焼きそば調理概論(2)
まず「準備」について述べたい。
野菜や肉などを適当に切っておくことは言うまでもないが、忘れがちなのは麺とソースの袋を事前に開けておくことだ。後でやろうとすると油で手が滑って袋が開かず、時間を浪費してしまう。
調理器具は個人の好みだが、個人的には菜箸と木製のしゃもじを推奨する。なお、フライパンはなるべく鉄製が良い。なぜなら、焼きそば調理に於いて焦げ付きは不可避だからだ。調理後に金タワシでこれを全力で擦り落とす際、テフロン加工の如き柔な被覆は容易に剥がれてしまう。鉄のフライパンは重くて敬遠されがちだが、馴染めば一生貴方の食を支えてくれる事だろう。
具を何にするか。実はこれは大した問題ではない。結局何を入れても「ソース焼きそば」にしかならないのである。とはいえ野菜の種類や量によって調理法を若干工夫する必要はある。特に「もやし」を使う際には充分注意が必要だ。油断しているともやしが含む大量の水が過剰に麺を軟化させ「蒸しそば」にしてしまうのである。もやしの調理について、その極意は余りに奥深いため本稿で語り尽くすことはできない。また別の機会に取り上げたい。
申し訳ないが時間切れだ。本稿は(3)まで続く。