美しすぎるこの世界が憎い
私が生きていくにはこの世界は美しすぎる
ふとした瞬間この考えが頭をよぎる。
こんなに世界は美しいのに、私はとても醜い。
生きてもいいのだろうか。
こんなに醜い私はこんなに美しい世界で、環境で生きていくことができるのか。
私が生きることで世界が汚れていくのではないか。
自然の中に立つとそう思ってしまう。
鳥の鳴き声、木々を揺らす風、風で揺れた木々が擦れる音、水の流れる音、真っ赤に燃える夕焼け、満天の星空、一ミリも欠けていない満月。全てが美しすぎる。この世界に私は適していないな。些細なことで傷付き、人を恨み、嫌われ、憎まれ、不完全な私。正反対すぎるのよ。
美しくなりたい。
誰に何を言われようと傷付かず、恨まず、憎まず、誰にでも好かれる、心が優しくて広い。そんな人間になりたい。少しでもこの世界のように美しくありたい。純粋無垢だった頃に戻りたい。何も知らないあの頃に戻りたい。後悔なく生きたい。汚れてしまったこの道をやり直すことはできずとも、せめて死ぬときだけは美しく死にたい。美しいままこの世界から消えたい。自然に溶け込みたい。