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詩ことばの森(235)「いつか見た空」

いつか見た空

いつか見た空を
ぼくが ふたたび目にするとき

目覚めたばかりの草木はふるえ
朝の風光にそよぎながら
今日一日の 命がはじまる

ありふれた日常に
あたりまえであることの
奇跡を感じてみたい
あの日の空のように

夕暮れ時のやさしさの前で
それは かけがえのないものとなり
永遠さえ信じられる気がした

あの日 きみと住んだ町も
いつか見た空が広がっているだろう

(森雪拾)

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