腫れものとの付き合い方。
バトンがまわってきました。意外に思われるかもしれませんが、私はnoteのこうした形の企画に参加するのは初めてかもしれません。
バトンをまわしてくれたのは、ワクワクとリアルが混ざり合うような、独特の雰囲気の短編小説を書いておられる山口倫可さんです。
https://note.mu/rinka_y
最近は美味しいお店の紹介も楽しみに読ませていただいてます(笑)
バトンの主催者はモッコーBグル部さん https://note.mu/yocy_gowe
↓バトンの詳細はこちらだそうです。
ノートバトンココセン https://note.mu/notebaton/n/nb7cfea9ec4ea
バトンのテーマは『ココセン』だそうです。
『ココセンとは、この本のココにセンを引いた(そして励まされた、救われたなどの)エピソードです)。
私のココセンは山田詠美の『メイク・ミー・シック』です。
こちらはエッセイなのですが、ココセンがいっぱいの素敵な一冊なのです。
読んだのは確か20歳くらいだったと思います。当時の私は今とは違って(いや、今もか?^^;)とにかく自分のことだけの生意気な小娘でした。
「何かやらなきゃ、私!」と意味もなく焦っていて、そのくせ夜遊びばっかしていて、大きなことを夢想するだけでたいした努力もしていない自分が嫌いでした。
まだまだとんがっていた若かりし頃に読んだ一冊であるこの本は、素敵な年上の姉さんから自分との向き合い方や夢や価値観の守り方なんかを教わった気分になったことを覚えています。
当時読んで一番印象に残っていた部分を、偶然にもつい最近読み返していたところでした。
何かを創り出して、自分を表現したいと決意する時、このnothingである自分に劣等感を持つことになる。その瞬間から、人は、常に自分の心に腫れものを抱えて、自意識とプライドの板ばさみになる運命を背負うのだ。世の中がイージーになって来たって、こればかりは絶対に変わらないよ、言っとくけど。
夢を持つ時点では、お気楽でも良いのだが、それを実現するのは、かなり厳しいことだ。そして、その夢がシリアスなものに具体化して行くにしたがって、まだ成功していない自分を恥じる気持ちが湧いてくる。
遠い昔、まだ何も深くは考えていなかったけれど、「いつか自分にしかやれないことをやってみたいんだ。」という漠然とした気持ちを持ちながら、かといってやるべきことも熱心にはやらずに遊んでばかりだった自分を励ましてくれたのが、引用部分「nothingという腫れもの」でした。
今は本当に1人で創り出す仕事をしている自分ですが、まさに腫れものを抱えながら創り出す日々を送っています。
「まだまだこの道で成功しているとは言えない。」
そんなふうに自分を恥じる気持ちが大きくなると、腫れものはズキズキ痛む日もあったりですが、夢がシリアスになっていくほど人の痛みや優しさにも気づいていけたように思っています。
読んだ時に心に残る文章というのは、予感めいたヒントのように自分の手元に現れてくれるものなのかもしれません。
その時は何気なく受け止めていたとしても、未来では「あぁ、出会ってたんだね〜!」と再会を果たすような。
そして今回このようなバトンを受け取るという、私にしては珍しいことをした結果、思いがけない過去の自分に再会することになりました。
本の表紙にこんなものが挟んでありました。
10年前、長年勤務していた会社を退職する前に手続きするために必要なものを調べていたようです(笑)
第二の人生を歩んでいく決意を固めた時にも、やはりこの一冊を手にしていたのだと思うと不思議な気持ちです。
バトンをいただいたのは山口倫可さんです! https://note.mu/rinka_y
次にバトンを渡すのはやすのりさんです。やすのりさん、あとは頼みました(笑)引き受けてくださってありがとうございます!
https://note.mu/yasunori68
こちらにこれまでのバトン記事が読めるそうです!https://note.mu/notebaton/m/mdc6c5c99193b