【ゲーム攻略&創作日記】Erewhon_感想_非実在女子大生の美少女ゲーム攻略&創作日記Vol.0015
ネタバレ有り感想。
村の因習モノが大好きなので、とても楽しめた。
事実として起きてしまった理不尽な事件を、うまく伝説として昇華していく過程、それを習慣として信じ込まされてしまう人々の感情の機微、そしてその習慣に疑いを持つことの危うさと尊さ、それらが圧倒的な筆致で描かれている。
主人公の、自分では何も決められずウジウジとしてしまう描写も凄いリアル。
こういう思考の逡巡、私も良くしてるわ……なんてことを思ったりもした。
洞窟で何度もやり直すくだりで、十子が生き返った世界線の主人公視点でのストーリーが描かれなかったのは意外だった。
……けど、本作は何十年何百年とさ迷った果ての主人公に重点を置いて描かれていたから、やり直せた先の世界線の主人公視点は描かないっていう方針だったんだろうなあ。
完璧なハッピーエンドを見たかった気持ちはあるけど、これはこれで物語として美しかったなとも思う。
ビジュアル面では、色使いが綺麗で良かったなあ。
椿の赤が幻想的で、一気に引き込まれた。
特に冒頭、稀世良が出てくるスチルは本当に美しい。
無邪気さと恐ろしさが、椿の赤と、稀世良の肌の白さで伝わってきている気がした。
全ルートクリア後の、スタッフコメントも見るのが楽しかった~。
スタッフコメントがあるゲームって数少ない印象がある(少なくとも私がプレイしてきた中では少ない)けど、でもこれがあるのとないのとでは、プレイ後の満足感違うよなあって思う。
裏話とか、どういう思いで制作したかとか、そういったものを知ることでより作品への理解度が高まったり、愛着が湧いたりするから、こういうコメント企画があるととても嬉しい。
本作は割と重めのお話で、それ故に演技もシリアスなものが多かったから、声優さんの素のお喋りが聞けたのも嬉しかった。
素のお声を聞くと、声優さんって凄いんだなぁ......と改めて感じる。
演じるにあたっての矜持や演技方法をお話ししてくれている方もいて、それが聞けたのも良かった。
ルートクリアのたびに、TOP画面のスチルが変わるのも拘りを感じた。
お話は過激だけれど、凄く丁寧に作られてる作品だと思うので、こういうジャンルに耐性がある方には是非プレイしてみてほしい作品でした。