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ビジョンクエスト再び②
今日は初めてのことが二つありました。
一つは朝にお味噌汁を作るために
去年仕込んだ味噌をオープン!
今朝初めて食べました。
なぜか宇宙味噌と名づけたその味噌は
地球の味噌の味だった…美味しかった!
そしてもう一つは
地元のゴスペルのグループの練習を
初めて見学&体験して来ました。
前々から合唱したかった私は、
ご近所さんからのお誘いで
今日初めて行ってみたのです。
とても楽しかったので
早速入会を決めました。
「本格的に歌う場を持つ」
という念願が叶います!うれしい!
さて、昨日まで四連続投稿して来た
ビジョンクエストについてのお話ですが、
いよいよ今日が最終回です!
今日は私が二回目のビジョンクエストに
参加した時のお話です。
二度目の比叡山
二回目のビジョンクエストのワークショップも
お正月の三が日に開催されました。
主催者の能登さん曰くお正月は
一年で一番日本が静かになっていて、
みんなの願いで満ち溢れている時だから、
自分の本当の望み、願いを見つけるという
このワークショップをやるに相応しいそうです。
それにはすごく納得です!
一年ぶりの比叡山は本当に気持ちがよく、
清々しく静謐で澄んだ美しい空気で
山中が満たされているようでした。
また比叡山にいることが
うれしくて仕方ありませんでした。
とは言え頭の中と心の中は、
「笠間に行って陶芸を始める」
と言う覚悟がまだできてなくて
色々な考えがぐるぐるとしていました。
去年と同様に前日に色々なワークをして
二日目の歩くビジョンクエストに備えました。
そして迎えた当日の朝、
みんなそれぞれにホワイトボードに
その日の目標や抱負を書いてから
それぞれに出発して行きました。
私が書いた目標は
「やりたいようにやる」
でした。
歩き出して最初にしたこと
参加者はみんな数枚の地図を手渡されました。
実は私は方向音痴なので、
最初は心強いと思っていたのですが、
いざ出発してみると
今どこにいるのか気になって
心配で地図ばかり見てしまいます。
歩き出してすぐにそんな自分に気づきました。
「多分このままだとずっと地図を
確かめてばかりになってしまう」
と思った私はなんと!
持っていた地図を全部、
近くにあるゴミ箱に捨てたのでした。
去年歩いたから大体の地理はわかる。
「自分の行きたい道へはきっと行けるはず
私の道は私が知っているはず」
と地図を手放して心のコンパスに従うことに!
この話を帰ってから母にしたところ
「陽子が地図を捨てるなんて!」
と感動して泣いてました。
私は母と一緒にいる時でさえ
知らない道を行くことを
すごく怖がる子供だったのです。
母にとっては信じられない出来事でした。
「やりたいようにやる」ということ
その日はまず山を下ってから
また上っていこうと考えていました。
山道を気持ちよく下っていたら
なぜか道の右側にある山肌が気になり始め、
やがてそこを上りたくなってしまいました。
「上りたい」
と言う気持ちが湧き上がって来た時、
「下に向かってるのに上ってどうする!」
とつっこむ心の声が聞こえました。
「そうだよね〜下に行きたいんだし、
こんな山肌上っているところを
人に見られても恥ずかしいし、
上ったら下りられないかもしれないし、
洋服もお気に入りの皮の手袋も汚れる」
と自分の思いをやり過ごし、
そのまましばらく下って行きました。
するとさっきよりもさらに
上りやすそうな山肌が現れ、
上りたい気持ちがますます大きくなりました。
さっきはやらない理由を並べたけど
「そうだ!今日は
やりたいようにやる
と決めたんだった!上ろう!」
と道の脇の山肌を上り始めました。
かなりの傾斜だったので
私は両手足を駆使して上りました。
「本当に上れるのかな?」と思うくらいの
急な傾斜の斜面だったのですが、
「上ろう!」と思ったら必ず
次の手がかり足がかりが見つかりました。
その時気づいたことは
「行きたいところがある時
必要なのは行くと決めること、
その決意だけである」
ということと
「行きたいところがある時に、
自分の持っているものは
(この場合は両手足)
全て使って行けばよい」
ということでした。
そのまま上りたいだけ上って
ある程度平らなところまで行って
しばらくそこに座って歌を歌ってました。
おそらく2階と3階の間くらいの高さです。
もうどうやって下りていいか
わからなくなっていました。
その時歌っていたのは
Flipper’s Guitarの”GOING ZERO"
と言う曲でした。
「ゴール目指すなんてやめよう」
「だんだん小さくなる世界で
僕は無限にゼロを目指そう」
と言う歌詞を口ずさみながら
「ゴールを目指さなくてもいい」
と思ったら少し心が軽くなりました。
三人の爺さん(まるで昔話)
歌いながらしばらく山の斜面にいたら
そのうちに気が済みました。
「さて、下りるか!」
と思って下り方を検討しながらも
足を前に投げ出した形で座っていると
山の上から歩いてきたお爺さんが
私のことを見上げてこう言いました。
「気持ちええやろ?」と。
もしかしたら怒られるかもしれないと
初めは身構えていた私も
それを聞いたら急に脱力して
「は、はい!」
と返事をしました。
「そうやろ!気持ちええやろ!
そこより上の方も行ったか?
その上も気持ちええからな!
下りる時は落ち葉で足が
引っかからんように
つま先を上に向けながら
気いつけて下りといで〜」
とにこやかな顔で言われました。
「はい!ありがとうございます!」
と答えるとお爺さんは
「気持ちええやろ〜」
と言いながら笑顔で去って行きました。
「なんていいお爺さんなんだろう!」
と思いながら姿勢を変えて
上って来た時の姿勢で下りようとしたら
ズルズルズル〜とそのまま滑り落ち、
人の目線より少し高い位置まで
どろんこになりながら下りて来ました。
するとまた別のお爺さんが歩いてきて
チラッと私のことを一瞥すると
「気いつけや〜〜」
と言いながら去って行きました。
「わあ、またお爺さんが通った!
面白いな〜」
と思いながら最後は、
思い切って斜面を駆け降りて
服の泥を払っているところに
三人目のお爺さん(別人)登場!
そして私を見るなり怒り出しました!
「あんたここに上ってたんか?
危ないやないか!
怪我したらどないするんや!」
とプリプリ怒りながら行ってしまいました。
「なんか昔話みたいだな〜」
と三人のお爺さんのことを思いながら
「これは現れるお爺さんの順番が違っていたら
私にとって全然違う体験になったな」
と振り返り、楽しい気持ちになりました。
地上から高いところに行くほどに
お爺さんの反応が肯定的だったことも
なかなか興味深いです。
行くつもりの道でなく行きたい道を行く
そしてまた山道を下っていると
分かれ道で「この道を行きたい!」
と言う道が現れました。
それは私が行こうとするルートからは
完全に外れている道だったので
ちょっと迷ったのですが、
風に揺れるススキが
「こっちおいで〜おいで〜〜」
と手招きしてるように揺れていたので
「今日はやりたいようにやるんだった!」
と思い直しその分かれ道を進みました。
しばらくその道をどんどん進んで行くと
「あ、もうここまででいいや
引き返そう」
と急に気が済んで
そう思えたので、
そこで私はUターンしたのです。
同じ道を途中で引き返すことが
実はどうしても嫌だった私は
歩き始めてみて愕然としました。
同じところをまた通って元に戻るのは
無駄としか思えなかったのですが、
当たり前だけど行きと帰りは、
向いている方向が180度違うから
見える景色が全く違うことに気づいたのです。
同じ道でも現れる風景が全く違いました。
そして気づいたことがありました。
私は自分が決めた道を進んで
「この道じゃなかった」
と思って引き返すことが
何よりも嫌だったと言うことに。
陶芸を始めた後に
「これは私の道じゃなかった。
違ったからやめよう」
と途中まで進んだ道を
引き返すかもしれないことに
ものすごく抵抗があったのです。
でもその分かれ道を進みたいだけ進んで
気が済んで引き返した時に気づいたのは
「どんな道も
それを引き返したとしても
同じ道を二度辿るのではなく
それは一つながりの一本の道である」
ということでした。
そのことに気づいた時に
私の心は決まりました。
「笠間に行こう!
これから私が行く道が
たとえ違うと感じられたとしても
すべてはその先の道につながっているから」
二年働いて資金を貯めてから行こうと
決めていたことも躊躇の原因でした。
まだお金が十分貯まっていないから
行く準備ができていないと思ってました。
「でも行きたいところに行くには
自分の持っているものは全部使って行く」
と思えるようになった私は、
「帰ったらお父さんに頼んで
笠間行きを援助してもらおう」
と心に決めました。
比叡山から続く笠間への道
比叡山に行く前には
頭も心もごちゃごちゃだったのに、
またもや比叡山の山の中で
大きな気づきを沢山得ることができました。
帰る頃にはスッキリと心が決まり、
笠間に行って陶芸を始める覚悟ができました。
それはそれは清々しい思いでした。
ポイントは
①自分の思い(望み、願い)に気づく
②それに従って行動する
③気が済むまでやる(やめてもいい)
と言う3点です。
自分の本当の思いに従って
そのために動くことによって
変わっていくることもあるから
行動自体に固執しないことも大切です。
大事なのはあくまでも自分の思いであり
気持ちであり、本当の願いです。
私は心の奥深くにある
本当の思い、願いを大切にして
それを恐れるいろんな気持ちを
ちゃんと手放すことができました。
そのことによってようやく
笠間への道が現実的なものになりました。
そして「陶芸家になりたい人」が
「陶芸家になる」と言う物語が
このあと始まるのでした。
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比叡山で始まったお話が
比叡山で終わりました!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
明日から笠間に行ってからの話を
書こうかどうかまだ悩み中ですが、
明日の気分で書くことを決めたいと思います。
それではまた明日!