Daokoの10年、Liveから見えるその答え
2022.11.30、渋谷WWW Xで行われたDaoko 10th Anniversary LiveTour 2022最終公演。そこにはDaokoの魅せる音楽の在り方、姿勢が詰まっていた。
「ゆめみてたのあたし」から始まった本公演。暦年のファンからすればエモの一言でワッとどよめく瞬間だったであろうこのスタート、出会いに関する感謝・感動を歌うこの曲による開演はまさにDaokoの姿勢が前のめりにプッシュされている一面であろう。
とは言えもうご存知の方の方が多いとは思うが、Daokoという人間は決してポジティブ100%な人間ではない。私は彼女は入り乱れる感情が溢れる中で、それでも人間に対する好意が勝って滲み出てくるような、不安定で自己肯定感は高くないながらも、その素直な人間性を音楽として昇華しているアーティストだと思っている。
そんなDaoko10周年記念の今回のセットリストはこちら。新旧様々な楽曲が混在した、まさに総集編と言えるようなラインナップになっている。
ゆめみてたのあたし
おちゃらけたよ
かけてあげる
Sorry Sorry
ぼく
ネガティブモンスター
オートリロード
御伽の街
spoopy
燐光
打上花火
ワンルーム・シーサイド・ステップ
Fog
VOICE
Cinderella step
anima
BANG!
さみしいかみさま
水星
-----アンコール-----
終わらない世界で
きみ
私が特に印象に残ったのは「Fog」。オリジナルのメランコリックな感じとは打って変わって、ハイパーポップのような若干ギラギラしたようなサウンドにアレンジされていた。今回のアレンジはかなりポップなアレンジになっていながらも、ところどころにノイズサウンドが激しく入っているなど、不安定描写も細かく見られた。インディー→メジャー→独立と来る中で、サウンド作りに変化が見られつつも、根底部分が今も変わらず昔のままのdaokoであることこそが、昔からのファンも離さず、且つ新規のファンも獲得して成長し続けられる理由なのだろう。
今回の公演中、Daokoは何度も観客に対しての感謝の告白と、今後の活動の継続への展望を語っていた。そのMCからは音楽に対する不偏の愛を感じさせられ、また、どれほど彼女がステージを楽しんでいるのかが伝わってきた。素直に溢れ出るその愛情表現も彼女が多くのリスナーを惹きつける魅力の一つであるだろう。
今回の公演は元々のファンのみならず、新規リスナーが見ても十分に見応えのあるステージになっていると思う。リアルタイムを逃してしまった方もU-NEXTでアーカイブが見れるそうなので、この記事を読んで気になってくださった方は、ぜひこのあとにでも見ていただきたい。