12月8日(日)『フード・インク ポスト・コロナ』松丸奨さん登壇トークイベントレポート
アメリカのフード・システムに鋭く切り込み、タブーとされていた食品業界の闇を暴いた『フード・インク』(09)の続編、『フード・インク ポスト・コロナ』が、12月6日(金)より新宿シネマカリテほかにて全国順次公開となった。
https://www.youtube.com/watch?v=0FZ0_mrPc5Y
12月6日(日)、新宿シネマカリテにて管理栄養士の松丸奨さんをお迎えし、トークイベントを開催。
松丸さんは、病院勤務を経て、現在は都内の公立小学校の管理栄養士として勤務。また、NHKにて放送中の連続テレビ小説「おむすび」に撮影協力資料提供も行った。
まず、本作の感想を聞かれ「前作『フード・インク 』と同じく衝撃が多かった。前作からその後を描いた第2弾は出ないのかなと思っていたところだった」とし、「(私たちが)“見られない”ところを“見せてくれる”映画だと思います」とコメント。
本編には、アメリカとブラジルを例に、管理栄養士たちの取組が取り上げられる。 例えば、加工食品を使わず、素材そのままの食材を使用したり、食材を流通業者ではなく直接農家から仕入れ、地場産物を活用する学校が出演。日本では、そういった取組は行われているのか?という質問に対し、「大まかにはしている。学校給食の契約は年間単位非常に大きいので、“できること”と“できないこと”があり、自治体によってもバラバラ。いくつもの稟議を通す場合もあれば、スムーズに直接農家さんと契約できることもある」と解説。
さらに、「誰が作ったのかが分かることは素敵なこと。郷土愛を育み、地元を知ることに繋がるので、地場産物の活用は積極的にしている」と明かした。 本作を鑑賞後、管理栄養士としてより意識していこうと思ったことについて「食品添加物の危険性を心配して気を遣うことも大事だけど、それによって全体の栄養バランスが崩れる方が怖いと思った」と続け、「確かに、加工食品よりも自然食品が高いことがあるけど、それを摂取することのメリットや工夫の仕方を伝えてければいいなと思いました」と語った。
その他、子どもの超加工食品の摂取量増加についてや、給食以外で取り組んでいる食育として、「給食の簡易版レシピをSNSに掲載している」ことなど、日々の心がけを語った。