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Night Tempoのライブに行ってきました。
8/11(水)、心斎橋BIGCATで開催されたNight Tempo「Night Tempo presents ザ・昭和グルーヴ・ツアー 2022」に行ってきました。
もともとは今年2月に開催予定だったのが延期になった公演で、いつまで経っても日程が来ないので振替公演があること自体を忘れていたのですが、Night Tempo氏がツアーを開始してからTwitterで延々日本で暴飲暴食ツイートし続けてくださっていたおかげで、氏のTwitterが福岡に達したあたりで来日とツアーの存在に気付くことができました。
福岡のスタートはうな重です!!日本の食事は美味しすぎて、もうお腹出ました..。
— Night Tempo 夜韻 (@nighttempo) August 6, 2022
毎日感動です...🥹 pic.twitter.com/m6D8U5qlx5
※振替公演に気付いたツイート
<ライブ会場>
ライブ会場は心斎橋の心斎橋BIGCATでした。心斎橋のアメリカ村といえば大阪では明るい人たちの中心地なので、普段はなるべく立ち寄りたくない場所なのですが、CDやレコードを探すとなると店が豊富なので音楽キモヲタとして足を踏み入れざるを得ない場所です。(最近は悲しいことにそうでもなくなってきましたが・・)心斎橋BIGCATは心斎橋ビッグステップの4階にあるライブハウスで、キャパは400人と広めでした。また、商業施設内にあるだけあって天井が高く、TOHOシネマズのスクリーン2、3くらいの規模感でした。
<客層>
事前にTwitterでリサーチした感じ、Night Tempoのファン層は
・昭和歌謡現役世代は少ない(いても40、50代の夏に半袖半パンにキャップ被るタイプのおじさん)
・男女問わずサブカル~クラブ・ミュージック好きの大学生
・音楽キモヲタ
・Night Tempoの顔ファン("韓流"の派生としてNight Tempoをとらえている)
という印象で、男女比はつかめませんでしたが、会場で見た感じは、
男: 5 (6?)
女: 5(4?)
とほぼ均等だったように感じました。会場内に昭和歌謡現役世代はいなそうでしたが、1人デカいノートパソコン入ってそうなバッグを肩から掛けたサラリーマンの方はいました。40代くらいの夫婦のようなカップルも数組いましたが、おそらく40代以上は全体の2、3割くらいで、あとは全員音楽好き大学生って感じで若い人が多かったと思います。しかも場所柄「アメ村にいそうな人」が結構いたので、昭和歌謡に興味はないけど、クラブ・ミュージックが好きな層の人も結構いたのではないかと思います。ちなみに僕は音楽キモヲタに該当しますが、見渡してそういう人はあまりいなかったように思います。なぜ昭和歌謡しか流れない場所に「アメ村にいそうな人」がチラホラいたのかは定かではないですが、彼らは僕が思っている以上に異なるジャンルに親和的なのかもしれません。おうちでHIPHOP聴く以外にもやることがあるって素敵ですよね。
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<セットリスト>
セットリストについては、SHERBETSの記事を書いたとき同様、この記事を書いている8/11時点でまだツアーが続いており、DJという属性的にもセットリストはお楽しみにした方が絶対いいと思われるため割愛します。TwitterでNight Tempo氏本人が先月開催されたフジロックのセットリストを公開されており、そちらが多少参考になるかと思われるので、どうしても気になるという方は調べてみてください。
<物販>
物販コーナーでは「Night Tempo氏直筆サイン入りシティポップ本」、Tシャツ2種、最新作のアナログ、CD、カセット等が販売されていました。特にこの時点でソールドアウトしているものはなさそうでした。Twitterで見かけた黒地に「昭和」ってプリントされているTシャツは無かったです。
<レポート>
振替公演に気付いたのが先週土日で、チケットを購入したのが日曜日だったと思いますが整理券番号的にも余裕があり、会場も30分前に到着した時点で緩やかなムードに包まれていて、コロナ感染症対策の観点からも比較的安全と思える環境でライブを見ることができました。こういうDJ系のイベントって小さなところでしか見たことがなかったので、大きい会場だとどうなるんだろうと思いましたが、とにかくバカデカい音で聴く低音が素晴らしく、昭和歌謡というより、「明るい人たちはこういう音ばかり浴びているから気持ちが明るく保てるんだろうな。」ということがわかる貴重な体験ができました。体にビリビリ響く音が気持ち良かったです。
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Night Tempo氏は日本語ペラペラで、最近Twitterなどで見かける、カッターシャツにネクタイという昭和サラリーマンスタイルのファッションで登場しました。曲をかける以外はステージの前の方に出てきて客を煽ったり、DJブースで延々飛び跳ねるといった、「DJだなー」ということをされていました。いかにもDJな人のライブを見るのは2019年のサマソニでZEDDを観て以来でしたが、バンドの演奏を生で観るのももちろん楽しいけど、こういうDJ系の人達が用意された素材を目の前で組み立てていく過程を見るのも最高だなと思いました。
<選曲について>
Night Tempo氏の選曲は「昭和グルーヴツアー」という名前通り、もちろん昭和歌謡の域を出ないのですが、その中でもシティポップ的な選曲に終始せず、久保田早紀の「異邦人」やヒロシ&キーボーの「三年目の浮気」といった曲ですら、そのままバキバキのクラブサウンドにして聴かせてしまう強引さに魅力があります。
セットの話を書きすぎるとネタバレになってしまいますが、Winkの「淋しい熱帯魚」や、最近リリースされた細川たかしの「北酒場」といった、Night Tempo Showa Groove Mixシリーズの定番曲といっていい曲はほとんどかかったかと思います。曲と曲のつなぎも素晴らしく、渡辺美里の「My Revolution」がサビから八神純子の「みずいろの雨」につながった時は、喜びと感激で脳みそが壊れそうになりました。
ただ、後半少し長丁場になってしまったこともあって、ふと、自分が昭和歌謡の牢獄の中に閉じ込められているような気持ちになり、「世の中には昭和歌謡以外にも素晴らしい音楽はたくさんあるのに、何故昭和歌謡しかかからないんだ。」と理不尽なクレーマーのような感情に一瞬陥ってしまいました。また、選曲的に昭和歌謡しかかけられないから、大黒摩季の「ら・ら・ら」とか、ほぼ昭和みたいなモンでしかないような名曲もかけられないんだな、というコンセプト的な限界のようなものもわかってしまいました。そんな中で見事なショーを組み上げるNight Tempo氏は本当にすごいです。
<MC>
Night Tempo氏のMCはかなり長めでした。
始まる前に1回、途中で1回、計4回くらいあったと思います。
喋りは異様に上手く、この辺りはさだまさしや松山千春といった、昭和の歌手の方々へのリスペクトがあるのかなと思いました。本当にこのMC聞いてる時間は昭和のフォークシンガーのコンサートを見に来ているような和やかな時間が場内に流れていたように思います。DJというより週に1回昭和グルーヴの授業をしてくれる、生徒に人気の先生といった雰囲気でした。(非常勤です。)
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特に歌ったり声を出すわけでもないのに、MCのたびにNight Tempo氏の声帯が徐々に潰れていっていたのが面白かったです。
また、今後の来日公演について、「次大阪来る時はなんばhatchでライブしたいです。今日来てくれた皆さんが、1人3人連れてきてくれたらライブできます。」みたいなことをおっしゃっていました。僕は引きこもりなので現実の肉体を持った人間を3人連れてくることは難しいですが、次までにイマジナリーフレンドを3人作っておこうと思いました。
<総評>
Night Tempo氏のNight Tempo Showa Groove Mixシリーズは好きで、昔から聴いていたのですが、個人的にNight Tempo氏がどういうテンションで、何故わざわざ日本の古い昭和の曲をバキバキのクラブミュージックにしてるのか理解できず、得体のしれないものを感じていて、その部分への恐怖からあまり心の底から好きとは思えない状態が続いていました。そこで、実際ライブに行ったらどういう感じの人かわかるかもしれないという気持ちもあり、今回ライブに行ってきました。
結果として、Night Tempo氏がなぜこんなことをしているのかはやっぱり全然わからなかったですが、興味の矛先としては純粋にダンスミュージックの一部として昭和歌謡を吸収しようとしている方なのだということがわかり、昭和歌謡に異様なフェチズムを抱いているわけではない、純粋な音楽愛好家の側面を理解できた気がして非常に安心しました。Night Tempo氏への信頼感がただただ深まる来日公演でした。
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