなくてもいいんです、辞めたってなんにも問題ありません。

10月10日放送の「サンデージャポン」で小倉優子さんがPTAについて語った内容がニュースサイトで取り上げられて、話題を呼びました。
小倉さんが語っていたのは以下のこと。

PTAの役員決め問題で「役員を引き受けます」、「候補者が誰もいない場合、引き受けてもいいです」、「以下の方を推薦します」と“地獄の三択”が話題になっている件を取り上げた。
出典:小倉優子、PTAの役員決め問題で「運動会でいい席で写真が撮れるとか特典があるとちょっと違うかなと」

そして、ネットのコメント欄や匿名掲示板で見えてきたさまざまな意見への賛同と、いくつかの誤解。

PTAはやりたくない。
やるならメリットが欲しい。無償ボランティアではワリにあわない。
PTAを拒否したいけど、子供の不利益を考えるとやめられない。

PTAを辞める、PTAに加入しなくてもできること、これからのPTAがどうあるべきか。

PTA非加入を考えた過去がありながら、現在、PTA本部役員をしている目線からお伝えします。

3000文字強でまとめました。サクッと読み進めていってくださいね!


PTAは辞めたっていいと声を大にしていいたい

画像1

PTAは絶対入らなくてはならないものと思っていませんか。
当たり前のように引き落とされるPTA会費。入学した子どもの親はPTAにっ構成加入されるものだと考えている保護者は少なくありません。

しかし、PTAは加入を強制されない任意団体です。
2014年に熊本でPTAを相手取って保護者がおこしたのがいわゆる「PTA熊本裁判」この判決の中で、裁判所はPTAを「入退会可能な任意団体」と明記しています。
それと同時に、保護者の知らないところで入退会の手続きをするものではない。
とも。

つまり、PTAは入らなくたっていいし、明日やめたっていい。
入会するか否かは、保護者の判断に任される。

本来ならば、PTAに加入するか否かを書面で確認すべきなんです。しかし、加入のアンケートをとっている学校はあまり多くないのでは?子どもの通う学校も、近隣の学校も加入の可否を問われるスタイルは今まで聞いたことがありません。

仮に加入の是非を問われても「PTAはやりたくないけど、やめられない」と考えて、(いやいやながらも)加入する人がほとんどでしょう。それはなぜか。
PTAをやめると子どもが不利益をこうむるから
PTA=加入せざるを得ないと考えるのは子どもへの影響があると考えるからでしょう。

​PTAに子どもを人質に取られている?

画像2

小倉優子さんの記事に寄せられた多くいコメントを見ていると、PTA加入に関して「勘違い」をしている人が多くいることがわかりました。PTAに価値を見出せないけど、やめられない、我慢して加入し続けるしかないと考えている人の理由がこちら。

PTAに加入しないと、子どもが卒業の花をもらえなかったり、PTA主催のイベントに参加できなかったりする
PTAに加入していない家の子として差別される

PTAは、保護者が加入しなくても、子どもはPTAからの配布物をもらえるし、行事にも堂々と参加できます。「PTAに加入してない」と公表されることももちろんありません。
つまり、PTAに入らないからといって子どもが疎外感を感じたり、あからさまな差別をされることはないのです。

実際、私の子供が通う学校にもPTAに加入していないご家庭があります。加入していないのを知っているのは、PTA役員を含め数人。役員でも詳しく知らない人がいるくらいです。
もちろん、さまざまなイベントへほかの児童と変わらず参加できるし、PTAからの配布物もきちんと配っています。


PTA要不要論~そのあり方は過渡期に来ている

画像3

PTAのあり方がかわってきた背景にあるのは、「PTA組織が必ずしも学校に欠かせないものではない」きっかけとなる2つの理由。

ひとつは、共働き家庭が増えて、日中の参加が難しくなったこと。もうひとつが、コロナで学校でのさまざまな行事が制限されたことです。

コロナ禍でさまざまな学校行事、学校外イベントが中止になりPTAの活動も激減しました。もちろん、イベントや学校行事以外にもさまざまな縁の下な仕事があるんですが、目に見える仕事が減ったのは事実。
それにより、PTA自体を縮小、解体する、PTA役員をたてずにボランティアで運営する、外部委託するなどの方法をとりはじめた学校もあります。

PTAなくてもいいんじゃない?
PTAの仕事はもっと減らすべきじゃない?

コロナ禍の今、PTA行事がなくなったってなんとかなったんだから、戻さなくてもいいという声が出てくるのも自然なことですよね。

PTAに参加しなくても子どものためにできることはある

画像4

前述のように、PTAという組織時代をなくした、縮小化した学校もあるそう。保護者がそれぞれやりたいことを発言できる環境、PTAの枠にとらわれずイベントや行事を開催するなど独自の「親の会」を立ち上げている学校もあるのだとか。

また、PTAが発足している学校でも、委員制度やクラス役員制度を廃止し、できる人ができる範囲でお手伝いをする制度にかえているところも。
こどものためだからといって、保護者の仕事や育児、介護などを犠牲にする必要はない、できる人が減っているのならば、PTAとしての役割は減っていくのも仕方がないことなのかもしれませんね。

PTAを抜けようと考えた私が役員に立候補した理由

画像5

私はいま、子どもが通う小学校でPTA本部役員をしています。こう書くと、PTAの仕事が好き、PTAに肯定的な意見ばかりもっていると思われるかもしれません。

実は、PTAの非加入を考えたこともあるくらいなんです。そう考えたきっかけになったのは、先に紹介したPTAの熊本裁判。PTAは強制加入と思い込んでいた私にとっては、まさに青天の霹靂というべき判決でした。

そこから、PTAをやめること、PTAとはそもそも何をやっているのかわからない、なぜ必要なのかあまりに不透明でみえてこないと感じました。PTAいらないんじゃない?加入する必要が本当にあるのかと、悩む日々。そこで私がとった行動がこちら

わからないなら、まず中に入って知ってみたらいいじゃない

クラス役員を経験して、PTAの活動は大変だったけどとても楽しいと感じました。
そして、翌年には本部役員に立候補していたのです。PTAを毛嫌いする、知ろうとしないままでは見えてこないものがあります。もちろん、最初からPTAとはかかわらない選択も可能。

わたしにとっては、食わず嫌いだったけど挑戦してみたら、とても口に合った。これにつきます。

PTAはやらなくちゃいけない活動からやりたい人がやるものに変わるべき

画像6

PTAは任意団体です。加入しなくてもいいし、なにかを強制される必要もない。そして、加入しなくても子どもが不利益をこうむったり差別されたり、いやがらせされたりがあってはならないのです。

PTAを嫌なものから子どものためにできることをやっていく団体に変えたい。活動に賛同する人が少ないなら、その規模は縮小するべきだし、誰かの負担ばかりが増えるべきではないと考えています。

PTA役員だからこそ感じること。変化に対するさまざまな意見、一筋縄ではいかないこともしばしば。でも少しずつPTAのあり方を変えていくべきではないでしょうか。

小倉優子さんが投げかけたPTAという組織の課題。それぞれの学校で立場で変化が必要な時期に来てるのかもしれません。

私が役員を務めるPTAも、そろそろ次年度役員の募集が始まります。できる範囲でなにか参加したい、軽い気持ちで集まってほしいんですが、さてどうなるやら。