12月18日の手紙 冒険者的読書観
拝啓
自分がどういう読書家かというと
家事をしながら、もしくは、トレッドミルで走りながらAudibleを聴くと伝えて、「一体どういうことですか」と眉を顰められるタイプの読者家です。
出かける際の鞄には新書が入っていることがあり、
もし、新書が入ってなくてもスマホのKindleにはいつでも読めるように「侍女の物語」がダウンロードされているタイプの読書家でもあります。
X(Twitter)で見かけた面白そうな新刊をe-honで注文し、仕事帰りに取りに行き
本棚の前面には入りきれなくなった本を積み上げていくタイプの読書家でもあります。
ジャンルはSF、ミステリ、ホラー、海外文学が多いものの、ノンフィクションも歴史関連の本も料理書も時代小説も自己啓発も芸能人のエッセイも漫画のエッセイも読みます。
最近は恋愛小説は読みませんが、一時期、ハーレクインロマンスを集中して読んでいたこともあるわけで、決して読めないとか読まないと決めているわけではありません。
ジャンルは問わず、面白いものなら何でも読んでみたい、悪食読書家とも言えるかもしれません。
先にあげた、
雑多なジャンルの本を読むと言うことだけでなく、
以前から、自分の読書の仕方は、やや独特なのかもしれない、と思っていました。
長い間、他の人も自分と同じように読んでいる気がしていましたが、よくよく考えればそんなわけはありません。
思考がそれぞれに異なるのだとすれば、本の読み方もそれぞれによって異なるのは当然でしょう。
今回は自分の読書方法について掘り下げ、その利点と弱点について考えようと思います。
本棚には積んだままになっている本がまだかなりあり、年末年始であの山を切り崩し、読み切るためにも、改めて自分の読書方法について検討する必要があると結論づけた次第です。
第一に、文章を読み飛ばすことがかなり多い読み方です。
わからなければ飛ばして読む、先へ進んで、必要ならばそこへ戻るという読んでるのか読んでないのかわからないスタイルです。
同じ文章を3度読んでわからなければ、1度前進した方が良いと判断します。
わからないということは覚えておきますが、あまり深く考えません。
「ざっくりとどういうことなのかをイメージできたら幸運!イメージができないとしても、わからないことはわかった。完全にわからなくてよし」としています。
読書の際は、妙に強気な冒険者のような気持ちでいるようです。
この冒険者は、
「冒険者の目的は新たな土地をざっくりとみて回ることで、
冒険者が新しい土地の植生がわからなくても、仕方がない!何か文句があるのか!」くらいの考えです。
読み飛ばすことに罪悪感を感じない方が、結局は最後まで読み通せるはずと信じていらとも言えるでしょう。
どうして読書の時は、判断が冒険者なのかは分かりませんが、あまり緻密に読んではいないということです。
読み飛ばしの利点はとにかく、本のページを進められること、つまり、読み切る可能性が高くなることです。
反対に、弱点は、内容の理解が時に正確ではないことです。読み進めていくと理解が追いつかず、辻褄が合わないことがあります。
そうなると、意味がわからなかった文章まで戻ることにしています。
そうすると、不思議なことに、先に進んだことによって、以前はわからなかった文章が、わかることがあります。変に得した気分にもなります。
なので、結局、読み飛ばしても良いということだと思っています。
第二に、1冊ずつ読み終えることを目的とせず、同時多発的な読み方をしています。
読み始めたとしても、面白くなければ途中でやめます。
本というものは奇妙な物体で、
その時は面白くなくても別の時に読むとひどく面白いということが起こりうるのです。
そのことを知ってからは、あまりにピンとこない時は、しおり、もしくはしおりがわりに何か挟んでおき、読みかけの本の山に載せておきます。
そして次の本を手に取ることもしばしばです。
しばらくして、何かのついでで手を伸ばして、再度読み始めてみます。
驚くほどわかることもあれば、前回の読者の記憶が全く消えていることもあります。
しかしどちらにせよ、時が来たのであれば、以前よりは読みやすくなっています。
熟成される必要がある本というものは、割と多いというのが実感です。
何を熟成しているのかはわからないですが何かの時を待っていると言うことが本にはあるのです。
読書をする時は冒険者であると言いましたが、現実の冒険と違って、読書はいつでも引き返せる、いつでも中断できる冒険です。
そしてしばらく、おいておける冒険、瞬時に新たな冒険ができる冒険なのです。
この読み方の利点は、読書のハードルが下がること、深刻さが減ることです。うまくいけば、同時に数冊の本が読み終わることもあります。
一方で弱点は、結局読み終わらない場合も、あるという点です。
しかし、それでも良いのかもしれません。あまり深刻になる必要はありません。
だって数多の冒険が我々を待ち構えているのですから。
第三に、最初の1ページとは、違うところから読む、読み方です。
普通は、はじめにとか前書きから読むものだと思います。
しかし、時には、気になる章から読む、指が当たったところから開いて読む、あとがきや解説から読むこともあります。前後の文脈は考えず、目の前にある部分から読むと言うのも面白いものです。
利点としては結末を知っているため、不安にならないということ、弱点としては、結末を知っているので、ハラハラドキドキはしない場合があるということです。
読書を冒険例えると、冒険をしている時に、はじめの街から絶対に旅立たねばならないという、縛りは本当はないということです。
1番最後の魔王の城から攻略してもいいと考えます。
読書という冒険をしている時には、こういうかなり破天荒で、ルール無用なやり方が思いつきます。
読書の世界では、やっぱりずいぶん強気です。
こうして書いてみるとかなり独特の読書スタイルであることがわかりました。
年末年始には以下の3つに取り組み、積んだままの本を減らしてみたいと思います。
・積んである本をそれぞれ、開いて眺めるところから始めること、
・読み切った本は立てておき、読みかけの本は横にしておくこと(視覚化)
・ひとつの本だけに集中せず、色々な本を同時に読むこと