完全失業率が減少し有効求人倍率が増えている現在、景気は良いのか?
先日、大雪警報で休講となった帝京大学の講義は、2月16日(木)に補講が行われることとなり「経理・財務の転職活動最前線について」の講義のために準備した資料の説明は無事に全部お話しできました。
障害者の就職&雇用について話す通常のアンプティパの業務とは違い、帝京大学の講義は一般健常者向けの講義なので、現在の日本の就職&雇用について広く調べてお話しをしており、2月上旬時点での最新の資料を使っており、毎月末に公表される全国の有効求人倍率(一般職業紹介状況・厚生労働省)や完全失業率(労働力調査・総務省)の最新版を見ると、現在の景況感と乖離するデータが発表されていることに違和感を感じるという内容の講義を行いました。
具体的には、有効求人倍率はリーマンショックの後に2009年(平成21年)8月に0.42倍(新卒除きパート含む)となった後は、コロナ禍で最も低下した2020年(令和2年)9月の1.04倍から再び右肩上がりとなっており、コロナ禍で景気がとても悪くなったのに倍率は1.0倍を下回ることが無い=求職者1人に、必ず1件以上の求人がある状況が続いており、現在も求人倍率は上昇中だが、求人件数は減少中であること。
もう一つの違和感は労働力調査・2022年(令和4年)12月分の発表で、完全失業者数が18カ月連続で減少中とあることです。
昨年末の発表で18カ月連続ということは2021年(令和3年)の7月から完全失業者が減り続けていると総務省の統計が示しているのですが、令和4年上半期の常用雇用者数は令和3年より減少しているデータが厚生労働省から発表されています。
失業者が減っているのに雇用されている人も減っていることは、統計上の定義や計算の問題として置いておくとしても(本当は、こんな矛盾するデータが別々の官庁から発表されることや、データの定義や計算方法を突っ込みたいのですが)、失業者が減り続けていて有効求人倍率が上昇していると言われても、景気が良いとは全く思えない現実が最大の違和感です。
障害求人でも一般求人でも、現在の日本の求人動向は総じて言うなら「低賃金・短時間の求人が多い」だと思います。そして雇用されている人(常用労働者)が減少し始めた令和4年上半期以降は、退職した人の補充が無い職場が多くなっている=人手不足の職場増えているにも関わらず、失業者が減っている=離職中の人が就活を止めて(諦めて)失業者にカウントされない状況が続いていると考えることもできます。
潜在的な人手不足はコロナ禍でも続いていると考えるなら、顕在化している「低賃金・短時間の求人」ではなく、まだ求人票となってない潜在的な求人ニーズを見出すことで、より良い条件や、より働き甲斐のある仕事・職場に転職することが大事だと思います。アンプティパは、そのような潜在的な求人ニーズと求職者の経験・スキル・知識のマッチングを考えるエージェントです。ご自身のPRポイントがどんな会社・職場で必要とされる=評価されるか?一緒に考えましょう!