【アニメ日記】マケインの空元気

アニメ「負けヒロインが多過ぎる」1期OP曲のあの陽気さは、つまりそういう事なんじゃないか、と今更思い至った。負け惜しみじゃないけど、空(カラ)元気。

スカのような、ハネたリズムと、男声も女声も不自然なほどシリアスさがない、あのボーカル。それは、負けヒロインの見栄っぱりとか、空元気で何とか平静を装ったり本心を隠したり、自分を奮い立たせたり。

そうなんじゃないかなーと。

考えてみると失恋の歌や未練の歌は過去に色々あるし、当時それなりにヒットもしてるんだよね。
あみんの「待つわ」も昔の長渕剛の「巡恋歌」も、パッと思い出したけど、フラれた後のストーリーだ。そこに歌われている心情は、悲しさも辛さも、未練も恨み節もある。

純粋に恋して破れた人も、何か個々の事情で生き別れになった人も、死に別れた人も、そんな歌を聴いて口ずさんで、歌に慰められたりした。死に別れと言えば、スターダストレビュー(スタレビ)の「木蓮の涙」もいいなあ。これらは全部、昭和

平成以降は、あんまりそういう、負の感情と正面切って向き合う曲、その感情に寄り添う曲とかって、流行ってないかもなー。それよりも、「そんなモンは蹴っ飛ばす!笑い飛ばす!」、で前に進む、と、そういうスタンスの方が受け入れられてる印象。

強がるGirl」は、「何度も何度も負けてやる」だし、あの明るい曲調だし。全然違う。しかし、もし暗くて悲しい曲調だったら、アニメもあんなにヒットしなかったろうな。
考えてみると、似たテーマで昭和に流行った映画「男はつらいよ」シリーズのテーマ曲も、そんなに辛い曲調じゃない。「どうせオイラは」「今日も涙の陽が落ちる」とかの歌詞はあるけど、どーんと落ち込んでる曲じゃないし、恨み節でもないし。でも「笑い飛ばす」のともまた違う、曲としては。

「男はつらいよ」の曲は、「またフラれちまったなあ。ま、でもしようがねぇじゃねーか!」って感じ。あれはあれでいい。

いいなと思ったら応援しよう!