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陶芸家の弟子物語〜春は食べ物に困らない

今日はとっても寒かったけど
午前のクラスの天才生徒さんの作品に
感動したりしあわせになったり、
免許の違反者講習に5分遅刻したけど
なんとか入れてもらえたり、
何度かばったり人に会ったり、
娘を送って来てくれたママ友に会ったりと
自分の体の外側は寒くても
心の中は結構あったまりました!

さて今日も弟子物語の続きを書いていきます。
昨日は弟子になりたてで経験した
陶炎祭のことを書きました。

なかなか払われないお給料

4月末にもらえるはずのお給料を
先生の奥さんが忘れていて、
払われないまま確か一週間近く過ぎました。

陶炎祭の最中はやさしい先輩方が
何かと私たち弟子コンビに奢ってくれたのですが
日常生活に戻るとそういうこともありません。
でも姉弟子ちゃんはその辺に生えている
食べられるものを色々と教えてくれました。

そうなんです!時は春。
ヨモギにフキにタラの芽にゼンマイ、
など山菜で溢れています。
食べるものが沢山ある!
何でも天ぷらにしてあげてしまうと
美味しい春の味覚に溢れる食卓!

都会育ちの私はそれまで春の野山が
そんなに恵溢れる場所だと知らなかったので
めちゃくちゃ感動しました!
スーパーや瓶詰めでしか見たことなかったし
そんなに好きでなかった山菜が
こんなに美味しいなんて♡

そしてそんな春の味覚の代名詞!
と言えばタケノコ!
陶房近くの竹林に沢山顔を出してるのを
発見した姉弟子ちゃんが
「はまちゃん、今夜採りに行こう!」
と誘って来たので仕事が終わった後、
暗くなってから待ち合わせました。

要はタケノコ泥棒だった!

そして二人で暗い中落ち合うと
暗がりを懐中電灯で照らし
掘りやすそうなタケノコを
ドキドキしながら
シャベルで掘り出しました。
今考えると(その時もわかってたけど)
よそのお宅の敷地の筍を掘り返すのは
立派なタケノコ泥棒でした!

しかもたまたま通りかかった
先生の赤いボルボと鉢合わせしてしまい、
私たちはバッチリと目撃されてしまいました。
(翌日何も聞かれなかったけど)
ヘッドライトに照らされた時の
「しまった!!!」
という表情の自分たちと
「え?この子達なんでここに??」
みたいな先生夫妻の驚きの顔が
今でも鮮やかに思い出されます。

先生も奥さんも、
弟子たち二人がお給料がもらえなくて
食べ物がなくてタケノコ泥棒をしたなんて
おそらく夢にも思わなかったことでしょう。

「お金がなくてもなんとかなる」
という心の持ち方とそれに伴う行動と
「大体のことはなんとかなる」
というなぜか確信めいた思い込みは
今思い出してもちょっと笑えてくる
私の弟子時代のエピソードです。

春は恵みの季節

野山があるところに住んでいたら
春はお金がなくても食べる物がある、
ということ自体が私にとっては大発見でした。
食べ物はお店で売ってる物を買うか、
食材を買って来て料理をするか、
そのどちらかだと思って育った私は、
自然の豊かさに触れて驚いたし
なんて素晴らしいんだ!と思いました。

そうやって少しずつ田舎の暮らしの中で、
自分の体全部を使って体験していくことを
学び始めた弟子生活でした。

明日は仕事について学んだことを
書いてみようと思います!

今日もここまで読んでくださり
ありがとうございました!
それではまた明日!






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