ザ•フィンランドデザイン展(2)
日本は災害国です。私達の先祖は荒ぶる自然とずっと戦い続けてきました。そのせいか私達は自然を畏敬する一方で、どこかで「敵」、また制圧の対象と見ていないでしょうか。確かに日本人の素晴らしい美徳は災害との戦いによって育まれてきたのでしょう。しかしその反面、自然への敵視は自然の一部である人間にも及び、日本独特の生き辛さを生み出す要因になっている気がします。私達は思い通りにならない人間を敵視し、制圧の対象と見てしまうのです。他人にも自分にも、です。
一方、フィンランドの自然は過酷とはいえ災害はあまり無いようです。それで彼らは自然を家族・仲間のように感じているのでしょう。その考え方は自然の一部である人間にも拡張されていて、優しく魅力的なデザインに表れているように感じました。
もちろん日本よりフィンランドの方が良いというのではありません。フィンランド人の日本好きは有名です。日本文化の多様性、技術力、経済力に敬意を持っているようです。たぶん日本とフィンランドは似ていないからこそ惹かれ合うのでしょう。この展示から、ただ表面的に真似するのではなく背景を知り、理解を深める大切さを感じました。