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トイレットペーパー、1回あたり何メートル使う?

トイレットペーパーについては、これまでに以下のテーマで4回にわたって書きました。まだ読んでいない方、ぜひチェックしてみてくださいね。

テーマ1「もう間違えない!トイレットペーパーの表裏の見分け方」
テーマ2「トイレットペーパーは、実は水に溶けてはいなかった」
テーマ3「トイレットペーパーの未来はHF値が握っている?」
テーマ4「トイレットペーパーの新潮流 8ロールパッケージの需要が高まる理由」

そんなトイレットペーパーについて、まだ触れていなかった切り口があります。
それは、パブリックなトイレでの使用量です。

家庭でのトイレットペーパーの使用量は?

家庭での使用量については、テーマ4のときに紹介させて頂きました。
そのときの内容を簡単に説明します。日本トイレ研究所の会員42名(男性23名、女性19名)の協力を得て、家庭でのトイレットペーパーの使用量調査を行いました。どのように調べたかというと、トイレに入ったとき、まずはいつもの調子でトイレットペーパーを必要なだけ手に取ってみて、それを使う前にもう一度伸ばして測るという方法です。
その結果は、以下のとおり。

サンプル数が少ないので、これが平均値とは言えませんが、参考になると思います。

大雑把にいうと家庭での1回あたりの使用量は、おおよそ1mです。

トイレットペーパーを巻き取る手の動きが習慣化されているので、シングルであろうとダブルであろうとあまり変わらないのだと思います。

では、パブリックなトイレだと、ペーパーをどのくらい使うのか気になりませんか?
私は、とても気になります。もちろんコストや環境配慮面も大切ですが、私が知りたいのは、災害時の備蓄量を算出するためのベースとなる値です。

みなさんは、家庭と同じ使用量をベースに算出してもよいと思いますか?

約44万回分のペーパー使用量を調べてみた

そこで、約1000人が勤務する株式会社富士通九州システムズのオフィスで、トイレットペーパーの使用量を調査することにしました。

調査の方法は、ある一定期間のトイレの使用回数(扉のセンサーで自動測定)とトイレットペーパーの使用量を記録し、トイレ1回あたりのトイレットペーパー使用量を割り出すという方法です。扉のセンサーについては、以下の記事を参考にしてください。

調査の対象期間、トイレットペーパー仕様、トイレ個室数は以下のとおりです。

結果は、どのくらいだったと思いますか?

パブリックなトイレなので、家庭よりも多少消費量が増えると思いますよね。
私の予想としては、増えたとしても倍くらい。
ということで、2mぐらいと思っていました。

でも、違いました。
もっと、もっと多かったのです…(汗)

家庭のペーパー使用量を大きく上回った!!

12か月間の総消費量は10,560ロールで、トイレ利用回数は444,361回でした。
1ロールあたり130mなので、10,560ロール×130m=1,372,800m
つまり、1回あたりの使用量は、1,372,800m÷444,361回=3.08m

家庭に比べると、約3倍だったのです!!!

驚きですよね。でも、これがリアルな数値です。
ただ、パブリックなトイレでは、使用する前に便座を拭くこともありますよね。その場合に使ったトイレットペーパーも含まれています。

つまり、避難所や商業施設、オフィス、病院などで、災害時に備えてトイレットペーパーを備蓄する際は、約3.1m/回を参考に算出する必要があるということです。

今までだったら相当な労力を要する調査が、今回のようにトイレの扉にセンサーがあることで容易に算出できてしまうのは、とてもありがたいことです。なんとなくではなく、実際のデータに基づいたアクションを考えることが大切ですね。
これからもデータを意識しながら、トイレ環境の快適化を考えていきたいと思います。


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