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がめついガメ子のポップアイ復活物語

まず、ガメちゃん名の由来については下記記事をご参照下さい。

それでは、ガメ子劇場のはじまりはじまり…

それは突然起こった、7月中旬の出来事。

良かれと思って、普段手を出さない夫の水槽に、勝手に手を出したのが原因だ。
その日、余計なお世話なのは重々承知の上で、水替えをしてあげたくなってしまったのだ。
ついでに、モサモサに茂っていたウィローモスも「トリミングしちゃえ」とばかりにごっそり抜き取った。
すると、盛大に巻き上がるゴミ、ゴミ、ゴミ。

うっひゃ~~~~~

だが海水水槽じゃあるまいし、淡水水槽なら何の問題もなかろうと心配すらしなかったあの時を後悔する羽目になろうとは…

夫の水槽は、繊細なシュリンプ水槽
私なりに丁寧にやったつもりだったが、夫ほど慎重にやっていない自覚もあった。
それでも大丈夫だと思っていた。

結果、大丈夫ではなかった

水替えは終わり、気分良く過ごしていた。
そろそろ夫が帰宅する頃だなと水槽に目をやると、何やら様子がおかしいことに気付く。

食べ物へのがめつさを遺憾なく発揮して、夫の水槽の女王様として君臨しているグッピーのガメちゃんが、珍しく水槽の隅っこにいるではないか。
よくよく見てみれば、左右の目の大きさが違う!?
ゾッとした。
左の眼が腫れてる!?
白い膜みたいなのも出来てる!?

嘘でしょ…
信じたくなくて、胸いっぱいに広がり蠢めく抵抗感。

私、しでかした!?

また少しして様子を見ると、より一層、片目だけ腫れあがっていた。
まるで出目金。
白い膜がどんどん領域を広げている。

あぁーなんてこった、明らかに緊急事態だ。

ガメちゃん自身も、左目が見えないという突然のアクシデントに動揺し怯えているらしく、水槽の端に寄って怯えていた。
しかも、更なる試練がガメちゃんを襲う。
弱ったガメちゃんに気付いたテトラ達が、日頃の恨みと言わんばかりにイジメ始めたのだ。
テトラ達に寄ってたかって突かれるガメちゃん、痛々しや。
普段は無敵のガメちゃんだが、今は如何せん周りがよく見えない。
あちこちから突かれ、怯えるガメちゃん。
テトラ達は、きちんと見えない方向から攻撃していた。
「そんな頭脳あったんかい…」などと感心しつつも、うおぉ…弱肉強食。
自然界って厳しい。
残酷だぜ、お魚ワールド。

どうしよう。
どうにかせねば。
と閃いたのが、

「フローティングネットぉ~!」(←ドラえもん口調でお読み下さい。)

早速ガメちゃんをフローティングネット内に捕獲。
これでひとまず安全は確保できた。

とりあえず落ち着けたので、次は調べなければ。
見聞きした事があるポップアイという状態かなと見当はついた。
だが、その詳細は全く知らない。
結局、エロモナス菌が原因で即薬浴オススメ説が多かったが、海水水槽を始めたばかりの頃に薬浴懲り懲りした経験を持つ私は、薬浴には超慎重派
果たして、本当にコレが私の正解値だろうか…。
すぐにでも薬浴せよと急かすサイトを見てしまい、焦る心を必死に抑えつけ、検索を続ける。
アクアリウムの情報は単純明快な正解値ばかりではないというのが約1年やってきて得た教訓の1つだ。
水槽の環境は人それぞれ千差万別ゆえ仕方ない。
それを踏まえた上で、多くのアクアリスト達が親切心からネット上に情報を提供してくれている。
そこから得た情報を自分で再考し、己の水槽に適応させて利用しないと、折角のヒントは役立てられなかった。
自分の水槽にどう落とし込めるかが、トラブル時の対処力を左右した。
「焦るな焦るな…」と自分を落ち着かせ、一生懸命調べ続けた。
その内、海水水槽のサイトだが、しっくりくるモノにぶち当たった。

上記サイトの、メンテナンスの不手際で起こるガス等の充満が原因となり、2~30日程度で自然に治ってくるため、綺麗な水質をキープし、今後メンテナンスの際には水を濁らせるべからず説が、今回の状況にはしっくりきた。

私は薬浴はせず、暫く良好な水質を保ちながら見守る事を決心する。
だが、ドキドキだった。
どうかこの判断が吉と出ます様に…

一方、帰宅した夫は状況を知らされ若干狼狽したものの、最早勝手知ったる妻の行動、言いたい事は思い浮かべどあれこれ言わずさっさと諦め、あっという間に状況を受け入れた。
更に「暫く厳重に良好な水質を保て」と暗に示唆してくるという勝手極まりない妻の発言にも、半べそゆえ仕方なく言いなりになってやるか…といった塩梅だった。

被害者が個性の突出している可愛いガメ子なのもより一層のショックだった。
今後、トレードマークのがめつさが消え、さっきの様な臆病なコに様変わりしてしまうのだろうか。
何より、もっと酷くなって最悪の事態になったら…
想像するだけでも落ち込んだ。

その後4日間は、とても良くなるとは思えない酷い状態が続いた。
痛いのかなと思うと心も痛んだし、失明は免れないと思えた。

そんな状況下でも救いはあった。
翌日から隔離をやめられたのだ。
ガメちゃんを突き回す側の元気なテトラ達を隔離するのもありだなと閃き、まずは試しにガメちゃんを隔離ネットから開放してみたところ、案外平気そうに混泳できたのだ。

というか、それより腹が減って仕方なかったらしい。
ガメちゃんってば、さすがw

隔離ネットの中では与えられた餌以外存在し得ない。
普段がめつく食べ物を探し回るガメちゃんにとっては、そういう意味でストレスフルな空間だったかもしれない。
いずれにせよ、ひと晩経って、左目が見えない状況にも慣れて落ち着いていた。
早速食べ物を探し回るガメちゃん。
その内、テトラ達が突きに寄って来たが、余程ヒレ欠けする迄は暫く見守る事にした。

その内、夫が帰宅し、皆さん待望の餌タイムがやって来た。
驚く事に、その一瞬で事態は急変し、一気に問題に片が付く。
よっぽど腹ペコだったらしいガメちゃんのガメツサがスパーク!!!
片目を失明しても、食べ物に貪欲極まりないガメちゃんのその勢いたるや。
テトラ達は再びひれ伏した。
たった一度の餌タイムで、ガメちゃんをイジメるテトラはいなくなった。
ガメちゃん…なんて面白いコなんだ。

『やられたらやり返す。〇倍返しだ!』

私の頭の中に響く某ドラマの名台詞。
「やり返せば、相手と同レベルに落ちるのよ」などという綺麗事より、激しい競争社会を生き抜く術を見せつけられた気がした。
耐える力も美しかれど、やり返す力の重要性も忘れるべからず、らしい。

今となれば、いちばん酷い状態のガメちゃんの姿を記録しておけば良かったと思えもするが、当時はショック過ぎて写真など撮る気になれなかった。

それから6日目。
ようやく写真を撮る心の余裕が生まれた。
だが、だいぶ良くなってしまった
まだ視力の回復はなさそうだが、「治りそう」という希望が持て始めた姿が、こちら。

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10日目、ガメちゃんの左目に視力が戻ってきた。
左側から手を振ったり脅かしても無反応だったのが、反応するようになった。

15日目、もうかなり良くなった。

以降は記録すら残していないくらい日に日に改善していき、今では従前どおりのガメちゃんだ。
因みに、トップ画像は本日のガメちゃんのお姿。
あぁ~良かった良かった。

ガメちゃん、雑な水替えして本当にごめんね。

加えて、他人の水槽に勝手に手出しすべからず!
はい、反省しております。

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