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広告運用のインハウス化について考えてみた(後編)

こんにちは、神宮寺です。

今日は先週書いたnoteの後編です。

代理店での運用とインハウス運用の両方を経験した私だからこそリアルに伝えられる内容もあるかなと思い、今回はこのようなnoteを書かせて頂きました。

一つでも参考になる部分があれば嬉しく思います。

❏インハウスのデメリット

前編ではメリットをお伝えしたので、今回はまずデメリットをお伝えします。当然ながらメリットの裏返しの部分が多いですが、大きく3点ご紹介します。


①情報量が少ない

運用型広告のプロダクトは日々アップデートされています。
広告運用者は、最新のアップデートを常にキャッチアップをして、日々の運用に反映をさえていかなければなりません。

アップデートは、ボタンひとつで適用できる軽微なものから、導入するのに数ヶ月かかるようなものもあります
特に後者は、早期に情報をキャッチアップし、導入判断を行い、導入をすべきものであれば早めに着手する必要があります。(遅れれば遅れるほど、競合から置いていかれてしまいます)

媒体社からのアップデートの伝達方法は大きく2つです。
(1)公式のリリース(サイトへの掲載等)
(2)媒体担当からの情報共有

当然、情報連携の早さは、(1)より(2)のほうが早いです。
(2)は公式にリリースされない情報(最適化ロジックの軽微な変更、流行の運用手法)についても数多く教えてもらえることができます。(情報量は媒体社によって異なりますが)

つまり、(2)のパイプが強固であればあるほど、潤沢な情報を得ることができます。

「うちは媒体担当がついてないんだけど、どうやったらつけてもらえるの!?」

と思った方もいるかと思います。
答えは単純明快で、「利用金額を大きくすること」です。

「わかりました。では、今月間300万円ほど使ってますが、500万にしましょう!」

とか、こういうレベルの話ではないです。媒体にもよりますが、主要どころの媒体であれば、数千万~数億という規模にしないと手厚い待遇は得られないでしょう。(媒体側が特別に注力したい業種など一部例外はあると思います)

媒体社の担当者数は限られています。1担当者あたりの利益を最大化するためには利用金額の大きい会社から順に個別担当をつけていく流れになります。
そうなると圧倒的に代理店が有利になります。
代理店は、1つのプロダクトを何十社・何百社に提供することができ、1社で1~数アカウントしか持てない事業会社に比べて、売上が大きくなるのは当然です。

媒体社の中でも、代理店担当とクライアント(事業主)担当に部門が分かれているケースも増えてきており、直接事業主へのサポートを手厚くしている傾向にありますが、ここでいう事業主は莫大な広告予算を持っている企業がメインの顧客となります。

説明がかなり長くなってしまいましたが、
媒体担当がついていない場合は、情報量が大幅に減少してしまうということがインハウス化のデメリットとなります。

媒体担当がいない状況でインハウス化するのであれば、運用担当は相当頑張って情報収集をしなければならないと思います。


②ツールの利用がしにくい

多くの代理店は、レポートを自動化したり、予算を管理したり、運用を最適化するツールを使っていたりします。
サイバーエージェントさんは、極予測AIというクリエイティブの成果を高めるツールなんかも使っていたりします。

ツールは少額で使えるものも数多くありますが、導入コストがガッツリかかるものもあります。
大量のアカウントで使用するのであれば、このコスト(投資)はペイできますが、1社でペイするのは難しいことも多々あります。

ツールを入れれば必ず成果が向上するというわけではないですが、作業工数や管理工数を改善することはできます。
また、ソーシャルリスニングツールやユーザーアンケートツール等を使って新しいインサイトを取得することもできたりします。

こういうツールを(実質無料で)使えるのは代理店を利用するメリットでもあります。


③リソースが圧迫される

②とも少し被りますが、広告運用はやはり作業が多いので、リソースが逼迫してしまう可能性があります。

インハウス運用をするケースの大半は、運用以外の業務も兼任することになると思います。
マーケティング全般という括りで、CRMや純広告、アフィリエイト広告などを同時に担当することも多くあるでしょう。

運用型広告はしっかりチューニングをしないと成果はどんどん悪くなってしまいます。
細かく数値をチェックして調整をする必要があるので、想像以上に時間がとられます。

そうなると、他施策がおろそかになってしまったり、他施策がバタバタしていると運用がおろそかになってしまったりします。

社内で運用することでスピード感を持って運用ができるようになる一方で、一瞬でリソースを圧迫してしまうリスクが伴います。
リソースがなく満足に運用ができない状態では、インハウス化する意味がなくなってしまうので、余裕を持ったリソース配分ができるようにツールの導入や仕組み化などの整備をする必要があると思います。


❏インハウス化するにあたって2つの提言

インハウス化をするにあたって、私独自の視点で2つ提言をさせていただきます。私のキャリアの8割は広告運用者なので、すこし視点が偏っているかもしれませんが、1意見として受け止めて頂ければと思います。


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