広告運用チームで起こる悩ましい問題8選(後編)
こんばんは、神宮寺です。
今日は先日のnoteの後編です。1位〜4位を紹介していきます。
前回のnoteをまだ読まれていない方はこちらをぜひ先に読んでください。
1位〜4位は特に悩ましい問題をピックアップしたつもりなので、多くの方に共感いただけるのではないかと思っております!
チームを立ち上げている人やこれから広告運用をチーム化しようとしている人など、事前に問題を知っていただいて今後のチーム運営にぜひお役立てください。
第4位:教育バラバラ問題
広告運用はかなり属人的なスキルです。ここ最近は自動化が進み、かなりシンプルになりましたが、それでも成果は運用する人によって大きく変わります。
この属人的な部分は、教育にも大きく影響します。
「誰に教えられたか」によって、運用の考え方がバラバラになってしまうのは、かなり悩ましい問題です。
最終的には、教えられる側が自分で足りない知識をインプットして補っていくしかないと思いますが、最初に考え方がズレてしまうとそれを矯正するのにすごく時間がかかってしまったりします。
加えて、1人で運用できるようになると、他の人のフィードバックをもらう機会も激減してしまうので、自分がズレていることに気付かないまま運用し続けてしまう可能性もあります。
運用は実践を通して覚えていくのが最も早いので、マニュアルなどで統一するのは得策ではありません。(マニュアルを作るのも膨大な時間がかかりますし…)
というわけで、この問題の対処法はこんな感じ↓かなと思います。
・複数の先輩運用者と定期的に会話する機会を設ける
・自分からフィードバックを求めにいく
・社外の(競合関係にない)運用者と情報交換する
誰にでも得意不得意があるのは当然なので、「(うわ、こんなこと教わってないわ…)」と一方的に上司に不信感を持つのではなく、「こういう考えどう思いますか?」みたいな感じでフラットに意見交換できるようになるといいと思います。
第3位:人材流出問題
これは一番ダメージある問題ですよね。
即戦力採用困難問題(5位)でも触れましたが、運用者を欲している会社は非常に多いです。
流出の要因はこんな感じです。
・引き抜き(条件が良くなる)
・運用スキル以外を身に付けたい
・フリーランス化など(その方がもっと稼げる)
運用ができれば、しばらくは食いっぱぐれることはないので、転職の気持ち的なハードルも低かったりします。
一方で会社からすると、エース級の運用者が流出してしまうと大打撃です。
再三お伝えしている通り運用のスキルやノウハウを全て言語化するのは難しく、人が抜けたらそのままノウハウを失ってしまうことにつながってしまいます。
「だから運用者を大事にしてくださいね」と言う話ではなく、人が抜けてしまう前提で組織や仕組みを作っておくことが大事かなと思います。
人(未経験者)を採用してワークし始めるまでに半年くらいかかりますが、抜けてしまう時は2、3ヶ月で颯爽といなくなってしまいます。
「辞めます!」と言われてからでは遅いので、いつ誰が抜けても何とかなるように準備をしておくのは大切だと思います。
流出自体を食い止めるのも重要ですが、食い止めきれないことも絶対にあるので、致命傷を負わないように注意しましょう。
第2位:リソース常に足りない問題
世の中の運用者はほぼ100%忙しいです。どこの運用チームも常にパンク寸前で、リソース問題に頭を抱えています。
前提として、運用という仕事は忙しくなりやすい仕事です。理由は2つあります。
1つ目は、常に広告が配信されていて、数字がリアルタイムに更新されていくため、何もしていなくてもタスクがどんどん増えていきます。土日も祝日も正月も夏休みも関係なく、勝手にタスクが積み上がっていくので精神に与える負担も割と大きいです。
2つ目は、作業が多いということです。運用の仕事は考えることと作業がセットです。「これやっといて」で誰かがやってくれれば負荷もだいぶ軽減されますが、基本的には自分で対応します。誰かにやってもらうとしても、間違いのないようにちゃんとした指示を出さなければなりません。
数字が更新される→改善策を考える→作業する→数字が更新される→・・・
という無限ループを全ての案件でやらないといけないので、案件が増えれば増えるだけリソースはあっという間にいっぱいになります。
しかし、みんな忙しそうにしているからと言って、「じゃあすぐに採用をしないとだな」と早とちりしてはいけません。
「忙しい」という基準は人によって大きく異なり、たとえ同じ時間働いていたとしても生まれる成果には人によって大きな差があります。
頑張って忙しく働いているのに成果が上がらない人の特徴は、「作業時間が長い」ことです。
そもそものPCスキルが低くて作業が人よりも遅かったり、自動化・簡略化できるレポートを手作業で作っていたり、作業効率が悪い人は成果が上がりません。
施策を考える時間が長い人は、忙しくなれば勝手に思考する時間は短縮されていくのでそんなに問題ではないかなと思います。
みんなが忙しそうにしているからと言って人を採用しまくってしまうと固定費がかさみ、利益率が大幅に低下してしまいます。低い利益率で利益を出そうとすると結果的に1人で多くの利益を出せる人の負担が大きくなっていくので、なんだかんだで状況が改善しなかったりします。
もちろん人を採用することも大事ですが、その前にまずは「無駄な作業時間を削ること」を徹底してやった方がいいと思います。
特にレポートの自動化、分析用レポートの自動生成(ダッシュボード化)などは絶対にやった方がいいです。入稿の自動化は難しいので、レポートを作る時間をできるだけ削るのが先決かなと思います。
第1位:スキル属人化問題
結局はここに行き着きます。
チームが大きくなってくると、必ずこの問題に直面します。
はじめに私の結論ですが、チームの全運用者の実力を平準化させるのは、無理です。そのアプローチはやめたほうがいいと思います。
売れる営業マンがいれば、売れない営業マンもいるのと同じです。
「全員を売れる営業マンにする」というと「それは無理でしょ」と思うのに、なぜか運用者だと力量を平準化できると思っている人は結構多い印象です。
なので私個人的には、”属人的なものである”という前提のもと、チーム力をどう高めるかを考えた方がいいと思います。
つまり、属人的要素の少ない部分を徹底的に整えるのが大事になります。
運用力は、[数字の変化→適切な判断]の差です。
①数字の変化が把握できていない運用者 < ②数字の変化は把握しているが、判断が悪い運用者 < ③数字の変化を把握し、適切な判断ができる運用者
③のレベルを全員に求めようとするので、よくわからないことになってしまうのだと思います。
一方で、①→②のレベルアップであれば確実にできます。
例えば、必ず見るべき数字を自動レポートで生成しておけば、数字の変化を見落とすことはなくすことができます。
そのレポートに実行した施策やその意図を記入し、全員で共有し合えば、他の人がどういう数字に着目してどのような判断を行なっているのか知ることができるので、判断の精度を上げる材料を得ることができます。自分の判断に対するフィードバックももらいやすいです。
簡単に書きましたが、もちろん簡単なことではありません。
見るべき数字は常にアップデートし続ける必要がありますし、施策を記入し続けることも容易ではありません。
私が言いたかったことは、[判断]という曖昧でケースバイケースなものの水準を高めようとするのではなく、[判断材料の把握]という確実に実行できるものにフォーカスした取り組みをやった方がいいということです。
属人化は永遠の課題だと思いますが、そんなにムキにならずにAIの発展に期待しましょう(笑)
まとめ
どの問題もすぐに解決できるような問題ではないですが、放置しておくといずれ痛い思いをする時が来ると思います。
画一的な答えはなく、組織の規模や文化に合わせて適切な対応をしていくのが大切かなと思うので、ぜひこの機会に少し考えてみてもいいのではないでしょうか。
良い対応法があれば、ぜひ教えてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
それでは!
Twitterでも毎日情報発信を行っておりますので、ぜひフォローをお願いします☆
https://twitter.com/JiNguJi_Reiko
ここから先は
【運用の基本】フルパッケージ
個別で買うよりお得です。成果改善のプロセス、考察の書き方、媒体選定の考え方など、なかなかキチンと教わる機会がないけどかなり重要なトピックを…
【補充用パック】超厳選プレミアムパックを買った方向け
超厳選プレミアムパックをお試し頂いた後、他のnoteもお得に買いたい!と思って頂いた方向けのパックです。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?