障害者が希望する配慮と会社が行う合理的配慮、ズレた時はどうする?
アンプティパの紹介でメーカー本社・総務部で働くことになったAさんは、仕事は順調ながら徐々に直属の上司とコミュニケーションが取り難くなりました。半年ぐらいはAさんが我慢をしながら上司に合わせて仕事をしていましたが、我慢・ストレスで体調が悪くなり始めたために、Aさんは直属上司の更に上の役職者に相談をして状況の改善を図りました。
その過程で、Aさんは大畑にも相談をして下さっていたので 大まかな事情は把握していました。幸いなことに『上の役職者』から大畑へ連絡があり「Aさんの調子が良くないので相談に乗って欲しい」とのことで、大畑が会社へ訪問して、Aさん、直属上司、更に上の役職者とMTGをすることになりました。
詳細は省きますが、Aさんが就業した最初の頃はAさんも直属上司もお互いに良い緊張があり、分からないことを教える&教えて頂く相互関係に大きな問題は無かったのですが、時間の経過と共に直属上司の気質がASDのAさんと合わないことが徐々に明確になったことと、直属上司に対してAさんへの接し方を改善するよう上の役職者が何度か指導注意しましたが、問題が改善されなかったのでAさんの直属上司は別の社員さんに変更されることとなりました。
実際には、こんなに簡単に問題が改善方向に動いた訳では無いのですが、Aさんの新しい上司となった社員さんから「まだAさんは、体調が回復して元気になった訳では無いので、会社としてもAさんが安心して、長く働けるように必要な配慮を続けます。しかし、Aさんが嫌なこと・辛いことがあったら何でも会社は配慮する…という訳では無いので、Aさんが組織の一員として長く働いてゆくために、会社に出来る合理的配慮とAさんが求める配慮のバランスが崩れないよう、アンプティパ・大畑さんからAさんへの支援、宜しくお願いします。」との依頼を頂きました。
要は、Aさんが嫌なこと・辛いことなど何かしら問題にぶつかった時、「Aさんは100%悪くない」とか「Aさんの問題は会社・上司が全て解決すべき」などAさんにとっては耳障りの良い話しだけをして、万一、Aさんが「私は何を要求しても良い」などと勘違いした言動を行ってしまうと、配属部署だけでなく会社の中でもAさんが浮いてしまい上司としてもカバーできない状況が起こり得るので、そんなことが無いように、上司からの評価が下がることや、最悪の場合は雇用が切られることが無いように、「絶対自分は悪くない」と主観的に思うことなく問題を客観的に見るバランスを保って欲しい=Aさんがバランスを保てるサポートをアンプティパ・大畑にして欲しい、ということです。
上記Aさんの件は、最初の直属上司に問題があることを会社側も理解されており、Aさんが我儘を言って無理な配慮を求めた訳ではありません。(Aさんが上司の変更を求めた訳でなく、会社が配慮をした)もしAさんの最初の上司がとてもウマが合い、話し易い(Aさんにとって良い)上司だったとして、その上司が2年後に人事異動で別の部署へ移ってしまい、代わりに着任した上司がウマが合わない話し難い上司だったら、「ウマが合わない」「話し難い」ことで体調が悪くなったら「上司を替えてくれ」と言って良いのか?
こんな仮定の状況は、今は考える必要は無いのですが、会社が行う障害に対する合理的配慮と個人・障害者が希望する配慮が一致しない場合、どうバランスを取るのか?「嫌なら辞めたら?」は無責任です。何が問題なのか?客観的に状況を見て、冷静な判断をするため、障害者・本人と雇用者・会社の双方の説明を聞き取って、問題の本質を見極めることが大事だと思い、サポートしていこうと思います。
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