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2025年1月5日 小寒の夜

本日は二十四節気で言うところの、小寒。
ちゃんとその通りに、とても寒い日でした。
今日はほとんど家から出ていないのですが、
それでも、
空気の冷たさはわかります。
今日は、とても冷え込んでいます。
雪のほとんど降らぬ当地でさえ、
空気が氷のように冷たく、
エアコンでは部屋が暖まりません。
日があるうちならまだ何とか、
でも、日が落ちてしまうと、
地表に残っていたわずかな温かさは
石の裏にいる蟻のように
どこかへ走り去ってしまいました。
蟻の跡を追いかけても仕方がないように、
火が落ちてからの冷え込みを嘆いても
仕方ありません。

昨日までが、比較的暖かったこともあり、
身体が動くのを拒んでいます。
暖かな寝床で丸くなり、
惰眠を貪るほうが生き物として正しいのです。
とはいえ、SNSの見過ぎで
気分が悪くなってきました。
目がまわります。
私の悪い癖で長期休みには、
自分とかけ離れた生き方をしている人のブログを熟読するというものがあります。
ここしばらくはそうならないように、
読書をしたり、出かける用事を入れたりしていたのですが、
今日は気を抜いていて、その悪癖にハマってしまいました。
ブログを熟読して読んで、
その書き手の思考や言動をできうる限り想像し、
なぞってみるのです。
途中、おやつ休憩を入れながら、
そのブログの書き手に思いを馳せていたのですが、
しばらく、そうしていると天井がぐるぐると回り始めました。
画面を集中して見つめすぎたようです。
先ほど食べたおやつやお茶が
迫り上がってくるような感覚もあります。
吐き気です
ここまできて、ようやく「やってしまった」ということに思い至ります。
私はまた、集中しすぎたのです。
目を閉じても世界はかすかに揺れていて、
平衡を失っています。
せめて、読みかけの本を読むべきでした。
作家の書く本を集中して読んでも、
こういうことは起こりますが、
平衡感覚を失う程度はここまでではありません。
プロの作家は世界から作ることができるので、
集中して読んだとしても、世界ごと変わってしまうので、
この乗り物酔いのようなものは起こらないようなのです。
映画を見に行くのと似ています。
映画は、映画が終わり、座席から立てば、離れることができます。
普通の人の書いたブログは、
世界観までは構築されないことがほとんどなので、
自家用車でアップダウンの激しい山道を通り、
サファリパークにいくような状態になります。
自家用車はその山道やサファリパークの泥や雨を受けてしまうのです。
目を閉じても開けても、気持ち悪い、
ずいぶん、酔ってしまったようです。

以前はこういう時、
さらにネットを見るか、寝ていたのですが、
ここ1,2年で、わかりました。
こういう時は身体を動かした方が良いのです。
自家用車の方をリセットするのです。

分厚いセーターを脱いで、
薄手のものに変え、
パーカーを羽織ります。
もともと履いていたパンツは運動にも向いているものなのでそのままにします。
コートを羽織って、リュックを背負い、家を出て鍵を閉め、
夜に飛び出しました。

やはり室内で感じていたのはあっていたようです。
とても冷え込んでいます。
空を見上げると、三日月が浮かんでいます。
右側が白っぽく、光っていて、
その下に、明るく輝く星があります。
先日調べたところによるとあれは、金星です。
数日前に見た時は、月の上、もっとほど近くにありました。
それを見て、
「やはり時は止まらないのだ」と痛切に感じました。
月も金星もずっと同じところに留まっていることはないのです。
少しずつ、でも確実に動いていって、
永久にピン留めされるようなことはありません。
私も、動かなければ、という気持ちになります。
暗く冷え込んだ道を歩く人影は少なく、
車ばかりが行き合います。
指先は凍え、何度か、身体にこすりつけて、
暖を取りました。
ジムに入って仕舞えば、暖房が効いていて、春のようです。
ほっとして、コートを脱ぎ、運動できる準備を整えます。
まだ目眩がしたのですが、
エアロバイクを漕いでいたら、段々と軽くなってきました。
そして、筋トレのマシンを動かしているうちに、
気持ち悪さも消えました。
今日はマシンのおもりは軽めです。
ひたすら、マシンを動かしているうちに、
車酔いのような状態はすっかり抜け、
自分の身体をしっかり取り戻すことができました。
仕上げにトレッドミルで走ります。
手の指、足の指から汗が滲むほど走ると、
やるべきことは終わりです。
思ったより、走れました。
コートを着て、ジムの外へ出ると、
来る時ほどの寒さ、
その厳しさを感じません。
むしろ、ひんやりした柔らかい夜が身体を包み、心地よいくらいです。
1時間ほど前の、あの気持ち悪さはどこへ消えたのか、と思うほどです。
おそらく、身体が十分温まったからでしょう。
自分では見えないけれど、身体から湯気が上がっているのかも知れません。
冬山での
「寝たら死ぬぞ」はあながち間違いではないのかもなどと空を見上げて考えます。
身体を動かして、熱を発している間は、大丈夫な気がしてきます。
まだ、とりあえずは。
また明日から、2025年をやっていきましょう。




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