やりたいことに拘る気持ちは、その人のヤル気・熱意と同じ
転職エージェントとして様々な求人を長年みていると、良く出てくる仕事(職種)とめったに見かけない仕事(職種)が自然に分かるようになってきます。シンプルに言うと、多くの人が同じような仕事をしているポジションは、欠員補充であれ増員であれ、採用ニーズが発生する可能性が大きいので、求人として良く出てきます。一方で、会社の中ではごく少数の人が携わっている仕事は、その人の欠員補充でも無い限り求人が発生しないし、場合によっては社内から人事異動で補充するから求人が発生しない時もあります。
具体的な業務内容で説明をすると、障害者採用&雇用支援の業務に就きたいと希望する人は時々いらっしゃいます。でも、この仕事は求人として出てくることは少ないです。理由の一つは、その仕事に携わる人の数が多くは無いことと、二つ目はそのポジションは割と社内人事異動で充足することが多いからです。
それでも「この仕事に就きたい!」と拘る人は、まずはその人の経験を活かして=障害者採用&雇用維持では無い別の経験が豊富であれば、その別の経験で採用内定が取れそうな会社を幾つかピックアップして、そのピックアップした会社の中から障害者採用が今後増える見込みの会社を優先して応募します。つまり、上手く転職できたとしても最初の仕事は希望する障害者関連では無い別の仕事でスタートする訳ですが、入社した会社では指示された仕事を適切に対処しながら、上司とも円満な関係を作りつつ、機会があるたびに「自分は障害者採用&雇用支援をしたい!」とPRを続けて、入社から3年が経過したのですが、今年度から障害者採用業務に就くことが出来たと、4年前に転職相談を受けたお客様から嬉しい連絡がありました。
このケースは、その人の「やりたいことに拘る気持ち」が絶えることなく燃え続けた成果であり、目標に向かって進む努力を怠らず、遠回りになってもコツコツ進み続ける…そのやる気・熱意を持ち続けた人の資質がポイントであり、途中のルート探しを手伝った弊社は大したことはしていません。
希望するポジションに入社して直ぐに就くことが難しい場合は、別ポジションでも良いのでまず転職した上で社内異動を狙う…という計画は時々ありますが、実際には転職した新しい会社で、新たにやりたいことが見つかった等で、元々の計画とは違う道を進み始めることも多いので、数年後に「希望が叶いました!」と嬉しい連絡を頂いたことは、実は気が引き締まる思いでした。
「採用業務に最初から就くことは困難です」とか「そこに拘り過ぎると転職の成功率が…」と言うのは、エージェントの勝手な理屈で、困難だろうが成功率が悪かろうが「やりたいことに拘る気持ち」は個人の自由であり、それを大事にするエージェントでありたいと改めて思いました。