夕日の色に想うこと

その日は、会社でイベントを開催した帰りだった。

イベントは成功したが、一日中動きっぱなし。タッピーは心も体も疲れ切っていた。

いつもは車でお気に入りの音楽を聞きながら帰徒につくのだが、今日は音楽を聞いていても心地よくない。ラジオをつけても、雑音にしか聞こえない。

パワーを使い切り、静かな場所でボーっとしていたい。

そんな気分だった。



そんな帰り道、坂を上りきると、突如目の前に夕日が見えた。

それは、オレンジ色でもない、赤でもない、夕日の色としか言いようのない色だった。

いつもの帰り道なのに、そのあまりに綺麗な景色に、鳥肌がたった。

夕日を見た時、なぜか無性に星野源の「Family Song」を聞きたくなり、カーオーディオを設定する。

「Family Song」の歌詞には、家族とは何であるのか、切ないメロディーと共に綴られている。歌詞の中に「夕方」と「帰り道」という言葉が入っていて、「あぁ、だからこれを聞きたくなったのか」と妙に納得してしまった。

我ながら単純である。

救急車のサイレンが
胸の糸を締めるから
夕方のメロディに
想いを乗せて届けてくれないか

ただ幸せが
一日でも多く
側にありますように
悲しみは
次のあなたへの
橋になりますように
遠い場所も繋がっているよ

星野源 「Family Song」 歌詞 一部抜粋

血がつながっていなかろうが、遠く離れて暮らしていようが

相手のことを想うことが、家族である証であるということ。


星野源と新垣結衣が結婚したが、こういった歌詞を書ける夫であればきっとうまくいくのではないか。

もう、こういう考えが浮かぶあたりが、タッピーも「おやじ」になったなと感じる。

そんな風に思いながら、眩しい夕日を見つめていた。





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