うんち革命家あらわれる
先日、小学校で全校児童を対象にうんちの授業を行いました。体育館が超満員になる状態で、600人以上の児童が参加しました。
「えっ、そんな授業あるの??」という声が聞こえてきそうです…ほんとにあるんです!
この授業が実現したのは、PTA会長の熱い思いからでした。学校保健という視点で、とにかく全児童にうんちの大切さを伝えたかったとのこと。そこで、PTA会長が学校に提案したところ、担当教諭からは「最近、子どもたちの便失禁が増えていて、便秘による腹痛で救急車を呼んだこともあるので、ぜひ取り組みたいです」という返事だったそうです。
トイレや排泄のことは、何とかしなきゃと思っていても、なかなか声に出しづらいものです。だからこそ、今回のPTA会長のような方は、とても貴重な存在です。
ということで、うんちの授業が実現するのはうれしいのですが、全校児童一斉にというのはかなり乱暴ですよね…汗
小学校1年生と6年生では、理解力も興味もまったく異なります。同じ年齢差でも30 〜35歳の大人に話をするのとは訳が違います。
話す内容を考える前に、まずは衣装です。悩みに悩んだ末、答えはコレ!(本当は即決です)
※この写真は別のときに撮ったものです。
人は見た目が9割って言いますよね。子どもたちに興味を持ってもらうには、この帽子が一番です。はい、無敵です!
子どもたちの反応はそれぞれだと思いますが、心の中では絶対にワクワクするはずです(笑)
見た目が決まれば、次に考えるのは肝心の授業内容です。かなり悩みました。これは本当です。
いろいろ考えた末、編み出したのが「ウンチピラミッド~最高のうんちをするための6つのワザ~」です(下図)。6つのワザをおぼえて、ウンチマスター(なにそれ?笑)を目指そうね、という設定です。
下図のピラミッド書かれているのは「答え」です。授業では見えないようになっていて、下から順番にクイズ形式で「1」は1年生、「2」は2年生というよう感じで、学年ごとに順番に出題します。出題された問題の答えは、全児童で考えるのですが、答える権利があるのは、指定された学年のみです。
こうすることで全員が集中できるのと、順番に機会がまわってくるため、ある程度のドキドキ感も出るはず、と考えました。ざっくりいうと学年対抗クイズ大会みたいなイメージです(クイズの内容は、機会があったら記事を書きますね)。
実際にやってみたら、子どもたちが協力的だったおかげで、かなり盛り上がりました(と思います)!
あとから先生に言われたのですが、こういった方法は、回答する学年に他の学年が注目するので、効果的だそうです。とくに高学年が回答するときは、低学年から期待の眼差しが向けられるので、いい加減に対応できないのだそうです。
そして、この授業の翌日、なんと「うんち革命家」があらわれたのです!!!
あっ…いきなりすみません。
ちょっと説明させてください。
今年の3月、私はTBSラジオ「荻上チキ・Session-22」に出演したのですが、パーソナリティの荻上チキさんと南部広美さんとのやりとりでとても印象に残ったことがありました。
それは、トイレでうんちをするとからかわれるし、いじめの舞台になるという話題のときのことです。
南部さんが中学生の時の話で、授業中、やんちゃな男の子が「先生、うんちしたいからトイレに行ってきていいですかー!」って言ったことで、うんちに対するみんなの考え方が変わったそうです。
これに対して荻上チキさんは、彼のことを「パイオニアであり革命家ですね!」と言ったのです。さらに「全員参加のうんち会議を一回やって意識改革する」という機会を設けてほしいですね、と付け加えました。(気になる方はぜひ、以下のサイトのアーカイブを聞いてみてください)
「改めて向き合う、うんち、そしてトイレの問題」加藤篤×荻上チキ
https://www.tbsradio.jp/351490
話をまとめると、「トイレでうんちするぞー!」と宣言し、うんちをすることのマイナスイメージをフレンドリーに変えてしまうことができる人のことを「うんち革命家」と言います(勝手にそういうことにしました)。
話を元に戻しますね。うんち革命家がこの学校で誕生したのです!
どういうことか言うと、授業に参加したある男の子が、「昨日、ウンコビッチ博士にガマンはするなって言われたので、学童でうんこしたぜ~」って自慢したのです。彼こそ、パイオニアであり革命家です!
うれしくて、うれしくて、彼を表彰したいくらいです。
この声を直接聞いたPTA会長は、うんちのしやすい社会が近づいているのを実感していると言っていました。
こういうのって、努力して生まれるものではありません。
やり続けながら、待つしかないと思います。
だからこそ、出会えたときは感動しますし、声を上げてくれた子どもを褒めてあげてほしいです。一つひとつの積み重ねが、子どもたちを変えていくのだと思います。
みなさんの学校でも、ぜひ「うんちの授業」をやってみてください。
そして、うんち革命家の誕生を待ちましょう!