【中編】いじめっこが膝から崩れ落ちた
私は必死に小野寺の拳から逃れる方法を考えた。
やめてほしいと伝えたら“拳”
ただ我慢してても“拳”
トイレに行くフリをして席を立とうとも考えたがすでにクラス全員の視線がこちらに向いている。
今トイレに行ってしまっては1年間築き上げた②の顔や“こいつ喧嘩慣れしてやがる感”“本気を出せば1番強い感”が台無しになり、残りの2年間肩身の狭い生活をしなくてはならない。
なんとか逃げずに回避する方法はないのか、脳みそをフル回転させたが思いつかない。
そうしているうちにもう小野寺は出席番号4番の内海のところまで来ていた。
内海はすでに微笑んでいる。
私は祈るしか出来なかった。
頼む内海、4番で終わらしてくれ。
お前はもしかしたらとんでもない打開策を持っているんじゃないのか?
お前は前の2人分のデータがある。
それをフルに活用してとんでもない打開策を思いついた余裕の微笑みなんじゃないのか?
それとも岩城同様何も思いついてないヤツの微笑みなのか?
頼む、ここでこの哀しき闘いを終わらせてくれ!
いや、正直お前の身体の心配をしている余裕はない。
打開策がなくて微笑むしか出来ないパターンだとしても、せめて1限目の先生が来るまでの長期戦に持ち込んでくれ!
小野寺「何わろとんねん!俺の顔がそんなにおもろいんかー!」
気づいた時には内海は片手で首を持たれ机にねじ伏せられていた。
内海「違うって、ごめん(片手で机にねじ伏せられながら)
よし、内海粘れ!そこから長期戦に持ち込めー!
小野寺「ごめんて誰にぬかしてんのじゃー!」
小野寺は内海の後頭部を叩きつけた後に拳を鼻に突き刺した。
内海 the end
内海は乳首を掴まれる事なく終わった。
1限目のチャイムまではまだ6分もある。
そして、小野寺の視線が出席番号5番の私へ向けられた。
つづく