
名建築の門をくぐって #001揚輝荘
ドラマ「名建築で昼食を」が素晴らしい。
東京都内の名建築をめぐりながらその設計の妙を味わいつつランチも楽しむという贅沢な時間の過ごし方を提案してくれる。
それだけでなく、建物のガイドを受けている時と台本に則った演技をしているときの境目がない自然な演技をする池田エライザに脱帽する。
東京都庭園美術館、山の上ホテル、武相荘…このドラマが輝きを放つ一方、都内に住まない自分の心の中に一抹のモヤり…これ、東京だから成立するんですよね…
我が地元、名古屋もこのラインアップに負けない名建築はないものか…足運んで掘るしかないと、同じくドラマにハマった友人とめぐることにした。
その一発目は、覚王山「揚輝荘」。松坂屋の創業者伊藤次郎左衞門祐民の作り上げた1万坪の特大別荘。
迎賓館、茶室、テニスコート、弓道場、池泉回遊式庭園、邸宅を備えた別荘…ってもう別荘の域超えてる。
なかでも私設迎賓館という機能を果たした「聴松閣」が、今回訪ねた名建築。名古屋の名建築の代表と言ってもいい。
ベンガラ色の外壁と石木との調和から早くも風格漂っている。
当日は生憎の雨ながら、寧ろ佇まいを際立たせていた。車寄せから玄関の重厚さ。
館内にはインド、中国、東南アジアをイメージした部屋があって内装の雰囲気がらっと変わる。照明の形や装飾もそれぞれ。
窓枠のこの飾り…神は細部に宿る。
インドの間の暖炉。このタイル張りに惚れ込んでしまった。
書斎…こんな書斎あったら引き篭もって出なくなるでしょ。
と、とにかく聴松閣は要素がてんこ盛りで名古屋市内の名建築として結構名を馳せている。
なので、調べると写真や紹介は結構出てくるので僕はもう一つの建物「伴華楼」を是非推したい。
周辺の木が伸びてきていて全貌を綺麗に撮れなかった…市松模様の煙突、鱗状に張られた外壁が目を引く。
ここの細部にも神が宿っている。
絨毯が引かれている下には、こんな素敵な床板が隠されていたり。これ、家でやりたいんですけどやってくれる建築会社無いだろな。
この窓の開き方!陽が綺麗に差すと市松模様が現れる。
庭を望む。住宅街のど真ん中にありながら心洗われる豊かな自然に囲まれている。敷地内は鳥の声の響きよく聞こえた。雨が地を打つ音が聞こえる静けさが印象的だった。
鷺も住み着いている。
庭も美しい。庭や伴華楼のある北園は無料で入れます。是非。
名古屋の名建築巡り、一発目から大当たりを引いてしまった。次はどこへ行こうか悩む!そして楽しい趣味が一つ増えた。「名建築で昼食を」に感謝。
最後に、ドラマのエンディング曲、浦上想起の「未熟な夜想」も素晴らしいのでシェアします。