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大学生が京都に住んでみて感じたこと。

京都の大学に通うことになり学生街で暮らし始めて2年半が経った。

家の周りでスーツを着たサラリーマンなんて見かけたことがないし、近くの店も学生のアルバイトで賄われている。

まさに、学生の、学生による、学生のための街
それが京都だ。

京都の大学進学を控えている受験生も多くいるだろうから、この二年半で感じた京都に住むメリットデメリットを述べてみようと思う。

京都の良いところ

学生街


学生が京都に住む良さは、やはり圧倒的に学生街であることである。周りには学生しかいないし、アルバイトを始めれば色んな大学の学生と関わることができる。

周囲の飲食店も学生をターゲットとしているため値段も比較的安く、量は比較的多い。

都城制

ご存知の通り京都は元々日本の都であり、中国に倣って「碁盤の目」状の街として発展してきた。

そのため「四条通」「烏丸通」「御池通」など、市内を幾本もの大通りが貫いている。そのため、ひとたび通りの名前を覚えてしまうと、市内の地理がだいたいわかる。

他の街だと「○○町に住んでるよ」と言われてもピンと来ないことが多いと思う。知らなければ場所が分からないからだ。

ただ、京都は違う。「千本今出川」と言われれば、「あぁ、千本通と今出川通の交差点だからあの辺かな、」と推測がつく。

それだけでなく、見知らぬ土地でも、「このまま北に進み続ければいつかは今出川通りにぶつかるな」、であるといったように、いつかはどこかの大通りに出ることが出来るため、迷子になることが少ない。

京の自然

京都市内は栄えているが、その範囲はごく限られている。中心部を少し外れれば大阪や東京にはないような自然が広がっている。

そもそも京都は盆地であるため、山に囲まれてる。
京都大学を北東に進めば歴史ある比叡山がある。
東に進めば貴船に至る。貴船は別荘地のような涼しさを兼ね備えており観光客も多い。

京都市の東側には有名な鴨川が流れる。鴨川の河川敷は公園として整備されており、とにかく空が広い。都市部にいながらこれほどの広い空を眺めれる場所はそうないと感じる。

春には桜が咲き誇り、夏には入道雲と背景に雄大な山々から風が吹き降ろす。

京都はラーメンとパンのレベルが高い。

ラーメンは京都駅付近の有名店を始め、一乗寺のラーメン街道など、激戦区となっている。
パンの消費量も日本一であり、数多のパン屋が軒を連ねる。

カラオケが安い

カラオケがとにかく安い。どれくらい安いかというと、深夜フリーが0円である。ワンドリンク制もない。完全なるゼロ円である。

河原町周辺の「ジャンカラ」と「まねきねこ」が価格競争を起こした結果、両者ともに無料なるという有様だ。

デメリット

気候

京都の悪いところはなんと言ってもその気候である。

夏は暑く、冬は寒い

昼は暑く、夜は寒い

盆地の影響を受けた最悪な気候だ。

夏には38℃超えの日々が続く。2024年には国内で初めて猛暑日と熱帯夜が共に50日以上を記録するという50-50を成し遂げた。

盆地故に湿度も逃げず、かといって高いビルは存在しないためビル風のような風も吹き抜けない。密室のような暑さを醸成している。

春と秋は一日の寒暖差にやられる。
昼は25℃なのに夜は10℃前後まで冷えるということがざらにある。一日の寒暖差が15℃を超えることは珍しくない。昼に暑いと思って薄着で外出すると夜に凍え死ぬことになる。

冬も寒い。基本的に隣の大阪よりも夏は常に2~3℃高く、冬は常に2~3℃低い。
神戸と比べるとその差は4~5℃までに膨れ上がるから、いかに海が大切かがよく分かる。

交通機関

2つ目の問題は交通機関だ。

京都市内には地下鉄が日本張り巡らされている。
地下鉄烏丸線と地下鉄東西線だ。
特に地下鉄東西線がかなり無能である。なぜそこに??というような所に敷かれているため学生にはあまり用がない路線になっている。

そこで市民の足になっているのはバスである。
バスは網状脈のように市中に張り巡らさており、一律230円でどこにでもいける仕組みだ。その分複雑で難しいが、慣れると便利である。

市内には150~200m感覚ほどにバス停がある。走れば30秒ほどで到達するだろう。
また、バスは大通りを走行する。京都の大通りは碁盤の目状であるため、とにかく信号が多い。

この2つが生み出すのは、「自転車より遅いバス」である。競走するまでもなく、自転車の方が速い。

観光地を経由するバスは間違いなく遅延する。そして運転もかなり荒い。
荒い上に遅いという、最悪のバス路線が市民の足とならざるを得ない公共交通機関状況である。

オーバーツーリズム

説明するまでもないが、観光客が多すぎる。
その問題はバスの遅延を引き起こすだけでない。

四条あたりの商店街はもはや日本人向けの店は皆無と言ってもいい。外国人をターゲットとする異常な価格設定の店しか存在せず、そしてそのどれもが必ず満席となっている。

地元の人々なら四条あたりで遊ぼうとはならないはずである。

どこに行っても外国人しかおらず、市内中心部でアルバイトしようと思えば外国人対応は必須スキルとなっている。東京比べ、アジア系の外国人観光客が多いように感じる。

まとめ

以上が京都のメリットデメリットになる。

観光地は多いが、人も多いため行く人は少ないように感じる。

住めば都、以前に住む前から都であった京都は、十分魅力的な街だと感じる。

人混みの中心地も、少し離れればコンビニ感覚で身近に存在する寺社、雄大な自然、賑わう学生街である。

真夏には、「こんな暑いところ住んでられるか!」とも感じるが、全体として学生に優しい街であることは間違いない。

身近にたくさんの大学があるから、色んな大学の人との関わりもできる。大阪へのアクセスも良いし、豊かな食もある。

観光地京都としては見えてこなかった一側面に触れられればその魅力は手に取るように分かるはずだ。

その魅力を全て吹き飛ばすほどの暑さに耐え切れれば…

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